伽古屋圭市のレビュー一覧

  • かすがい食堂

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    ハートウォーミング系の連作集だけれど、摂食障害や児童の貧困など、簡単に答えの出ない(出されても困る)問題を取り上げているので、読後感は案外と重い。おせっかいなヒロインの奮戦で、物語の中では一応ハッピーな結末を迎えるが、その過程があまりに安直なら、読者としても鼻白んでしまうところだが、その心配はいらないかな。その代わり、快刀乱麻を断つようなわけには行かず、結末は煮えきらなさが残るが、これは仕方のないところ。

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    2021年03月14日
  • 冥土ごはん 洋食店 幽明軒

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    私の大好きな”世にも奇妙な物語のラストの話の原作になりそうなお話”。主人公の和泉沢悠人はいい匂いに誘われてとある洋食店に入った。無職だった悠人はその店でアルバイトすることになるのだが、この店には珍しい客が来る不思議な店だった。
    幽明軒という洋食屋には、たまに死者の客が来る。好きな洋食を一品選んでもらい、最後の晩餐を楽しんでもらいながら、生前思い残したことを聞き、出来るだけ解決してあげる、という話。
    作中に登場する料理はどれも美味しそうで、寝る前に読んでいるとお腹がすく。文字の飯テロと言える作品だろう。前半は主人公よりも客である死者のほうが描かれている感じだが、後半になると主人公の生い立ちなども

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    2019年10月05日
  • 冥土ごはん 洋食店 幽明軒

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    少し変わった設定だけど、色んな面でとてもシンプル。
    でも物足りなさを感じない素敵な匙加減、安心安定のフォーマット。

    解説にもあったけど、ナポリタンの表現は最高ですねー!

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    2019年09月12日
  • 落語家、はじめました。~青葉亭かりんの謎解き高座~

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    伽古屋氏、初読み。
    落語が題材ということで気になって読んでみた。

    ミステリー感は極小だけど、最近はそういうほうが好みかも。
    前向きなストーリーで楽しく読めました。

    会話のテンポも含め文章の相性が良さそうなので、
    他の作品も読んでみようかなと思える作品でした。

    ただこの作品に限らず、アニメな表紙カバーはどうにも好きになれないなぁ…

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    2019年06月14日
  • 散り行く花

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    設定の妙に膝を打つ。
    よくぞこの設定を思いついたな……!と。

    罪を犯した女たちと、その罪の匂いを嗅ぐ絵師。
    女たちが罪の呵責から解放される瞬間の美しさのため、絵師は女の罪の謎を解く。
    芥川龍之介の「地獄変」をも彷彿とさせる、芸術家の残酷と、不思議な寛容。

    一話目が一番びっくりした……
    まさか!という展開。

    美しく、官能的。
    また、時代や花などがモチーフになっているところから、連城三紀彦先生の傑作短編集「戻り川心中」を思い出したが、偶然であろうか。

    に、しても茂次郎さんは天然タラシだな……
    子供がいるという設定に、何気にショックだったw

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    2019年06月07日
  • 冥土ごはん 洋食店 幽明軒

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    コンセプトとしてはシンプルで、お話そのものも素朴。でも洋食にある種のノスタルジーを感じるからなのか、雰囲気はとてもいい。来店する死者達の時代がバラバラなのが、何気にこの作品の味を演出していると思う。
    この1冊で物語の輪は閉じてるけど、主人公の今後も含めて続編を読んでみたい。

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    2018年12月24日
  • ねんねこ書房謎解き帖 文豪の尋ね人

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    割と面白かった。関東大震災後の神保町が舞台ですが、あまり時代がかった感じはないです。ミステリーとしてはライトで、さらっと読めてしまいます。いろいろ謎を残しているので、続きそうな感じですね。
    ちなみにねんねこ書房ですが、猫はあまり関係ありません。

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    2018年08月06日
  • 散り行く花

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    ネタバレ

    「僕には、罪を背負った女の匂いが、見えるのです」
    犯した罪を一人で抱え込む美しき女達の、激しく妖艶な業を封じ込めた絵に纏わる連作短編集。

    大正時代、美人画で有名な人気絵師・茂次郎の探偵顔負けの推理力が冴え渡る。
    男達から理不尽に抑圧され不幸な環境に喘ぐ女達を、苦悩から解放させ救おうと奮闘する茂次郎。
    飄々と女達の罪を暴く茂次郎の姿に親近感を持った。
    物語の原点とも言える『蜜柑ノ種』の、彼女の選んだ路は切ない。
    それは決して赦されるものではないけれど、彼女の望んだ細やかな夢だけは、茂次郎の絵の中で永遠に遺されたのだと思いたい。

    この物語はドラマ化したら面白そう。

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    2018年04月08日
  • 断片のアリス(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    電脳空間のサバイバルゲーム、だけで終わらないのがただのサバイバルゲームではなくここを舞台にしたSF小説な感じです。いかにもSFな終わり方で気持ちいい。

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    2018年03月30日
  • 断片のアリス(新潮文庫nex)

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    なかなか面白かった。全感覚VRだけど、世界観的にはSAOよりも「GAME WARS」のOASISに近いかな。閉鎖環境でのサバイバル脱出ものですが、VRの設定をうまく活かしています。世界観的には1作で終えるのはもったいないですね。

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    2018年03月06日
  • 落語家、はじめました。~青葉亭かりんの謎解き高座~

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    漫才師になる夢破れて落語と出会い落語家を目指す香乃が、日々の修行の中で出会う謎を兄弟子舎林の助けで探る。毎回落語の話に絡めたストーリー、ドラマ「タイガー&ドラゴン」みたい。落語界の東京と上方の違いや落語の話も語られて興味深かった。シリーズ化したらいいのに、してないのかな。

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    2018年01月10日
  • からくり探偵・百栗柿三郎

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    百栗柿三郎が難事件を解決する物語が4篇だが,登場人物が順に関連を持ってきて最後の「惨劇に消えた少女」で解き明かされる構成は非常に楽しめる.時代は関東大震災後の大正時代だが,あまり古さを感じさせない.柿三郎と千代のコンビが軽妙な会話で事件を解析する過程が楽しめる.

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    2016年03月22日
  • からくり探偵・百栗柿三郎

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    大正ミステリー。実際にシャーロックホームズが活躍した頃の日本を舞台にしているところが面白い。
    是非シリーズ化して欲しいところだが、この作者はそんな読者の希望をぶった切ってしまう潔さがある。そこもこの作者の魅力の一つだ。

    しかし、主人公である百栗柿三郎の出自についても十分物語ができそうな気がする。大正時代そのものにロマンを感じる風潮があるので、大正ミステリーというのは一つのジャンルとして成立すると思うのだが...

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    2015年03月15日
  • 猫目荘のまかないごはん 夢とふっくら玉子焼き

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    安定の!猫目荘です(*^_^*)

    途中主語がなくて、そこでやっと「あ、今回は端から端までこの人が主人公なんだ」
    と分かりました←たぶん気づくの遅い部類の人でした笑

    3もあるようなので、次はだれが主人公か楽しみにしたいと思います☆彡

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    2025年11月19日
  • クロワッサン学習塾 謎解きはベーカリーで

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    学校とはどのような存在だっただろう。
    私が小学生のとき、学校に行く行かないとか考えたことはなかった。なぜなら行くべきものとして考えていたから。
    あくまで私の持論だけれど、私は根っからの文系で、理系科目は恐ろしくできないし、理解力のかけらもない。高校の物理や数学の授業は地獄だった。点数も、文系科目は割と上位だったけれど理系科目は壊滅的だった。理系科目は正直勉強したくなかった。でも、じゃあやらなくていいよと言われると疑問がある。好きなことだけしたいけれど、嫌いなことに向き合うのも勉強というか、成長だと思うんよな、私は。
    でも本人が色々考えて選択をしたなら好きなことだけするのも間違っていないとは思う

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    2025年11月12日
  • 猫目荘のまかないごはん 私の選択と肉じゃがコロッケ

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    シリーズ3作目。
    格安家賃の下宿屋「猫目荘」。まかない付き。

    テーマは結婚?
    事実婚、卒婚、さまざま。
    結婚のカタチにこだわらないパートナーシップ時代、価値観への提起?

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    2025年11月09日
  • クロワッサン学習塾

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    読みやすくて短時間でサクサク読めた。
    学校の先生がみんなこんな人だったらいいのに!と思うとともに、学校の先生じゃないからこそ、ここまでできるのかも?との気持ちも。
    学校は勉強を教わる場所でもあるけど、それ以上に例えば集団で行動することとか、意見のぶつけあいをしたり、自分とは違う意見を聞いて取り入れたり、そういうのが大事なんだと思うな。
    ちなみに私もパン大好きです!

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    2025年11月09日
  • 猫目荘のまかないごはん 私の選択と肉じゃがコロッケ

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    夫に卒婚を提案し猫目荘で新たな生活を始めた女性が自分を取り戻そうともがく中、息子から思わぬ宣言が。結婚って、幸せってなんだろうと若者たちだけでなく幅広い世代の結婚観から様々なパートナーシップのあり方を考えさせられると同時に自身も固定概念にとらわれていたのかもしれないとはっとした。

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    2025年10月05日
  • 猫目荘のまかないごはん

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    まかない付きのアパートいいね!そんなところがあったらすんでみたいと思いました。
    降谷さんの「料理はしない!」ということがどういう事でそういうふうに思っているのか分からずもっと早い段階で出てくればよかったかなと思います。
    アパートの住人のそれぞれの生き方を知る事により、自分の凝り固まった考えが、少しずつときほぐされていくのがよかった。人それぞれの価値観が違うように、いろんな人生あるなぁと改めて思いました。

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    2025年10月04日
  • ねんねこ書房謎解き帖 文豪の尋ね人

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    書店と謎解きを題材にした小説はたくさんあるけれど大正時代を舞台にしたものが珍しいなぁと興味を惹かれたのとタイトルの文豪に誘われ手に取った。

    時は大正、関東大震災後の東京神保町を舞台に
    「ねんねこ書房」の店主佐久路と見習い書店員こよりが本業の傍ら萬相談を受けて謎と秘密を本で解き明かす大正ロマンな古書店ミステリー。

     謎解きも関東大震災や戦争が背景にあるけれど、日常の謎解きがメインで軽い文体とユーモアがあって読みやすい。
    本書で面白いところは、やはり文豪や著名な作家、本を題材に謎解きを行っていくところかな。
    ただ謎解きをするのでなく佐久路がこよりにヒントとなる本を渡して試験のように謎解きをさ

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    2025年08月20日