新美南吉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ごんぎつね」と「でんでんむしのかなしみ」が有名な新美南吉さんの傑作選
どれもよかった
自然描写が繊細で美しく、一つひとつの葉や風や川の流れに惹き込まれる。
そうしてはじまる、いろいろな物語の、ふとした隙に「お母さん」というものが出てくる。
ちよっと気を抜いて読んでるときにふと、あーここでも出てきたなとなる
胸がキュッとなるような苦しさ、せつなさ
なにがしかの喪失を感じる
新美南吉さんの年表史を読み、4歳でお母さんを亡くされたことを知る
その後もいろんな悲しみを経験し、悲しみを受け入れ、死をも受け入れていく、そういう新美南吉さんだからこそ、こういった童話が生まれたんだろうなと思っ -
Posted by ブクログ
新実南吉傑作選として、今年新たに出ました。
上皇后美智子さまが愛読なさっている「でんでんむしのかなしみ」初めて読みました。
詩のようなとても短い話です。
大変失礼ながら、若かりし美智子さまに重ね合わせて、胸がいっぱいになりました。
こういう思いに共感されながらお過ごしになり、今の穏やかでお優しいお姿でいらっしゃるのだと、改めて感じ入っています。
ごんぎつね、手袋を買いになど有名な物語のほかに、詩も交えて17編収められています。
全編に漂う物悲しさは、やはり薄幸な生い立ち、若くして病に侵された境遇によるものでしょうか。
長く読み継がれていってほしい一冊です。 -
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Posted by ブクログ
この本のお話で一番のおすすめは「ごんぎつね」です。ごんとひょうじゅうがかわいそうだし、2人の気持ちがよく伝わってきて好きだからです。
ごんは、きっと自分がおとどけものをしていたのを気付いてほしかったと思う。悪いことをしちゃったのはいけないけど、ごんがいたずらしちゃうのは、一人でさびしいからかまってほしかったんじゃないかな。
ひょうじゅうは、お母さんにうなぎを食べさせられなかったから、ごんのことをにくんでいるかもしれないけど、最後にごんがとどけてくれているのを知って、おどろいたと思う。ごんは死んじゃったと思うから、きっとうんとさびしい。
次に心にのこったのは「へ」というお話。おならだからおもしろ