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十九世紀,南北戦争以前のアメリカ南部.気ままに生きる少年ハックルベリー・フィンは,トム・ソーヤーとの冒険のあとで大金を手に入れたものの,未亡人に引き取られてかたくるしい生活を送っていた.そこへ金を目当てに飲んだくれの父親があらわれ,ハックは黒人奴隷のジムとともに,筏でミシシッピ川をくだる冒険の旅に出る.初の少年文庫化.
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Posted by ブクログ
王さまと公爵の詐欺師ふたり組がまあ、面の皮が厚いのなんの(笑)。そして、巻いても巻いてもつきまとってくる。ついにジムを勝手に農家に売り飛ばされてしまい、ハックがふたり組にさとられないよう、遠回りしてその家に乗り込むと、なんとそこは……ということで、最後はもうトウェインさんがベタなくらいにどんどんたた...続きを読むみかけてきます。 読み終えて、あーおもしろかった! 読めてよかった! というのが一番の感想。 そして、トム・ソーヤーがめんどくさいやつだという意外な感想を抱いたんだけど、けっきょくのところトムは、純粋に子どもの世界に生きているからなんだよね。 ジムは、逃亡奴隷として命がけで逃げてる。ハックは暴力的な父から、こちらも命がけの知恵比べで逃げ延び、そのまま川をくだっている。どちらも生きることをかけて結果的に冒険しているんだけど、トムだけは冒険を求めて、話をわざとややこしくしながら、結果的に命がけになってる(よかったね、トム)。そこらへんのギャップの描き方がすごい。 けれど、ハックはそんなトムに対して「お前は何もわかってない、世の中ってのはそんなに甘い物ではない」なんてすれっからしの態度をとったりはせず、ひたすらこの無邪気でやっかいな友だちを崇拝している。ここらへんがナイーブで、なんともいえないハックのよさだなあ。 なんかこれまでハックルベリー・フィンは「屈託のない野生児」というイメージがあったけど、実際に読んでみるととてもそれではすませられない複雑さがあるなあと思った。 そして、同じくトムの茶番にちゃんとつきあい、トムの看病をしたせいで自分がつかまっても文句もいわないジム。でもなんでもかんでも黙って耐え忍ぶわけではなく、生き別れになるかどうかという場面でハックが自分に冗談をしかけてからかったときには、真正面から目を見つめて怒りをぶつけた。諸処に、そんなジムのピュアな心が感じられて、じーんとした。
子どもの頃からタイトルは知っていたけど読んだのは初めて。 1884~85年の作品なので、時代を考えたら黒人の方を人間扱いしてないのは理解できる。 いろんな意味でアメリカの原点を感じる。 暴力的な父親、すぐ銃でやりあうなんかは今もあるよね。 ハックの頭の良さ(機転が利く)がやはり自分の人生を切り開いて...続きを読むいく力かな。 黒人のジムがこの本の良心って気がする。
19世紀のアメリカ、人情味にあふれているが、そこには人種差別や犯罪や暴力が当たり前のようにあった。 そんな古き良き、そして残酷でもあった時代が、ミシシッピ川の豊かな情景と共に少年の目線で生々しく、時に子供らしいユーモアも交えながら描かれている。 それにしてもハック・フィンはなんてたくましいことか! ...続きを読む様々な知恵(時に悪知恵)を絞って、何としても生き抜こうとするその生命力の強さは今時の子供達にはないものだろう。 そんなハックだけれど、切羽詰まった場面だとやはり子供らしさが垣間見えるところがある。 特に、気まずいところを大人に見られたときに必死で言い訳を考えだして相手を騙そうとするところは、彼の冷や汗がこちらにも伝わってきそうな感じ。こんな無理やりな言い訳、どう見てもすぐバレそうな嘘をついているのに、それでも大人達はコロッとだまされてしまうし(笑)単純な人が多かったのね。。。 千葉氏の翻訳はとても読みやすい。子供向けなので差別的な用語も抑えられている。ハックの一人称で語られる文章にしては若干お上品な感じかなぁとは思うものの、初めて読む子供達にはちょうどいい感じかもしれない。
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ハックルベリー・フィンの冒険
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マーク・トウェイン
千葉茂樹
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