麻生ミツ晃のレビュー一覧
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ネタバレコバルトから足掛け12年で続編……当時からの読者さんも裕次さんも拓人もお疲れ様とおめでとうを。
正直劇中劇の「白の傷跡」に時代の空気を感じるなーと思ったのですが、あれから12年、同性愛者が置かれている立場や社会の状況が如実に反映された、いまだから書ける完結編になっているなぁと。
あれから6年、『海』から離れられず、答えを見つけられないまま停滞していた拓人は白の傷跡の再放送を記念しての特別企画で自ら別れを選んだ裕次と再会を果たす。
二人の過ごす五日間を丹念に描いていく物語はまるで本当にラジオ番組を聞いているよう。
海として生き、恋をし、岡崎の幸福のために自分の人生に彼を巻き込むわけにはと身を -
購入済み
秋沢が頭おかしいから、安易に受け入れちゃいけなかったんだろけど、
まーーー 本気でうざい。秋沢うざい。
可哀そうなとことか、可愛いとことかあるけど、うっざ。
そして五木に腹立った。
あぁぁなんかすっきりしない。
いや、でもわかる。こういうラストになるのも分かる。
よくできたストーリー展開でした。もう、夢中で・・・
もう夢中で読んでしまいましたよっ(怒)!!!
なんとか幸せになってほしいもんですよっ!!!
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ネタバレ幸一とカラス先輩はズブズブの共依存関係だなぁ……というのが一読しての感想。
生きる気力を完全に失ったカラス先輩にとっては自分を繋ぎ止めてくれる幸一は手離せない存在だったんだろうけど、半ば飼い殺しのように見えて辛い。
真剣に恋をしてお互いに向き合った結果として、こういう選択を選ばざるを得なかったんだろうなと。
「先輩を放って置けない、一人にしたくない」と友人や恋人との関係に支障が出るまで二人でいる事に逃げ込んで行くあたりは見ていて痛々しくて堪らなかった。
澱のようにぐらりと揺れる感情が穏やかにそっと掬い上げられていく透明感溢れる文章はどうしようもなく一つ一つが胸に突き刺さりました。
どうしようも -
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ネタバレ最初に言っときます。
★5つの評価は、同時収録されている【ヒカル】に対してであり、
表題作への個人的評価は★1どころかゼロでも良いと思ってます。
実際とても評価の分かれる作品ではありますが【ヒカル】に登場する
光久が主役である【晴れの雨。】を読んでると、本当に
文句なしに光久と和隆が最終的に恋人同士になってよかったと
思いました。
あんなに綺麗で、切なくて、悲しい別れがあった光久が、
木生を心の中に大切に住まわせたまま幸せになる結末は、
これ以上ない素敵なハッピーエンドでした。
正直表題作の【カラスとの過ごし方】に出てくる幸一は
刺身のつまくらいでしかなく、読んでたらもう色々と胸糞悪いの
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やはり東京編は嵐の前の静けさだったらしい。ここからが木原さんの本領発揮…痛いです。痛いんだけど夢中でページを捲る手が止まらず一気読みでした。ニューヨーク編になってからも秋沢が殆ど成長していない思考回路なのはさすがw人間そんなに簡単に成長する訳はありません。ただ少しずつ引くことを覚えているのかなぁ 一途なのは変わらないしこのまま少しずつでも相手の気持ちが分かるようになっていってほしい。まだまだ時間はかかりそうだけど。救いはラスト楠田が怯えるでもなく本来の楠田に少し戻っていたことかな。いろんな意味で楠田も時間が止まったままだしそれが少しでも動きだしたらいいと願わずにいられないラストでした。
木原さ -
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またしても強烈な攻めキャラに木原さんの文章の面白さが相まってコメディじゃないのにクスクス笑いながら読みました。図体だけ大きくて中身は子供で常識の欠片もないとんでもない男なのにだんだんいじらしく可愛く見えてくるのが木原マジック!そんな彼に振り回される楠田は至って常識的な普通な男なのに読者同様だんだん絆されて煩がりながらも秋沢を憎からず思っている様子…ん?今回痛くないぞ?つか木原さんにしては甘い?ような気もするけれどまだ前半戦。きっとこのまま穏やかに愛を育む訳ないんだろうな…嵐の前の静けさ的な?ニューヨーク編怖いけど期待して読みたいと思います。
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ネタバレ予想以上に糖度の高い前編から、一体どんな酷い展開が
待ち構えてるのかと、ありとあらゆる想像を巡らせて
読み始めた後編ですが……。
いやぁ……予想の斜め上いきすぎてたわ。
酷いなんてもんじゃなく、痛い。
アイタッ、アイタタタッ!
って感じで身も心も痛い。
楠田が気の毒すぎて、前編でちょっと可愛いなと思った
秋沢、じゃないアホ沢、楠田じゃないけどこいつ本当に
死ねばいいのに、とまで思いました。
普通のBLだと強姦輪姦された受って、怖がりつつも攻に
お清めエッチされてめでたしめでたしなんですが、そこは
やっぱり木原さんでした。
そうよね、これが普通の反応なのよね、と妙に納得。
とにかくこのアホ沢 -
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ネタバレなんで、こんなどうしようもない男に惚れるのか
イヤイヤ付き合ってたくせに
こんなことになってんのか
意味わかんない、と思った『~IN TOKYO』の続き。
かくして無茶苦茶にされて
相手が怖くなって死んだことにして逃げて
それから、な『~IN NEWYORK』
どう落としどころを見つけるんだろうと思ったけれど
上手いな、と思った。
楠田は秋沢をいつかは許せるのかもしれないと
そういう期待を抱かせる終わり方は
本音を言えばありえないだろう、だけど
BL的にはまぁいいんじゃない。
個人的には追いかける秋沢が、なんでなんでと
自分に問いかける様が凄くよかった。
それでもまだ不十分なんだよ、と思い -
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木原作品は、やはり一筋縄ではいかない手強さでした…
前回の成り行きにふんわりしていたかと思ったら、奈落の底へ一直線。案の定、突き落とされます。
きっかけは相手を御するための恋愛モードだったのが、もはや本気の付き合いであることを自認する楠田。
だからこそ、受け入れられないこと許せないことが、秋沢にはまったくわかっていません。
人の心がわからないアホと愛し合うことで味わう失望に震撼とさせられます。失望どころか、これはもう恐怖の段階。
楠田は何とかして自分の気持ちを秋沢に伝えようとするものの、人の気持ちを慮ることができず、自分の感情ばかりを人に押し付け、好かれるための努力もしない相手には何ひとつ -
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COLDシリーズのスピンオフ。楠田編はちらちらと雑誌で読んでいました…
こうして一冊になると、けっこうラブラブな話になっていて、いいところで終わっているような。続きは怯えながら覚悟して読まなくちゃいけないですね。
最初はラブがひとかけらも見えてこないお仕事もののような展開なんですが、その語り口の面白さ、描写の上手さであっという間に引き込まれてしまいます。
華やかな芸能界やアクセサリー業界が舞台になっているのも、興味津々になるところです。
楠田は登場人物の中ではとても常識人なキャラなので、ぜひふつうに幸せになって欲しいと願っていたんですけどね~
変な芸能人にロックオンされてしまうのです!
本編 -
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あのCOLDシリーズのスピンオフということで楽しみにしていました。
楠田くん、まさかの展開です(笑)
そしてまだ続きます。でも、元祖COLDの二人みたいにはこじれないんじゃないかな……。
しかも、ステージは、楠田兄弟の立ち上げたアクセブランドのイメージポスターに、透と藤島さんの写真が使われたエピソードの後で、ちらりと元祖カップルも出てきます。それがなによりご馳走様、かつ、読み出したら止められず一気に読み切りました。
あの楠田が、な展開ではありますが、個性的なその相手役の役者がまたとても魅力的で早くも続きが気になります。
藤島さんと透の話は読むのも聴くのも体力が入りましたが、こちらはわ -
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COLDシリーズコミカライズ第2弾。やっとコミックスになりましたね。3年以上待ってた甲斐のあるクオリティでした。原作の持ち味を壊さず、繊細かつ丁寧な作画で物語を描き出していて素晴らしいと思います。
読んでいると、またしてもどっぷりはまりきってしまい、何度も泣いてるはずなのにやっぱりラストは涙が止まらなくなりました。
涙、涙です。
どれもこれも印象的で衝撃的な場面の連続なんですが、特にコミカライズにあたってこれは…!と思ったのが藤島の母親。絵にするとまたいっそう怖いです。イメージどおりだけど。回想シーンの透の脹れ方もハンパなくて、いたましさがいっそうこみあげてきます。
こういった、大切なシーン -
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気になってたけど、なんか買いそびれてて、やっと読んだ!
面白かった(≧∇≦)
今年の一番(今のトコ)です♪
まるまる一冊、じっくり読ませてくれます。
二丁目で男とイチャついてる上司の真木さを見かけた部下の須藤が、興味本位で真木さんに自分と寝るように脅すトコから始まります。
真木さんは特定の人は作らず、最中にゴムを外されないよう警戒しながら、寂しい時に、知らない男と寝る、でも寝るのは一度きり。
常にグレーな立ち位置にいる人、なんだけど、でもずっと須藤が好きだった!んですよ(≧∇≦)
真木さん目線で読んじゃったんで、もう、真木さん切ないです(u_u)
立場を理解してるから、気持ちをググっと押し -
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ネタバレ絵が好みではないし、前のアンソロで読んだ話はいまいちだったのでどうしようかと思いましたが、あらすじだけだとかなり好みなので思い切ってみました。
当たりでした!
重くて苦しい、大人のリアルな恋愛。
最初はいい加減な好奇心から始まって、ラストで纏まるまで丁寧に描かれています。
社会人ならそうですよね。気軽に付き合える訳もなく、まして相手は社長の子息。
色々乗り越えたあのラストは、素晴らしかったです。
「彼女がいらないなら 僕が欲しい」の叫びが、泣けます。
幸せになれてよかったね。
障壁や葛藤のないBLに疑問を覚える方にはお勧めの一作です。
しかし、一点だけ。
大企業であんなメール回りません -
Posted by ブクログ
初めて読んだ麻生ミツ晃さんの作品。 やられた…久々に重厚なBLを読んだ満足感に満たされた。
正直、社内メールで社員の噂話が回ってきたり政略結婚云々の展開は若干「一昔前のメロドラマみたいだな…」と思ったりもしたけど、世の中は自分が知らないだけで結構悪意に満ちていたり。
登場人物は、とにかく主任が可愛かった。 会社に居る時の『他人はどうでもいい』という仮面の顔、2丁目でハントしてる時の『適当な男なら誰でもいい』というビッチな顔、須藤だけに見せた『好きな男になら何されてもいい』という顔…
自分で身に着けた鎧で雁字搦めになって息も上手く出来なかった人が、頬を染めて好きな男を見つめるだけの表情が、何故 -
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作家買い。
正直あらすじ読んだ限りでは私の好みではなかったし、そこまで期待はしていなかった。ただ作家さんの作りだす物が好きだったから買っただけ……だったんだけれど、読み始めたらぐっと中にひきつけられて、時間も忘れて読み耽ってしまった。
ラストは思わず涙が溢れでてしまった。
また大事な本が一冊増えた。幸せである。
初回ペーパーも可愛くてよかった!
あらすじで興味ないかもって思った人にも、まあそう言わず読んでみてよ!と薦めたくなる作品。
あと個人的にこの作家さんはいつも表紙で損しているなぁ、という印象。今回もそうだけど、モノクロとの差が……。カラーは綺麗でもモノクロは……って人が最近は多いけれど