【感想・ネタバレ】長閑の庭(2)のレビュー

ドイツ文学専攻で大学院の修士課程に通う主人公は、地味な見た目と性格から、ドイツ語で“黒い”を表す形容詞shwarzに“さん”づけで「シュバルツさん」と呼ばれている。そんな彼女は、自分の論文を読んで「君の日本語は美しい」と言ってくれたドイツ文学教授に憧れているのだが、彼は64歳。ふとしたきっかけから教授に好意を打ち明けると、「君のそれは恋ではない」と否定され、主人公は考え込んでしまう…。
若いときは若いときで、そして年を取ったら取ったで、「自分が人からどう見られているか」ということに右往左往させられてしまう、ということはありますよね。私に好意を向けてくれているこの人が何だかステキに見えてきたとか、子どものときからしっかりしていると言われてきたのでしっかりしていなければならないと思っていたとか、本当はスポーティな服が好きなのに背が低いからやめておこうとか、自分の思考でさえ、他人の影響を受けないことは難しいと思うのです。
この作品では、若い主人公だけでなく、人生をとっくに折り返したはずの教授も、登場人物がみんな試行錯誤しています。何が恋で何が恋じゃないのかを知りたい人だけでなく、「私」って何だろう?と考えたり悩んだり拗らせたりしたことがある人にぜひ読んでもらいたい作品です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

無料版購入済み

片想い

2022年08月12日

シュバルツさん、田中さん、樹里ちゃん、みんなの想いが一方通行で胸が痛くなる…
海に落ちたシュバルツさんを抱き上げる田中さんがカッコ良すぎて何度も戻って見てしまった。
色気のある男性を描くのが上手。

0
ネタバレ購入済み

好きと嫉妬

2021年05月05日

可愛いものが好きだが勇気を出せず黒ばかり身に着けている女性が年上の担当教授に対する好意について考えるお話の第二巻。
榊の元妻の朝霧がしばらく大学にいることになった。
ドイツで仕事をしているらしい彼女は明るくて屈託がない。
しかしそんな彼女を見ると元子は黒い感情に襲われる。
恋をするともっと明...続きを読むるくなると思っていたのに嫉妬に支配されたくない。
しかしどんどん不安は大きくなるのだった。
そんな元子をよく見ている人物がいた。
榊の助手を務める田中だ。
彼は人嫌いで堅物だと思っていた元子の笑顔を見て以来気になっていたらしいがそれがストレートな好意よりからかう方向にいってしまっている。
そして元子は田中が自分のことを嫌っていると勘違いしている。
田中の思いに榊はなんとなく気づいているようだが、もう一人気づいているものがいた。
元子の同級生の富岡 樹里だ。
樹里は田中のことが好きなだけに田中が元子に気があることに気づいていた。
そして元子に対して嫉妬していた。
嫉妬したくないと思ってもしてしまう自分が嫌になってしまうらしい。
いろんなことを経て、元子は前より人に接するときこわごわとしなくなった。
しかし今度は榊からもっとお互いの距離を保つようにしようと諭される。

恋は人を明るくするが、同時に周りに対する嫉妬で心の奥を真っ黒にする。
本の上でしか恋をしらなかった元子がどんどん感情をしっていくさまが読んでいてジンときた。

#胸キュン #切ない #エモい

0
購入済み

大人な関係性が良い

2020年12月31日

一巻から引き続き、大人だから醸し出せる空気感が好きです。現実ではなかなか難しい関係だけれども、漫画だからこそ美しく憧れます。二人の関係が良いもので終わることを期待しつつ次巻も楽しみです。

0
購入済み

匿名 2022年12月03日

田中さん、樹里ちゃん…
やっぱりそうだよな〜と思いました。
キャラクターそれぞれが丁寧に描かれていてそれぞれの気持ちがよく伝わります。

0
購入済み

2022年09月29日

年齢を重ねて誠実に人生を歩んできたからこそ出せる人間味がとてもカッコいい榊教授。それに惹かれる気持ちは恋なんだろうな。けれど田中さんも見てほしいと思ってしまった。

0
購入済み

匿名 2021年11月01日

人間関係や心の動きが丁寧に描写されている作品です。ドイツ文学の学び舎が舞台ですが、今のところ当初のイメージよりガチガチにドイツ文学も落とし込んだ物語ではないので読みやすいです。あくまでキャラそれぞれの人生と人間模様、そして恋の物語だと思うので。
キャラそれぞれのモノローグが秀逸だと思います。ザック...続きを読むリ分けると教授と学生の人格の深さの対比が鮮明に伝わります。
作者さんは文学に造詣が深い方なのか、本の虫さんなのか。私も作者さんと同じで美大出身ですが、教養の差を感じた次第です。

0
購入済み

空気感が良い

2021年09月14日

登場人物たちの心の機微が繊細に描かれていて、とても素敵な作品だと思います。
お互い惹かれあっているのですが、教授の方が距離を置こうとしていて、その理由を考えると切ないです。40歳の年の差は色々と難しい点があるのかもしれません。今後この二人がどうなっていくのか気になります。

0

Posted by ブクログ 2015年04月24日

20代の女子大学生が心に抱えている大学教授への想い。大学教授も揺れ動いている気がするのですが、二人を取り囲む人たちの思惑や思い、関係も複雑に絡んできていて、今後どうなるのか気になります。複雑なのに、複雑に思わせないところはすごいなあと思う。

0

Posted by ブクログ 2015年04月26日

一気にドロドロしてきた第2巻。
思わせぶりな態度を取っておいて急に蹴落とす榊教授、なんて罪な人なんだ…。
それぞれの登場人物の嫉妬心が交差して、読んでて重たい。。。シュヴァルツさんは陽のあたる世界に行けるのか…?

0

「女性マンガ」ランキング