あらすじ
ドイツ文学教授・榊(64歳)への好意は"嗜好"なのか"恋"なのか…恋の定義に苦悶し、嫉妬心に戸惑う大学院生・元子(23歳)。榊の元妻、元子に好意を抱く田中、田中を好きな樹里…そんな人間模様に変化が!? 田中が主役の番外編『メリーゴーランドの憂鬱』も収録!
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ドイツ文学専攻で大学院の修士課程に通う主人公は、地味な見た目と性格から、ドイツ語で“黒い”を表す形容詞shwarzに“さん”づけで「シュバルツさん」と呼ばれている。そんな彼女は、自分の論文を読んで「君の日本語は美しい」と言ってくれたドイツ文学教授に憧れているのだが、彼は64歳。ふとしたきっかけから教授に好意を打ち明けると、「君のそれは恋ではない」と否定され、主人公は考え込んでしまう…。
若いときは若いときで、そして年を取ったら取ったで、「自分が人からどう見られているか」ということに右往左往させられてしまう、ということはありますよね。私に好意を向けてくれているこの人が何だかステキに見えてきたとか、子どものときからしっかりしていると言われてきたのでしっかりしていなければならないと思っていたとか、本当はスポーティな服が好きなのに背が低いからやめておこうとか、自分の思考でさえ、他人の影響を受けないことは難しいと思うのです。
この作品では、若い主人公だけでなく、人生をとっくに折り返したはずの教授も、登場人物がみんな試行錯誤しています。何が恋で何が恋じゃないのかを知りたい人だけでなく、「私」って何だろう?と考えたり悩んだり拗らせたりしたことがある人にぜひ読んでもらいたい作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ヤバい!
私の好きな要素が入りまくった本だ!
キュンキュンする恋愛
眼鏡中年男性が登場
(しかも厳しいけど実は思慮深いが故の言動の数々)
地味な女の子がヒロイン
完璧ですッ