《総括》
これは、メリーバッドエンド、というべきなのか。読者が最も望んだエンディングという意味ではハッピーエンドか。
善いとも悪いとも、正しいとも誤っているとも断じがたい展開。しかしもやもやとはせず、読後感はスッキリ。
シリアスな展開の合間に無理やり展開されるダイレクトマーケティングには脱力失
...続きを読む笑。現時点では全て失敗したように見えるし、アインズ様は失敗しても損失は皆無という認識のようだけれど、ネイアという扇動者、もとい先導者によって今後、じわじわと需要を伸ばしてくるかもしれない。
《ネイア》
そして、ネイア・バラハは死んだ。
この一行で、その死を嘆いた読者、多かったんじゃないかな。そして蘇生を喜んだ読者も。挿絵担当のso-binさんにも愛されているみたいだし、もう、もう一人の主人公だよね。
でも、その後にあそこまでアインズ様の熱烈な信者になるとは思いもよらなんだ。読者視点からすれば世界征服計画の哀れな犠牲者の一人ではあるけれど、まあシズとの友情も育んだことだし、勝ち組だよね。
《アインズ》
交渉事においては責任感や重圧、ボタンの掛け違いの如きすれ違いに、常人であればストレスで内臓がぼろぼろになるほどに苦悶し続けていたけれど、ユグドラシルや仲間たちを想起させるからか、こと戦闘においては楽しそうで何よりでした。
《シズ》
アインズ様への尊敬の念という共通点からネイアと友情を育んだことで、コキュートスらとは違った意味で成長。シズのファッションセンスが悪くないということもあって、表情が読み難いキャラ同士でもあることでカップリングイラスト増えそう。初な少女二人がぎこちなくも青春を謳歌する図とか。
《レメディオス》
最も害を被った犠牲者。ここまで追い詰められると、さすがに「ざまぁ」などという気分にはなれない。
『本当の賢人は愚者の意見にも耳を傾ける。愚者にも愚者なりの思考があり、その思考は常人とは異なるため、常人では至ることのできない真実を言い当てることがままあるからだ。だが愚者ゆえに過程が間違っているか、説明が上手くできないか、普段からの態度ゆえに誰も耳を貸さない。愚者の言葉が真実だったと悟る時が、手遅れの時でないよう祈るばかりである。』
《ルプスレギナ》
生粋のサディストですが、丸山さんには結構イジラレキャラ扱いされているようです。なにせ、ピンナップにあるようなナザリック史上最も恐ろしい場面に同席させられてしまったのですから。
《ンフィーレア》
昼も夜も女房に尻に敷かれているようで。奥さん攻め攻めで子沢山な家庭になりそう。
《魔導国恭順者》
被害者の会。
もう一つの友情話。人間種と亜人との共存が可能という、もう一つの好例ができました。アインズ様への恐れという共通点からですが。氏族王のお土産はトリュフ的なものかな。
次いで八本指の現状が描かれていましたが、次巻ではついに魔導国が王国を呑み込む計画が始まるのでしょうか。
《ドッペルゲンガー》
深読みしすぎましたね。これ推理モノじゃなくてファンタジーだし。
《至高の四十一人》
ベルリバーさんに何があったのか。これで十人目だけれど、今後の他の御方紹介で関連エピソードが語れるのか。
《丸山くがね》
「勝った」
わざわざ2ページ使ってww
さて、著者の想定では『オーバーロード』は20巻前後で完結するそうです。結末の構想ができているというのは、だらだらと話が続くよりもよほど喜ばしいことですね。
二次創作には寛容のようですし、完結したら完結ロスは読者自身が二次創作で補うのも手かも。キャラクターの無料3Dモデルもあるようですし。