千葉茂樹のレビュー一覧
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1911年8月21日、モナ・リザは盗まれ、世界一有名な絵になった。この本は、この盗難事件の捜査の様子と、モナ・リザを描いたレオナルド・ダ・ヴィンチの人生を描き出すノンフィクションだ。
全く異なる時代の捜査陣とダ・ヴィンチをつなぐのは絵画モナ・リザだけだったが、本を読み進むにつれ、ダ・ヴィンチがもっていた素質が事件を解く鍵だと理解できるようになるだろう。ノンフィクションだが、ミステリーの小説のように楽しめる作品だった。
本の内容ももちろん面白いが、著者ニコラス・デイの書き方も面白かった。おかしみを生み出す言葉の使い方が秀逸で、何度も意表を突かれ、くすっと笑わされ、それが心地よかった。文章を読 -
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モナ・リザ盗難事件が起きた1911年からの経緯とこの絵が描かれたルネサンス期のもろもろが織り合わされながら進んでいくノンフィクション。ゆかいな語り口でテンポ良く読ませる。
・レオナルド・ダ・ビンチにはやりたいこと、知りたいことが多すぎて、絵を描くことにはほとんど興味がなかった。
・この絵を依頼した人は結局、絵を手にしてない。
・依頼者の家から直径300mの範囲にラファエロ、ミケランジェロ、ボッティチェリの家があった。
・ルネサンス期、女性にはまっったくなんの自由もなく、適齢期(15歳ぐらい)に持参金をたっぷり持って結婚できなければ、あとは修道院に入るしかなかった。(それって貴族階級かな? 庶民 -
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発達障害を持つ主人公が、普段通う施設を離れて、実社会へ踏み出し、いろんな経験の中で自分と向き合い成長するお話。
主人公マルセロの頭には音楽が鳴っている。クラシックだ。その曲が小説のところどころに出てきて、バッハなど、曲の雰囲気が小説の良さを引き立てる印象。
守られた施設を離れて、マルセロは社会の嫌な部分や、どうしようもない部分を垣間見る。それをマルセロなりに咀嚼し、成長につながっていく。
私にはマルセロの日々が、とてもしっかりとした足取りのように思えた。目を逸らさず、自分を見失わずに現実と向き合っていくマルセロは、果たして私の人生はどうか?と問われるものでもあるような気がした。
作品の全体的な -
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おもしろかったー。グリーティングカードの通販というシンプルなビジネスに適材適所でどんどん友達を巻き込んでいく話。そもそも、絵の得意な友だちに画像を使わせてもらっておばあちゃんに贈ったのが最初。そこから、パソコンやネットに強い友だちにサイトを立ち上げてもらい、注文がたくさん来はじめると、こんどは数学に強い友だちに経理を担当してもらい……。
思いがけず大もうけになって子供だけでは運営できなくなると仕方なく親にも相談して、今までやり取りのなかった叔父さんとも仲良くなる。このおじさんというのが正真正銘の起業家で、豪邸に住んでいて、フェリックスにも押しつけがましくなく、こまやかにアドバイスをくれるすば -
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かつて柴田元幸訳の『ハックルベリー・フィンの冒けん』を読んでいますので、今回は岩波少年文庫の千葉茂樹訳を読んでみました。(コロナ前に浜松まで千葉先生の公演を聞きに行った思い出と共に)
先ず大きく違っていて、なるほどと感激したところは千葉先生の訳へのこだわりです。
ひとつは、マーク・トウェインが冒頭の注釈でいく種類もの方言を熟知し使い分けていると書いているそうですが、それらに重きを置くことはしなかった。ハックやジムに「似非東北弁」のような不自然なことばをしゃべらせたくなかった(これは柴田先生も同じようなことを仰っています)ということ。
もうひとつは、niggerという差別用語の訳し方です。 -
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面白かった。主人公のあるアイデアがきっかけとなり、それが膨らんで友だちを巻き込み、ビジネスとして成長していく過程が描かれている物語。その後どうなるんだろうとドキドキハラハラしながら読んだ。ルーファス叔父さんが登場するところからビジネスが本格的になり、子どもだけでなくまわりの大人も取り込まれ、その行末を見守ることになる。起業の仕組みが実に具体的でわかりやすく書かれていることに感心すると同時に、これは友情と家族を描いた物語なのだとも実感。ハッピーエンドになっている点も児童書として好ましい。アンドリュー・ノリスの本では『秘密のマシン、アクイラ』が好きでワクワクしたけれど、それに通じるものがある。千葉
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起業するってこんなちょっとしたことから始まるんだ!お金ってこうして儲けるんだ・・・自分も何かやってみようかな・・などなど、今までの「読書」とはまるで違った体験が得られました。沸き起こった感想をどういえばいいのか、若い時にこういうことを知っていれば・・・とか、経済はもっと勉強しないといけないとか・・まだ整理できてない感想もたくさん。外国の子どもってこういう「教育」をうけてるんだろうか?とも思いました。読みながら、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブスなど有名な成功者の名前がちらつきました。とにかく面白くて読み出したら止められません。経済の基礎がやっと少しわかった気がします。それにしても、こういう問題
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ネタバレ清涼剤的な爽やかな読み応えの本を探していて、直感だけで選んだ本。
一部大当たり、一部ハズレ。
里親を点々とする11歳の女の子の出会う大人達、同世代の子どもたちとのストーリーは案の定 爽やかさ一辺倒ではなく重たい背景も備えていた。しかも自分は母親においてゆかれたという幼少時代を持ち心身ともに傷跡はいまだに深い。
鳥になって翼をはやし飛び立てると信じる少女デセンバ-の、実際に人間として成長してゆきつつある様子は子どもに対する大人のひとりとして励みにもなるし癒やしにもなった。出会った里親のエリナーの懐の深さがシミジミと嬉しい。
こういった児童書がなかなか一般の方々に見えにくいところは社会的損 -
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王さまと公爵の詐欺師ふたり組がまあ、面の皮が厚いのなんの(笑)。そして、巻いても巻いてもつきまとってくる。ついにジムを勝手に農家に売り飛ばされてしまい、ハックがふたり組にさとられないよう、遠回りしてその家に乗り込むと、なんとそこは……ということで、最後はもうトウェインさんがベタなくらいにどんどんたたみかけてきます。
読み終えて、あーおもしろかった! 読めてよかった! というのが一番の感想。
そして、トム・ソーヤーがめんどくさいやつだという意外な感想を抱いたんだけど、けっきょくのところトムは、純粋に子どもの世界に生きているからなんだよね。
ジムは、逃亡奴隷として命がけで逃げてる。ハックは暴力的 -
Posted by ブクログ
かつて既訳(昨年までの。柴田訳は読んでいません)をいくつかちら見したけれど、どれも謎の方言にはばまれて読みつづける気にならず、それならと原書で読み始めたものの、ジムとハックが何度か嵐やなんかで別れ別れになったりまた合流したりをくりかえすあたりで、迷子になって沈没していた(笑)。だからこの新訳が出てくれてすごくうれしかった!
いやー、なんと読みやすいこと。そしておもしろいこと。
じつは、原作もたしかにジムの黒人なまり、ハックのミズーリなまりで書かれてはいるけど、それはけっして読みにくいものではない。(日本語の本で、そのなかに関西弁の人が出てきたりする状況を想像すればわかると思う。)ところが翻訳