千葉茂樹のレビュー一覧
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王さまと公爵の詐欺師ふたり組がまあ、面の皮が厚いのなんの(笑)。そして、巻いても巻いてもつきまとってくる。ついにジムを勝手に農家に売り飛ばされてしまい、ハックがふたり組にさとられないよう、遠回りしてその家に乗り込むと、なんとそこは……ということで、最後はもうトウェインさんがベタなくらいにどんどんたたみかけてきます。
読み終えて、あーおもしろかった! 読めてよかった! というのが一番の感想。
そして、トム・ソーヤーがめんどくさいやつだという意外な感想を抱いたんだけど、けっきょくのところトムは、純粋に子どもの世界に生きているからなんだよね。
ジムは、逃亡奴隷として命がけで逃げてる。ハックは暴力的な父から、こちらも命がけの知恵比べで逃げ延び、そのまま川をくだっている。どちらも生きることをかけて結果的に冒険しているんだけど、トムだけは冒険を求めて、話をわざとややこしくしながら、結果的に命がけになってる(よかったね、トム)。そこらへんのギャップの描き方がすごい。
けれど、ハックはそんなトムに対して「お前は何もわかってない、世の中ってのはそんなに甘い物ではない」なんてすれっからしの態度をとったりはせず、ひたすらこの無邪気でやっかいな友だちを崇拝している。ここらへんがナイーブで、なんともいえないハックのよさだなあ。
なんかこれまでハックルベリー・フィンは「屈託のない野生児」というイメージがあったけど、実際に読んでみるととてもそれではすませられない複雑さがあるなあと思った。
そして、同じくトムの茶番にちゃんとつきあい、トムの看病をしたせいで自分がつかまっても文句もいわないジム。でもなんでもかんでも黙って耐え忍ぶわけではなく、生き別れになるかどうかという場面でハックが自分に冗談をしかけてからかったときには、真正面から目を見つめて怒りをぶつけた。諸処に、そんなジムのピュアな心が感じられて、じーんとした。 -
Posted by ブクログ
かつて既訳(昨年までの。柴田訳は読んでいません)をいくつかちら見したけれど、どれも謎の方言にはばまれて読みつづける気にならず、それならと原書で読み始めたものの、ジムとハックが何度か嵐やなんかで別れ別れになったりまた合流したりをくりかえすあたりで、迷子になって沈没していた(笑)。だからこの新訳が出てくれてすごくうれしかった!
いやー、なんと読みやすいこと。そしておもしろいこと。
じつは、原作もたしかにジムの黒人なまり、ハックのミズーリなまりで書かれてはいるけど、それはけっして読みにくいものではない。(日本語の本で、そのなかに関西弁の人が出てきたりする状況を想像すればわかると思う。)ところが翻訳文のなかに東北弁「ぽい」なまりが頻出すると、どうにも読みにくく感じて、内容が頭に入ってこなくなってしまうのだ。だから、そこはあえてばっさり切り捨てて、物語のおもしろさを最大限に伝えるというこの新訳を言祝ぎたいです。
たまに嵐や難破船に遭遇しながらも、比較的順調にミシシッピ川をくだってきたふたりだが、霧にはばまれて、自由州への上陸チャンスをのがしてしまう。ではもう少しくだってから、フェリーをさがして……と思っていた矢先に、世にもやっかいな詐欺師ふたり組に遭遇。さあどうなる、というところで下巻へ。 -
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アスペルガーに近い症状を持つマルセロが、父の要望で、夏の間法律事務所でアルバイトをすることになる。知性は高いけれど物事へのこだわりが強く、コミュニケーションが苦手なマルセロにとって、これまで通ってきた養護学校の温かな環境から出てリアルワールドに飛びこむのは大きなストレスだ。
じっさい、行ってみると、アクの強い弁護士秘書たちやら、いけすかない弁護士のいけすかないどら息子やらがいたりして、摩擦のたえない日々。それでも同じ部署で仕事を教えてくれるジャスミンという少し年上の女性は、思ったことをずばずば言うけれど、包み隠すところがなく、マルセロにとっていちばん理解しやすい、気を遣わなくてすむ存在になる。
そうこうするうちに、事務所のゴミ箱から拾った1枚の写真をもとに、マルセロは事務所が闇に葬ろうとしている大きな問題があることに気づく。それを解決することは、自分の父親を危うい立場に追いこむことにつながる。人生ではじめて大きな板挟みにおちいったマルセロは、はたしてどうするのか……。
ゆるやかなミステリ仕立てのストーリー自体でもさることながら、マルセロが言葉の表の意味と裏の意味を深く考えながら、物事の真の意味を知ろうとする、その誠実な語り口調がとてもいい。わたしたちはふだん、とてもざっくりと、いいかげんに周囲のことをわかったつもりになって、適当に流しているのだけど、なにひとつゆるがせにしないようにすると、とても大変で、でも同時にほかでは味わえないおかしみや、正面突破ならではの痛快さが生まれてくる。
ストーリーには関係ないところにも美しいやりとりや場面がたくさんつまった、すばらしい作品だった。 -
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ネタバレ読み始めは、もう少し現実(ダーウィンの航海記)に即しているのかな、と思っていたが、ガラパゴス諸島の火山にドラゴンが生きていた、という少しファンタジーも入った物語だった。
でも、ダーウィンの生物研究の話から端を発しているように、生態や生育環境などのディティールに凝っていて、ファンタジー的な夢物語にはなっていないところが「魅力」。
読み進むにつれ、主人公:コビントンと愛機バイオリンのスクラッチや、相棒になる「トカゲ」ファージングや弟妹たちの可愛らしさも増していく。
全体を通して、ハラハラドキドキの冒険物語でもあり、読後感も良かった。
子どもたちに、お勧めしたい。 -
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以前からシートンの本が気になっていたので読んでみました。
小学生向けに書かれているので、とても分かりやすかったです。色々な出版社からシートンの本が出ていますが、このシリーズを選んで良かったと思います。
オオカミのことが知れて面白かったです。とても頭が良かったり、2km先の匂いまでかぎ分けるという能力があることを知ってビックリしました。
オオカミは1905年、奈良県で見つかったのを最後に絶滅してしまったようです。ただ、剥製は日本に3体だけある
ということなのでいつか見てみたいです。
最初は、次々と家畜を殺していくオオカミであるロボに苛立ちを覚えました。でも、読んでいるうちに、ロボに同情というか、可哀想だなという気持ちが湧いてきました。パートナーのブランカが死んで、動物でも人間と同じような感情があるのだと知って感動しました。
ロボは最期、一点を見つめ一体なにを想いながら息をひきとったのでしょうか…
愛憎半ばする想い…いや、愛が凌駕する素晴らしい作品だったと思います。
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実在の人物や歴史に乗せて作られた創作SF。主人公の少年シムズ·コビントンはダーウィンがビーグル号で航海に出た時にキャビンボーイ兼バイオリン弾として雇われた少年で、後、助手に昇格した実在の人物です。
この物語では、荒天で船から落ちたダーウィンを助けてシムズが遭難し、火山の島にたどり着きます。物語の前半はシムズの冒険、後半は島から連れ帰った物の驚くべき真相と結末です。前半、話に入っていくまでは取っつきにくかったけど、話の流れが見えてくると面白くて一気に読んでしまいました。ダーウィンは進化論をウォレスから奪ったようなダークサイド面が書かれるのかと思ったりもしたけど、普通に色々な面をもつ人として書かれていました。
小学校高学年から。