九井諒子のレビュー一覧
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購入済み
おもしれー女ことマルシルにも、ごく一瞬だけキリッとしてた時期があったと。本当に一瞬だけだったけど。
カブルーの裏主人公っぷりがすごい。ここまで重要なキャラになるとは。
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Posted by ブクログ
ネタバレ竜の学校は山の上 九井諒子作品集 2011
2011年4月11日初版発行
初出
WEBサイト
「西には竜がいた」
同人誌
ロールプレイング・ゲーム2010/02/14
進学天使2010/5/4
代紺山の嫁探し2010/11/14
描き下ろし
目次
帰郷
魔王
魔王城問題
支配
代紺山の嫁探し
現代神話
進学天使
竜の学校は山の上
くず
あとがき
内容紹介
勇者は孤独な里帰り、女子中学生の天使は進学に悩み、
ケンタウロスは馬車馬のように働く、今日も大学の上空には竜が飛ぶ……
あたりまえのように、そこにある非日常。
現実(リアル)と幻想(ファンタジー)が入り混じる「九井ワールド」へご案内!
ウェブや同人誌即売会で発表された7編に加筆修正を加え、描き下ろし2編もあわせて収録。
ウェブや同人誌即売会で作品を発表し、広い世代から注目を集める新星、初の作品集!
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九井諒子氏による短編集だ。
九井諒子氏もダンジョン飯(2014年 - 2023年)で一躍世間一般でも広く名が知られたと思う。
意外なことにダンジョン飯が初めての長期連載作品で他は短編集しか作品が無い。
個人的に昔、九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子(2012)を読んだ事があった。
この竜の学校は山の上はその作品よりも前ということになる。
と言っても荒削り感も無くて既に完成度は高い。
2011年から既に九井諒子は九井諒子だったのだ。
短編でも面白い作品を作れる人が長期連載でも面白いものを作れるという事ではないのか。
細かい点でダンジョン飯でも活かされているものがある感じだ。
九井諒子氏は今は充電中なのだろうか。
また良い作品を世に発信して貰える事を期待している。
話が少し脱線すると、
九井諒子の短編集は3つ出版されている。
いずれも電子書籍化されている。
ダンジョン飯と竜のかわいい7つの子(2012)はハルタの出版なので頻繁に50%ポイント還元セールなどがあるのだけれど、この竜の学校は山の上(2011)、ひきだしにテラリウム(2013)は出版元が大手で無い事も影響しているのかずっと定価でしか売っていないのがやや不満である。
今回この2つは奥さんから電子書籍では無く、紙コミックを借りる事で読む事になった。
ただ紙の本の方が人間との相性が良いというか距離感が近い感じがする。
感覚論ではあるが。
それぞれの感想
帰郷
魔王を倒した勇者が村に帰ってきた話。しかしこの短編集、初っ端から単純に魔王を倒した、平和になった等という単純な話は無い。この話に出てくる勇者も2年後人間同士の戦いの流れ矢に当たって死んでしまう。なんと切ない話なのか。主人公は魔物に襲われ助けられた時に勇者の手を取ってありがとうと言えなかった事を悔いている。感謝は迷わず伝えた方が良い。ただその事を悔いている中でも主人公の娘たちが走り回っているコマなのが救いがあるというか・・・
魔王
美女と野獣から発想を得たのだろう。ただこちらは悲しいエンディングだ。結局、王は魔物の姿から元に戻れていないまま死んでしまうし・・・
魔王城問題
ドラクエなどで魔王を倒すというファンタジーものはよくある展開である。しかし、その魔王城の跡地はどうする?という、よく考えると重要な問題を取り扱った話。似たようなテーマで映画「大怪獣にあとしまつ」(2022)というものもあった。ちなみにこの映画はクソつまらない。しかしこの魔王城問題。実に見事な展開で清涼感のある良い終わり方を迎える。真のハッピーエンドとはこういうものではないのか。魔物との闘い以上に人間同士の争いが終わらないというのも重い話であった。勇者の仲間2人の内1名が魔王討伐後の人間同士の陣取り合戦で主君を守って死んだという。人間の本当の敵はいつだって人間なのかもしれない。しかし姫を救うべく地下の聖水を与えた事で好転していく。
つくづく思うのは当初の勇者のように虚無に陥ってはいけないのだ。何としても希望を見つけ出さないといけない。姫は当初から希望を捨てていなかった・・・
そして何十年後かの旧魔王城から元勇者と老いた姫が(恐らく結婚したのだろう)発展した街を見渡す場面は良い。
支配
SFとファンタジーが合体したような作品。宇宙人が星の生命の進化の為に生き物製造機と呼ばれる機械を星に設置する。(ドラえもんかよ???)そして星に住まう人々の暮らし、文明は発展していくが。。。生き物製造機はいつしか魔王と呼ばれるようになり、それは倒されるのだった。生き物製造機が壊された事を一方の宇宙人が嘆くけれども、もう1人は彼らにとってもう必要無くなったのだからこれで良いのだと肯定的見解を示す所で終わる。
代紺山の嫁探し
村の守り神だった竜が人間に化けて迷子(おみつ)を村に帰してやったが、いつの間にか自分自身が神であった事すら忘れていた。その権平を生贄として村に来る女神を探す話・・火の女神、水の女神・・・それぞれデザインがイカしている。豊穣の神の娘(花の神)を村に来てもらう事にするが・・・そこでのすったもんだでようやく竜、神であった事を思い出す権平。おみつを連れて行ってしまう(これはどこへ?恐らく神の住む世界?)娘であるおみつがいなくなって途方に暮れる村長もある種の自己責任でもあるが、なんとも哀れだ。
現代神話
現代日本社会に、馬人という種族と猿人(要するに普通の人)が混ざって生活している様子が描かれている。馬人の方が体力が多く、仕事をばりばりこなすという意味で優位にある社会だ。その馬人の働く時間の法規制がニュースで流れる、デモが起きる等が描かれる。この現代神話ではみちおさんと馬人の妻の話(四コマ漫画もある)と会社で働く先輩(猿人)と後輩(馬人)の話が並行して進んでいく。寿命は馬人が短いなど全てにおいて優位なわけでもないようだ。この辺の世界観というか発想はダンジョン飯でも活かされているなと感じる。
進学天使
高校3年生の話。翼を持つ女子高生(進路に悩む)とその周囲の話。リアルに翼を持って飛ぶとは何かを突き詰めていった先にあるものという感じ。確かに日本(特に都市部)では飛ぶには不適切だ。電柱とか多いし。実際に現在もドローンの規制があるのも落下とかのリスクもあるからな・・・地元を離れたくない心理、新しい土地で色々試したい気持ち。周りの期待・・色々微妙な所を上手く描いているな。好意を持っていた男子生徒、翼を持った女子生徒は最終的にどのような進路を選択したのだろうか?絶対的な回答が無い故に難しいテーマでもある。
竜の学校は山の上
この単行本の題名としても採用されている話になる。架空の大学で竜の存在する日本社会の現実を描いている。冒頭は大学入学、サークルや部活の勧誘のチラシ配りに出会う所から描かれている。私も自分の大学入学時を思わず思い出してしまう。宇ノ宮大学という架空の大学は山の上に設置されていて、余計にリアル。自分もかつて大学受験先の一つに和歌山大学があったが、あの大学も山の上にあってなかなか立地的に通学が厳しいと当時思えた(2000年代前半は南海和歌山大学前駅が無かった)話を戻す。竜研究会に入った主人公とその研究会の部長香野橋(カノハシ)、宮島、菅野、他登場人物・・・短編ながら魅力的な登場人物達だ。九井諒子作品の短編ものは読んでいて長編としても成立しそうな感じのものばかりというのも魅力の一つだな。
最後の香野橋部長の台詞が良い。身にしみる。この香野橋。かなり中性的に描かれている。恐らく男性のはずだが・・ぱっと見女性のような。いや、やはり女性か?
くず
パレートの法則、働き蟻の内、集団にすると何割かは勤勉に働き出す・・。それでも怠け続けた主人公は栄えある?クズofクズに認定されるが・・・・バイト代をちゃんと就職活動をするべくスーツを買おうと誓った所で終わるのが救いである。人間はやはり頭が良いだけとかだけではなく勤勉性パーソナリティが無ければダメなのだ。
あとがき
お金を食う謎の男(夫?)との会話。1万円札なら他に良いもの買って食べた方が良いというのはそれはそうだ。なんかダンジョン飯でも似たようなお金(モンスター)を食べる話があったな・・・
印象に残った点
おめでとう!
君は栄えあるくずの中のくず
世の中にはな
ふたつのものしかないっ
役に立つものとこれから役に立つかもしれないもの だっ
なくしてしまったものをあれは役に立たなかったてことは言えるけど
それは所詮、狐の葡萄。
だから簡単に捨てちゃいけないんだ
でも役に立たないと諦めたらそれでは捨ててしまうのと何も変わらないだろ
私は自分のやってることに自信を持ってるつもりだよ
あの人がやりたかったのは竜の排除では無く
そこからの竜学の発展だったが、それは伝わらなかったわけだ
以来1人で持論と戦う羽目になったあの人が
それを覆す瞬間を俺は見たいんだよ
自分の人生なんだから自分の好きにしないと後悔するぞ・・
他人の苦労なんて見えないもんだからな
なんか 理解のつもりが
足引っ張ってただけだって気付いたから
そんなもの
何にも違わないわよ なーんにも
どうしてやれば良かったのだ?
わしはお前が町へ嫁に出て
里をばかにされるような事があれば不憫だと思い・・
百、千の春が来ようとお前がおらんでは意味がないではないか
おみつ・・・
違うぞおみつ
皆から忘れ去られ山を去ろうかと迷っとった時にお前と会った
自分の事は忘れてもお前のいるこの山を守りたいと思ったからこうして戻れた
それでいい
生きることに悩み苦しんで初めて生まれるのが文明だ
ああ・・
なんと馬鹿な連中だ
製造機を破壊してしまうなんて
もうあの賢い生き物達が生まれる事は決して無い
見て下さいあの間抜け面を
我々の気もつゆ知らず
これでまた元の荒廃した大地に戻ったとしても自業自得だとしか言えませんね
こう言っちゃ何ですがいい気味です
・・必要無くなったのかも知れぬ
何ですか?
確かにこの星は今やっと魔王の支配から脱したのだろう
そしてそれは恐らく、とても喜ばしい事なのだ
あの時、私を見捨てていれば
あの泉が白日の元に晒され枯れてしまうことも無かったのでしょうね
後悔していらっしゃる?
どうかな・・・わからない
しかし少なくともそうなるとこんな光景を見ることはなかったろうな
1人は魔王との戦いで死に
もう1人はその後のろくでもない陣取り合戦で主君を守って死んだ!
俺は 俺は一体何の為に魔王を倒したんだ
人間同士で殺し合わせる為にか?
仲間を失うためか・・・
だが他人の希望を奪う道理は無かったな
魔王軍との戦いで傷ついた人々は沢山いる
魔王を倒してもすぐに平和が訪れるわけじゃないわ
勇者さま
あなたが私達に下さったのは希望です
魔王がいなくなったからもう必要ないだなんて
そんな言葉勇者様の口から言わせたくなかった
認めてはいけないと思った
近いうち隣国との戦が始まるだろう
今までは魔王がいた
人間同士で争ってる暇は無かったんだ
それからほどなくして隣国との戦が始まった
勇者は周囲の期待通り王女と結婚し
2年後に戦場で流れ矢に当たって死んだという
今でもあの勇者の表情を何となく思い出しては
何故あの時、彼の手を取り「ありがとう、助かった」と言う事が出来なかったのか
今でも後悔している
2026/01/25(日)記述 -
Posted by ブクログ
面白かった!
個人的に、日常を独特な切り口で描いている作品や、日常とファンタジーのさりげない融合を描いている作品の凄さを実感して読み広げているんだけども、すごくぴったりな作品を当てたな〜と嬉しくなった。
一つ一つの作品がちゃんと分かりやすく、かつ新しい面白さみたいなものが確立していてすごい。作者の器用さを感じる。
キャラクターの描き分けも流石だな〜と思った。人間・ファンタジー生物・動物、その他キャラクターといって差し支えないものたちを、フラットに見てる感じがする。
セリフのふっと笑ってしまうコミカルさも良かったし、少しゾッとしてしまうような話もあって、とても満足だし、面白かった。
作品そのものの面白さもそうだけど、なにより九井諒子がどんな風に世界を覗いているのか知りたくなる。エッセイとか書いて欲しい。
何か一つのジャンルに特化しているというより、それぞれのジャンルの大衆性を理解してるからこそ、作者の独特な視点での掛け合わせが効いて、面白く・新しい作品となっている気がしてる。
作品に対して分析みたいなことはしたくないのだけど、久しぶりに見たことないものを見た!と感じたので色々考えてみたくなった。
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ネタバレ 購入済み
ファリン…強くなったんじゃなかったのか…
竜が混ざってしまったのは分かるけどファリンもいるよね…??
そしてなんか見たことがある「才女マルシル」の爆発のやつ、ここでしたか…
マルシルのギャグキャラ化が激しい話でしたね…コカトリス… -
ネタバレ 購入済み
ファリン!復活!!
ぽこぽこ蘇生してたから結構ハードル低いのかと思っていたけど、今回の蘇生はやっぱり大変そうでしたね
ていうか竜の血を使ったからファリン強くなったとかでは…?
そして最後は不穏に…噂のダークエルフさんかな…
絵の中にいた人もダークエルフだったのかな? -
ネタバレ 購入済み
マルシルがウンディーネと戦ってるところとか、チルチャックがカエルに食われそうなところとか、ちょっとハラハラするところが読んでて楽しい
ライオスはイカタコ食べないのはもったいない、美味しいのに…たぶんあのクラーケンは養殖?みたいな感じだったんだろうな