清水義範のレビュー一覧

  • 迷宮

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    ネタバレ

    ちょっと軽めのミステリーが読みたい、ということで、書店の文庫コーナーで見つけた本。
    帯の煽り、「こんなとてつもない1冊が埋もれていた!」に惹かれて購入。

    記憶喪失の男が、治療と称して読まされる、猟奇殺人に関する文献。
    この各種文献(供述調書・週刊誌の記事・他)を中心に流れていく物語。

    各章での文章の書き分けが実に見事で、読んでいて飽きないタイプ。
    とにかくリアルで緻密な描写で、読んでいるこちらはグングン引き込まれたのだけど、
    残念なことにラストがあまりに食い足りない(^^;)。ここに予想外のオチが付いてれば、
    かなり印象は変わったと思うんだけど・・・。

    最近読んだ完全なる首長竜の日に近い

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    2012年06月29日
  • 大人のための文章教室

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    今までに作家の数々の「文章読本」というものが出されていますが、読み物としてそれらの作品を鑑賞できますが、実用として参考にするにはなんだか違和感がありますね。谷崎潤一郎の『文章読本』は除いて。『大人のための文章教室』は、著者がこだわっていますがあくまでも「教室」というこで実用に役立つことが数多く書かれています。
    出色なのは、「文体」についての言及ですね。この明確に定義されにくいものを「文章の特徴」として文章にはリズムがあるということです。改行のリズム、地の文と会話とのつなぎのリズム、「、」や「。」の使いかたリズムに作家の個性が表れるとの指摘にモヤモヤしていた部分がすっきりしました。作家の独特の比

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    2012年06月28日
  • 人生うろうろ

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    ネタバレ

    先祖や家族の為にお墓を買った男、就職の為の面接で自分をアピールしようとする若者、単身赴任のお父さん、狭いながらもやっと「我が家」を買った男、孫を巡った祖父母の金出し合戦、40歳を前に「このままじゃいけない」と自分の人生を変えようとする男女、義母の介護に精を出すお嫁さん。

    私たちの多くがこの本に出てくる誰かと似た状況にあるんじゃないかな。特に「このままじゃいけない」。長い人生でそんなふうに思う時って誰でも何度かはあるのだろう。

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    2012年06月08日
  • 迷宮

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    <あらすじ>
    すごいすごいすごい!こんなとてつもない1冊が埋もれていた!!!

    24歳のOLが、アパートで殺された。猟奇的犯行に世間は震えあがる。
    この殺人をめぐる犯罪記録、週刊誌報道、手記、供述調書...ひとり記憶喪失の男が「治療」としてこれら様々な文書を読まされて行く。果たして彼は記憶を取り戻せるのだろうか。そして事件の真相は?
    言葉を使えば使うほど謎が深まり、闇が濃くなる...言葉は本当に真実を伝えられるのか?! 
    名人級の技巧を駆使して大命題に挑む、スリリングな超異色ミステリー。

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    2012年06月09日
  • 迷宮

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    そんなに謎だらけでもないし、謎が売りの小説でもないと思うので
    残念ながら看板に偽りありという印象。
    著者の書きたかったこと伝えたかったことはよく分かるし、作品自体はそれほど駄目だとは思わないけど、
    帯が足を引っ張ってることって、最近多いなぁ。

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    2012年05月02日
  • 迷宮

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    ネタバレ

    ごく普通のOL藤内真奈美は、合コンで知り合った大学生の井口克己に付きまとわれた末殺され、身体の一部分を切り取られる。井口はそれをアイスクリームの中に埋め込み保管していた。作家の中澤は、世間で『アイスクリーム殺人事件』と呼ばれたこの猟奇殺人を題材に小説を書くべく、井口や真奈美の周辺を取材する。その取材メモや週刊誌などの記事を、『記憶喪失にかかっている男』が治療の為に読んでいく、という筋立て。こうして書くとややこしい。
    語り手が記憶を失っている為、霧の中を手探りで進んでいるような心許ない状況ではあるが、徐々に真相に近づいて行く過程は読ませる。井口の異常性や真奈美の他の一面も、いきなり前面に押し出す

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    2012年04月16日
  • 蕎麦ときしめん

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    名古屋に行ってみたくなります。きしめんも食べたくなります。
    味噌カツは大好きです。
    名古屋論はとてもおもしろかったです。

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    2012年04月16日
  • 迷宮

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    ネタバレ

    記憶喪失という、たぶん主人公であろう人物の事が分からないまま
    話は進んでいくけど、
    途中で、きっとこの人が犯人だって言うのは察しが付く。

    最後まで読んで、思った事は
    この内容に似た事件。何年か前にNEWSで見た気がする。。

    妹ではなかったけど、

    本に影響されてたら、またまた内容とかぶるので
    色んな意味で怖い

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    2012年04月01日
  • 迷宮

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    えぇえ???


    ものすごいあおりの文章に思わず購入した一冊。
    「すごいすごいすごい! こんなとてつもない一冊が埋もれていた!!!」

    途中までは本当にすごい。
    伏線と言うか半ば予測できるようなそうでないような、
    およそありえない仕立てにうきうき。

    とある猟奇殺人の供述調書や小説仕立ての文章、
    あるいはインタビューが連日、記憶喪失(らしい)男の前に出され、
    読書(?)が続く。

    最後の最後でなにがなにが??と、半ば強引に読み進む。
    そうして最後のページをめくって思わず「あれ?」
    落丁かと思うほどにぽてっと終わり。。

    えー?消化不良というかものすごいキレの悪い感覚。
    ちょっとー??
    少しした

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    2012年03月16日
  • 迷宮

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    ものすごく積んであったので買ってみました。
    猟奇殺人という背景があったせいかあまり読んでいて
    気分のいいものではなかったですね。
    どんでん返しが好きな私には物足りなかったかな。
    被害者女性の別の一面が出てきたあたりは「お?」と
    思ったのだけれどそれ以上の展開がなかったのが残念。
    作家を通した筆者の本音?のような一文を読んだので
    ★はとりあえず3で。

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    2012年03月11日
  • やっとかめ探偵団と鬼の栖

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    ネタバレ

    主人公まつ尾を中心とした穏やかなお年寄りが醸し出すのどかな雰囲気に似合わず、話は幼児虐待と子殺し、そして娘を思う母の代理殺人と続く。

    こういったのどかな状況設定ではもっとぬるい湯に浸かったような事件が合うと思うのだが。
    まつ尾の悲しい過去、幼くして別れさせられてしまった娘と心が通わせるシーンもあり、本作品はシリーズの中でちょっとシリアス編なのだろうか。

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    2012年02月04日
  • やっとかめ探偵団と殺人魔

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    名古屋版のミス・マープルの三作目ですね。
    名古屋弁を読むのも慣れてき来て、作品の流れに乗ることができた。

    一連の殺人事件ををそれぞれ短編に仕立てた最後の一編でその謎をさらりと解いてしまう、悲しいけれど綺麗な筋書きとなっています。

    相変わらず主人公波川 まつ尾の周りに集まる年老いていながらも自分の実力に応じて大活躍をすることを厭わない元気な女性陣が生き生きとして美しくさえ思える。

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    2012年01月31日
  • やっとかめ探偵団

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    名古屋版のミス・マープルですね。
    最初は名古屋弁を読むのが辛かったですが、波に乗ってくると独特の面白さがにじみ出てきて楽しくなりました。
    「やっとかめ」とは名古屋弁、それもかなり年配の方が使う言葉で「久しぶり」という意味だそうです。
    人生をある意味でリタイアしたご婦人方が堂々と人生を生きている姿が頼もしく好感が持てます。

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    2012年02月03日
  • 迷宮

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    文章が素敵

    ちょっとっていうかかなり試験的だよねこの作品って感じ。
    やろうとしてることとか、やりとりの中で
    この人は何を思ってたんだろうとか考えてたら面白かったです

    ミステリーと思って読むといけないのかなあ…と思ったり

    好き嫌いかなり別れると思います

    単純に物語だけだと☆3かなとおもいつつも
    余韻が好きだったので

    私はいろいろ考えさせられました

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    2012年03月05日
  • 大人のための文章教室

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    ネタバレ

    接続詞を出来るだけ多くの種類を使ってみる。一つの文は三節まで。文体特にである調にですます調を入れる際のテクニック。変換しすぎの注意。これくらいかな。役に立ちそうなことは。

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    2011年11月16日
  • いい奴じゃん

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    25歳フリーターの、とてつもなく運の悪い男、が主人公。

    なんとゆうか、可もなく不可もなく、といった印象。
    面白くないことはない、と言えなくもない、といっても過言ではない(なんのこっちゃ)。
    悪く言えば、地に足がついてないというのか、なんかこう軽いカンジがして読み応えがイマイチでした。

    くれぐれも言いますが、面白くないことはない、と言えなくも(以下略)。

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    2011年10月31日
  • もっとおもしろくても理科

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    理科と言いながら、だいぶ取っ付きづらいところまで
    幅を広げてしまったのか、かなり読みづらなかったです。

    ま、それでもだいぶ読みやすくはしてるんでしょうけど…。

    ビッグバンの会なんて、早々に投げ出したくなるほどでしたよ。
    サイバラの絵でちょっと癒されましたが。

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    2011年10月25日
  • 蕎麦ときしめん

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    古い本だけど、結構面白かった。

    「英語語源日本語説」、新たな切り口で面白かった。
    こういう考え方もあるんだなーと。勉強になりました。

    一番面白かったのは、「三人の雀鬼」かな。
    思わず笑ってしまった。

    肝心の「蕎麦ときしめん」は、よく分からなかった。
    結局、蕎麦ときしめんは何だっけ?

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    2012年04月01日
  • 永遠のジャック&ベティ

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    2011.07.30
    最初の三編で大爆笑。腹痛い。他は集中力が持たず、かつ文体が苦手であまり読めなかった。二十年以上前に書かれたものとはびっくり。

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    2011年07月31日
  • 永遠のジャック&ベティ

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    びっくりするくらいハチャメチャな短篇集。
    予期しない方向に突っ走っていくので、戸惑いながらもワクワクする。

    おじいさんが大活躍する「ワープロ爺さん」、「栄光の一日」、ぐだぐたっぷりがツボな「インパクトの瞬間」が良かった。

    「冴子」はダメだった。苦手。

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    2011年07月06日