可愛いものが好きだが勇気を出せず黒ばかり身に着けている女性が年上の担当教授に対する好意について考えるお話の第二巻。
榊の元妻の朝霧がしばらく大学にいることになった。
ドイツで仕事をしているらしい彼女は明るくて屈託がない。
しかしそんな彼女を見ると元子は黒い感情に襲われる。
恋をするともっと明
...続きを読むるくなると思っていたのに嫉妬に支配されたくない。
しかしどんどん不安は大きくなるのだった。
そんな元子をよく見ている人物がいた。
榊の助手を務める田中だ。
彼は人嫌いで堅物だと思っていた元子の笑顔を見て以来気になっていたらしいがそれがストレートな好意よりからかう方向にいってしまっている。
そして元子は田中が自分のことを嫌っていると勘違いしている。
田中の思いに榊はなんとなく気づいているようだが、もう一人気づいているものがいた。
元子の同級生の富岡 樹里だ。
樹里は田中のことが好きなだけに田中が元子に気があることに気づいていた。
そして元子に対して嫉妬していた。
嫉妬したくないと思ってもしてしまう自分が嫌になってしまうらしい。
いろんなことを経て、元子は前より人に接するときこわごわとしなくなった。
しかし今度は榊からもっとお互いの距離を保つようにしようと諭される。
恋は人を明るくするが、同時に周りに対する嫉妬で心の奥を真っ黒にする。
本の上でしか恋をしらなかった元子がどんどん感情をしっていくさまが読んでいてジンときた。