山内志朗のレビュー一覧

  • 中世哲学入門 ――存在の海をめぐる思想史

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    2024年06月19日
  • 中世哲学入門 ――存在の海をめぐる思想史

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    入門書としてはかなり歪という気はする。中世スコラ学という時間的にも人員的にも膨大なものの入門書を、安易に造ろうとするなら人名と書名をズラズラと列挙するようなものにならざるを得ない。しかも研究そのものが行き届いているとは言えない状況では、山内氏の言う、避けて通るための図式を連発することになるだろう。それは避けたいというのは分からないでもない。とはいえ、これでは山内氏自身も自嘲的に語るよう「中世哲学入門」ではなくて「スコトゥスの存在の一義性入門」である。とにかくまたスコトゥスかよ状態なので、後半は正直うんざりした。大きな見取り図的なものを提供することに拘らず、つまみ食い的でもいいから、いくらでもあ

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    2023年07月21日
  • 世界哲学史8 ──現代 グローバル時代の知

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    【分析哲学の興亡】一ノ瀬正樹
    エルンスト・マッハの要素一元論@世紀末ウィーン
    思惟経済
    →ウィーン学団の「論理実証主義」
    →分析哲学
    カルナップの原始的、AJエアの倫理
    ヒュームの法則であるからべきへ→自然主義的誤謬
    べき=論理的規範
    クワイン「経験主義の2つのドグマ」→オースティンの言語行為論

    【ヨーロッパの自意識と不安】檜垣立哉
    ベンヤミン「暴力批判論」「複製技術時代における芸術作品」

    【ポストモダン、あるいはポスト構造主義の論理と倫理】千葉雅也
    現代思想=否定神学システム(東)
    思弁的実在論
    フランソワ・ラリュエル
    →非標準哲学=メタ・メタ哲学
    カトリーヌ・マラブー
    →外部なしの内在

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    2022年08月13日
  • 世界哲学史 別巻

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    昨年の前半は、「世界哲学史」が月1冊出るので、読まないと次がまたくるという強迫観念があった。というわけで、せっせと読んでいたのだが、第8巻がでたら、そのプレッシャーはなくなり、昨年末にでた別巻をようやく3月に読んだ。

    前半は、編者による対談での振り返りと編者による追加的な論考。そして、後半は、全8巻のなかで扱えなかったトピックをカバーするという構成。

    もともと20世紀以降の哲学は1冊しか割り当てられていないので、仕方のない面はあるのだが、現象学や実存主義に関する記載はかなり薄い感じがあったのだが、編者はそこは意識しているのだけど、そこはこの別館でもあまり扱われない、というのは、面白いな。(

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    2021年03月10日
  • 世界哲学史 別巻

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    世界哲学史全8巻が好評だったそうなので、編者のお一人である伊藤先生の発案により、別巻発刊となったそうだ。ただ、伊藤先生がご病気ということになってしまい、本巻の座談会は残りの3名の編者による鼎談となっている。その他、16編の論考を収録。うち13編は「Ⅱ.世界哲学史のさらなる論点」でさまざまな論点が提示されている。個人的には頼住先生の「道元の哲学」や岡田先生の「イタリアの現代哲学」、乗松先生の「ロシアの現代哲学」、そして神島先生の「正義論の哲学」などが興味深かった。もちろん短い論考が多いので、隔靴掻痒というか食い足りないというか、そういう部分も多いのだが。それは参考文献を読んでねということなのだろ

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    2021年01月05日
  • 世界哲学史2 ──古代II 世界哲学の成立と展開

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    “世界哲学”というくらいなので、東洋や中東の思想にも触れている。マニ教についてあまり学んだことがなかったので、そこは読んでいて面白かった。

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    2020年08月13日
  • 世界哲学史7 ──近代II 自由と歴史的発展

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    全8巻の「世界哲学史」も第7巻に到達し、時代は、主として19世紀。

    第7巻から引き続いて、経済社会の中心は、まさに西欧+アメリカ中心で、それは哲学の分野でも同じなのかな?

    「近代」(=modern)という時代が、まさに「欧米」の時代なのだということをあらためて確認した感じ。

    19世紀の哲学ともなると、どこかで読んだことのあるような話が増えてくる。
    ・まずは、前巻でもでてきたカントを起点として、フィヒテ、ヘーゲルというドイツ観念論の展開。そして、それへの批判としてのヘーゲル左派からマルクスという流れ。
    ・理性中心の哲学に対する批判として、「生」を重視するショペンハウアーやニーチェ。
    ・進化

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    2020年07月13日
  • 世界哲学史5 ──中世III バロックの哲学

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    タイトルは、中世ということになっているのだけど、「バロックの哲学」というサブタイトルにあるように、西欧だと、いわゆるルネサンス〜バロック、フーコーなら「古典時代」とでもいいそうな時代の話になっている。日本だと江戸時代の儒学の話とかでてきて、いわゆる「中世」というより、「近世」という時代区分の話かな?

    西欧哲学では、ついに(?)デカルトがでてきて、スピノザ、ライプニッツと続いて行く。神学なのか、哲学なのかよくわからない「スコラ哲学」が、いわゆる近代的な「哲学」に転換する時期と常識的には思うのだけど、ここでは、デカルトも「スコラ哲学」的な発展の連続性のなかででてきて、この辺にこのシリーズのスタン

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    2020年06月11日
  • 世界哲学史4 ──中世II 個人の覚醒

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    全8巻の世界哲学史も第4巻と半分までやってきた。時代的には13世紀あたり。

    第4巻の編者の山内さんは、都市の発達にともない個人の覚醒が世界同時多発的に生じ、哲学でもそういう傾向が生まれた、とする。

    なるほど、面白い視点だな〜と思いつつも、章ごとの記述は、かならずしも「個人の覚醒」という感じでもないのかな〜、テーマごとの総括的な記述が中心で、今ひとつ、しっくりこなかったかな?

    さて、13世紀になると、いよいよ西欧が世界の中心として浮上してくる感じがあって、哲学思想も西欧が最先端として勢いがでてくるという印象。

    むしろ第2〜3巻くらいのほうが、文明ごとの哲学の差と交流みたいなのが描かれてい

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    2020年04月13日