伽古屋圭市のレビュー一覧
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最初はその古さに直ぐに引っ越す!と意志を固めていた主人公伊緒が下宿先の猫をクッションに、馴染んでいってる。
諸事情から、関西から東京に自分を“探し”に上京した主人公。
そんな。かんたん、見つかるわけないよね?
自分の生きてる意義だなんて。
大層なものを見つけようとしたら、尚更よね。
昔から思ってたけど、自分探しにバックパック旅行でインドとか行っちゃう人いるけど、貴方が感じた自分はただのカルチャーショックであって、探していた自分は大したことなかったってことが大半だから。どっからくるの?その自信?異国情緒溢れた国を旅すれば見つかる“自分”っでのがあるって。
その点,主人公は割合謙虚。見つからないかもしれないという不安といつも戦ってる。
大した事なくても、地に足つけて働くのが自分だ!って、見つけるのは難しい。
それを見つけられる若者でありたかった。
あ、それより前に、賄い付きで、ニャンもいて手頃な家賃(?)。借りずにはおられまいですな。
私なら。即入居します! -
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シリーズ第2弾。
駄菓子屋『かすがい』を継いで、店の奥で子ども食堂を始めてから一年後。
食堂を始めるきっかけとなった翔琉も小5になり、亜香音も中一になったが通っている。
イジメにあってるのではと思っていた亜香音だったが、単に貧しくて晩ご飯もなく、何かを得るために落とした駄菓子を拾って食べたり、みんなのランドセルを持つことでお金をもらってたりしたわけだが、今回はそのイジメてたと思われた子が家出してるんだと連れてきて…。
今回の話のなかで特に気になったのは、肌の色の違う子が、お店に来たことで起こる問題がかなり強烈だったこと。
第四話のわたしの色、あしたの色では、差別にあった本人の声がかなり響いてくる。
自分は差別をしていないって言葉を発するだけで、それはもう差別になってるということに気づいていないのだ。
肌の色は見ずにみんな同じに扱うって言葉は、ときに差別的で、暴力的なんだよ。ということがわかってなかった。
それを聞くことで、楓子も無意識に投げかけていたことに気づき反省して受け止める。
ほっこりと食卓を囲む場面もしっかりあるのだが、「今」の社会を映す濃い内容だった。
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気になったことなど
・エス: sisterの頭文字からきた隠語。1910年代より現れ、「お目」「おでや」などの他の隠語を抑えて一般化した。
・ たれ、だれ: 近世中期あたり(江戸時代)から変化し始めた。
・ 現在の原稿用紙が一般化し始めたのは明治時代中期くらいから
探偵なんてものは実につまらない行為で、不遜なことであり、真実を炙りだすことが常に正しいとは限らない。それで果たして人が幸せになるのかどうか、僕には判断がつかない。
悪、人を殺すということは許されないことだが、否定できない自分がいること。
以前読んでなかなか面白かった本に続きがあったので読んでみた。
あらすじは前作の続きで、時期としては大正3年末から4年4月頃。
富豪が自分の館で行われた祝賀会後に殺された話、人気小説家が自身の連れを殺され、自身に嫌疑をかけられる話、誘拐の話、そして柿三郎の助手、千代の友人が白骨化した死体で見つかる話。
各話モチーフ(解説では本家取りと記載)になったものがある。私が分かったのは3話と4話。
今回の幕間は四話で殺される友人ふみと千代の話。
最後にふみが夢の中?で、
「あたしの思いを引き継ぐとか、そんな面倒なことは云わないでよ。お千代は、お千代の道を、歩めばいいんだから」
といって千代に万年筆を託していたが、千代はその後、文学の世界に身を投じることになった(前作より)。
万年筆の話がどこかにないかなと前作を軽く読み返してみたが、残念ながら見つからなかった。 -
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主な登場人物は元教員の三吾と、小学四年生の息子真司。真司の友達の隆之介、隣のクラスの茉由利。
三吾の元教員という経験からの話や、教育に対しての見解などが、興味深く、また、共感する内容だった。
三吾の父で真司の祖父である康太郎が、孫の真司との会話の際にジェネレーションギャップを感じさせるのも、康太郎の年代を感じて良い。
幻冬舎文庫の、遠藤彩見著「給食のおにいさん」シリーズを読んだことがあるが、似通ったものを感じた。
どちらも「教育」が関わる本なので、当然といえばそうである。
伽古屋圭市さんの作品を読むのは初めてでした。
面白かったです。続刊が出ることを期待します。 -
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ネタバレ毎回考えさせられるこのシリーズ。
今回はヤングケアラーと子育てについて考えさせてられました。
高校生の三千香は母子家庭で育ち、怪我の後遺症で働けなくなった母の代わりに家事を行う。そんな三千香を見かねた楓子はかすがい食堂に誘うが、頑なに拒否をして…
あまりに頑なな三千香の性格が、かなりしんどかったですけど、最後までかすがい食堂には通わないってのは驚きでした。人にも自分にも厳しいけど、それが必ずしも正しいとは言えず。
以前出てきたアフリカ系フランス人のエミリーの言葉で、「しつけではなく暴力」ってのが身にハッとさせられました。
楓子も三千香の言葉で、かすがい食堂の存続を考えていましたが、もう少し続けられそうで良かったです。 -
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ネタバレまさかこんなにかわいいほのぼのした表紙の本が子どもの社会問題に切り込んだお話だったとは。
摂食障害の子以外はシングル家庭の貧困問題。
子どもに関わる問題はどうしても親が絡んでくるから難しいんだよね。
親のプライドが邪魔をして支援の手を拒んでしまう。
でも食べられなくて困るのも食に関しての正しい知識やマナーが得られずに困るのも子ども。うーん辛い。
結局こんな時に一番早く気づいてあげられるのはかすがい食堂のような場所なんだろうなぁ。
子どもだけでは得られる情報が少なすぎる。
だから大人の力が必要なのよね。
だから親のプライドなんて捨てて支援の手を掴んでもらいたいと思う。
「人に頼ってもいい」これが実はすごく難しい。
たぶん私の人生の永遠の課題。
でも子ども達には知っていてほしい。
偽善だと思うかもしれない。
その時は理解できないかもしれない。
でも自分から助けを求めたら助けてくれる人は必ずいると知っていてほしい。
今を生きる子ども達がみんな幸せであってほしい。
そんな風に思ったお話でした。