島本理生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【本の内容】
ふみは高校を卒業してから、アルバイトをして過ごす日々。
家族は、母、小学校二年生の異父妹の女三人。
習字の先生の柳さん、母に紹介されたボーイフレンドの周、二番目の父-。
「家族」を軸にした人々とのふれあいのなかで、わずかずつ輪郭を帯びてゆく青春を描いた、第二十五回野間文芸新人賞受賞作。
[ 目次 ]
[ POP ]
母と異父妹との三人で暮らすふみ。
母を通じてキックボクサーの周と出会い、恋をする。
彼女をとりまく状況はけして明るくないけれど、彼女の周囲の人間はいつもおかしくて明るい。
職を失ってもおどけることを忘れない母。
娘を一人前の女として扱い、恋のきっかけすら作ってしまう様子はとても魅力的だ。
奇想天外なジョークを飛ばす、周の姉もいい味を出している。
それに十八歳の青年とは思えないほど優しくて包容力のある周。
ふみは実の父との縁が切れても、彼らに支えられて立ち直っていける。
こんな形で救われるふみをうらやましく思った。
静かな文体で綴られるなかから、登場人物たちの優しさが立ちのぼってくる。
実際にはこれほど愉快で人間のできた人たちはいないかもしれないが、たとえ現実的でなくても、読んで暖かい気持ちになれる物語だと思う。
まだ若い作者のこれからが楽しみ。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
黒江、という名前が好きだ。
名前に黒を使うのはどうかと思うけれど、Chloeも好きだし、クロエ•モレッツも好きだから(笑)
しかし、まあ、どんどんと、坂をころころ転がり落ちてゆく哀れさに、胸が痛む。
本当は、真面目で、きらきら輝くものも持っていて、写真の才能もあって、さらに憧れる人までいるのに。
そんなことって、普通はないのに。
しかしだからこそ、黒江の周りにはいつも黒江を愛する人がいるのかもしれない。
ただ、彼女自身は一度見失った道を探せば探すほど、醜さにばかり捕まって、遊ばれてはまた放り出されてしまう。
それでもなお、彼女の撮る写真だけは澱みなく在り続ける。
だから、私もクロエの歩く姿をもう少し見ていようと思えるのかもしれない。
同じ歩幅で歩めた上巻だった。
下巻に続く。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ設定があまりにも島本さんらしくなくて驚いたけど読み進めれば進むほど、ああやっぱり島本さんだと思った。
島本さんにしては登場人物が多い話だし、最初の方は登場人物が複数学生で進んでいくから、わりとさわやかっぽく読めなくはないけど、どんどんどんどん人間の深いところに引きずり込まれていって最終的に綿貫さんの話に収束していく感じは、やっぱり一筋縄にさらっと終われなくて何かもにゃっとしつつもいろいろと考えてしまった。
誰のはなししてるんだろうなあと思った次の真綿荘の恋人で、最初に綿貫さんのフルネームが明かされる流れは、やられたなあと思った。
鯨ちゃんは最初から最後まで唯一の救いでいてくれてありがとうの気持ち。島本さんらしくないとはいえ、タイトルや設定から考える中でいちばん妥当にきもちよく読めたので、鯨ちゃんまわりのおはなしがいちばんすきでした。 -
Posted by ブクログ
1回読んだことあるかもなーと思いつつ読み始め、やっぱり読んだことあるなーと思いつつ読んでても、結末まったく思い出せなかった一冊。
さとる君といい紗衣子といい、回りの人がいいキャラだね。
蛍の少々の強引さも、拒否されても何度もトライする姿も好感もてた。
途中、あ、いい感じの二人と思ってたのにこれも壊れちゃう(ナラタージュでもそういうことあったので)のかなーと思ってたら、ラストはそうとも言えない希望が見える終わり方だったからよかった。
蛍が元カノと出掛けるのやめてくれないと、今後もうまく行くとは思えないけど(笑)
文章キレイで読みやすかったけど、蛍もさとる君も紗衣子も、実際にはほぼいると思えないキャラだったから身近に感じられなかった分、評価は★3つにしちゃいました。
ちなみに、読みながら麻由ちゃんのイメージは私の中でなんとなーく蒼井優ちゃんだったんだけど、ラスト髪を切ったとこで間違いないと感じました(笑)