清水義範のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレちょっと軽めのミステリーが読みたい、ということで、書店の文庫コーナーで見つけた本。
帯の煽り、「こんなとてつもない1冊が埋もれていた!」に惹かれて購入。
記憶喪失の男が、治療と称して読まされる、猟奇殺人に関する文献。
この各種文献(供述調書・週刊誌の記事・他)を中心に流れていく物語。
各章での文章の書き分けが実に見事で、読んでいて飽きないタイプ。
とにかくリアルで緻密な描写で、読んでいるこちらはグングン引き込まれたのだけど、
残念なことにラストがあまりに食い足りない(^^;)。ここに予想外のオチが付いてれば、
かなり印象は変わったと思うんだけど・・・。
最近読んだ完全なる首長竜の日に近い -
Posted by ブクログ
今までに作家の数々の「文章読本」というものが出されていますが、読み物としてそれらの作品を鑑賞できますが、実用として参考にするにはなんだか違和感がありますね。谷崎潤一郎の『文章読本』は除いて。『大人のための文章教室』は、著者がこだわっていますがあくまでも「教室」というこで実用に役立つことが数多く書かれています。
出色なのは、「文体」についての言及ですね。この明確に定義されにくいものを「文章の特徴」として文章にはリズムがあるということです。改行のリズム、地の文と会話とのつなぎのリズム、「、」や「。」の使いかたリズムに作家の個性が表れるとの指摘にモヤモヤしていた部分がすっきりしました。作家の独特の比 -
Posted by ブクログ
ネタバレごく普通のOL藤内真奈美は、合コンで知り合った大学生の井口克己に付きまとわれた末殺され、身体の一部分を切り取られる。井口はそれをアイスクリームの中に埋め込み保管していた。作家の中澤は、世間で『アイスクリーム殺人事件』と呼ばれたこの猟奇殺人を題材に小説を書くべく、井口や真奈美の周辺を取材する。その取材メモや週刊誌などの記事を、『記憶喪失にかかっている男』が治療の為に読んでいく、という筋立て。こうして書くとややこしい。
語り手が記憶を失っている為、霧の中を手探りで進んでいるような心許ない状況ではあるが、徐々に真相に近づいて行く過程は読ませる。井口の異常性や真奈美の他の一面も、いきなり前面に押し出す -
Posted by ブクログ
えぇえ???
ものすごいあおりの文章に思わず購入した一冊。
「すごいすごいすごい! こんなとてつもない一冊が埋もれていた!!!」
途中までは本当にすごい。
伏線と言うか半ば予測できるようなそうでないような、
およそありえない仕立てにうきうき。
とある猟奇殺人の供述調書や小説仕立ての文章、
あるいはインタビューが連日、記憶喪失(らしい)男の前に出され、
読書(?)が続く。
最後の最後でなにがなにが??と、半ば強引に読み進む。
そうして最後のページをめくって思わず「あれ?」
落丁かと思うほどにぽてっと終わり。。
えー?消化不良というかものすごいキレの悪い感覚。
ちょっとー??
少しした