真梨幸子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
光文社文庫編集部・編『Jミステリー 2024 SPRING』光文社文庫。
第5弾となる人気ミステリー作家たちの新作書下ろし短編6編を収録した贅沢なアンソロジー。
本体価格1,200円ということは6編収録だから1編200円に相当するが、書下ろしであれば妥当なところだろう。誉田哲也、五十嵐律人、真梨幸子と素晴らしい短編が並び、1編200円も破格ではないかと思ったのだが、青柳碧人、五十嵐貴久、澤村伊智と駄作と凡作が続き、前半と後半の余りの格差に驚いた。
誉田哲也『心のお話』。姫川玲子シリーズの最新作。『ドルチェ』で主役を務めた魚住久江が姫川の部下として登場する。この短編の山場での姫川のLGBTに対する発言は当にその通りだと溜飲を下げた。中野の複合商業施設の女性更衣室で22歳の焼肉店の女性店長が刺殺体で発見される。監視カメラの映像からあっさりと容疑者は特定されるが、姫川は監視カメラに写っていた事件とは無関係の男性に目を付ける。★★★★★
五十嵐律人『千鳥の契り』。実は五十嵐律人の文庫本を3冊ほど積んでいる。面白いという評判なので購入したものの、初読み作家というと躊躇してしまうのだ。本短編が読み始める切っ掛けになると良いのだが。と思いながら、本作の著者紹介を読むと、我が生まれ故郷の岩手県盛岡市出身ではないか。今の今まで知らなかった。さて本短編。まさかの展開に息を飲む。五十嵐律人、なかなかやるじゃないか。10年以上一緒に暮らす夫の哲治に不倫の疑念を感じた古浦仁美は偶然投函されていたチラシの浮気・不倫調査専門の千鳥探偵事務所に調査を依頼する。事務所に出向いた仁美に対応したのは、弁護士兼探偵の肩書を持つ千鳥暁。30万円という破格の成功報酬の代わりに千鳥は仁美に探偵の助手を務めて欲しいと依頼して来た。★★★★★
真梨幸子『インクリボン』。ワープロ用の熱転写式インクリボンとは懐かしい。超弩級の詐欺のカモリストを印字したインクリボンを売却して大金を手に入れようとする女性。それに今流行りの頂き女子が絡むという昭和と令和をつなぐミステリー。最後の最後に真梨幸子らしいオチがある。★★★★★
青柳碧人『空白の女』。ここまでの3作全てが面白かったのに4作目にしてズッコケた。余りにも面白くない。マンションのベランダで発見された女性の絞殺死体。事件を捜査する2人の刑事。★
五十嵐貴久『THE KIDNAPPING』。五十嵐貴久にしてはキレの無い短編。ミステリーを描こうとしたのか、感動話を描こうとしたのか。6日後に選挙を控える政治家の幼い娘が誘拐され、犯人から五千万円が要求される。★★★
澤村伊智『わたしの最後のホラーミステリ』。これもまた面白くない。心霊探偵は一瞬で相武紗季の真似だと思ったら、その通りだし。自身をモデルにしたような作家が登場したりとシッチャカメッチャカ。★★
本体価格1,200円
★★★★ -
Posted by ブクログ
WOWWOWでやってたドラマ「坂の上の赤い屋根」が面白かったので、この方の作品を読んでみたいと思って初読み。
ジュンコという同じ名前の人が出てきて、少しずつ繋がっていくのが面白かった。
同じ名前同士って、なんか他人と思えなくて特別なのもわかる。
けど、途中あまりにもヘビーで理解出来ない感情の渦に飲み込まれそうで、ちょっとしんどくなった…
そしてオチがイマイチわかりにくいかな?
「坂の上の赤い屋根」も最後がイマイチ雑だったような。
でも人間の持つ黒い感情、自分にもある出来れば蓋をしたい感情を書くのがとても上手い。
しかし次はちょっとハッピーな作品が読みたくなりました。笑