伽古屋圭市のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「猫目荘のまかないごはん」第二弾!
前作も楽しく読めたので続編出版に歓喜!
今回は猫目荘にやってきた元漫画家の倉橋結芽が主人公。
彼女のブレーキしてしまった人生が再び動き出す迄のお話。
人生うまく行かない事も多い。
立ち止まったまま一歩が出せなかったり、足は上げているのにどちらに踏み出せばいいのか分からなかったり…見える結果に本心とは裏腹な道を選んでしまったり…そもそも足を下ろす道が見えていない事だってある。
結芽も何者かになりたいと大きく目指すものはあっても、自分の行動や発言が上手く噛み合わず結局自分を見失い諦めという怠惰な結果や生活に甘んじている。
そんな中でも結芽は夢を捨てずに持ってい -
Posted by ブクログ
「ねぇ、なんで勉強しなきゃいけないの?」
と子供に聞かれた時、ちゃんとした答えを言える大人はどれくらいいるんだろう。
私もこの本を読む前は、「勉強をしないと苦労するからだよ」と、あやふやな回答しかできなかった。
だが、主人公の黒羽三吾の答え方を読んで、私はやっと納得する答えを見つけたなと思った。
小学生の頃って、なぜか分からないが、親に内緒で危ない行動をしたい気持ちがある。(私は、特に何もしなかったはず…。)
だからか、息子の真司が親に内緒で冒険に出かける物語を読んで、ちょっと懐かしいなと思った。
激しく叱咤するのではなく、行動を客観的に振り返りながら、良い点・悪い点を息子自らに考えさせる、 -
Posted by ブクログ
タイトルと文庫背表紙の印象から猫目荘で作り出される美味しいご飯食べて癒されて…なんて温かくほのぼのとの〜んびりとしたゆるい系小説と思って読んだらそんな事はなかった!
いや、そういう一面もあるけれど、それだけではなかった。
それだけではなかったのがすごく良かった!
家族との確執から家を出て東京へ、東京へ来ても就職、婚活もうまくいかず自信をなくした伊緒。
まかない付きに惹かれ猫目荘へ入居した。
そこで出逢う人々、事柄が自分の人生と向き合う覚悟をくれる!
自分の足で一歩を踏み出そうとする伊緒の葛藤が描かれている。
ふっと刺さる言葉が、改めて噛み締める言葉が、猫目荘の住人の人生の中に散りばめられて -
Posted by ブクログ
変に斜に構えたりせず、素直な気持ちで読むと「いいなぁ...」と思える(^ ^ ひねくれて見ると、善人ばっかりしか出て来ないような印象で(^ ^; うっそ臭ぇ、と言えなくもない(^ ^;
住人たちは「あぁ...いそうだな、こういう人」と「まさかそんな...」の間くらいの絶妙なキャラで(
^ ^ できすぎな感じもしなくもないが、でも物事がうまく転がる時って、すべてがこう「流れに沿ってハマる」んだよなぁ...とも思えて(^ ^
つまり、すべてが「極端に走る」ことなく、絶妙なバランスで成り立っている、ということなのでせう(^ ^ そのバランスを保ちつつ、最後まで破綻なく、しかも面白く描ききった作者 -
Posted by ブクログ
ネタバレ購入したきっかけは単純で、「表紙に猫がいたから」というだけのもの。出版社の広報アカウントが「猫」関連で取り上げていたから、作者さんを知りもしないまま本屋で在庫確認をしたら「理論在庫はあるはずなのに見当たらない、取り寄せ対応でも良いでしょうか」と店員さんに頼まれて、そこまでして読みたい気持ちがあったわけではないけれど、断るのも何だしとそのまま取り寄せてもらってお迎えした本でした。
わざわざ取り寄せたのだから、面白いと良いのだけど。期待があるのかないのかわからないまま読み進めて、最初は主人公の身勝手さにイライラしました。悲劇のヒロインに酔っているのか?その程度のことで?と序盤は全く共感出来なかった -
Posted by ブクログ
凄惨な殺人現場だの、少女監禁虐待だの、おどろおどろしい本を続けて読んだので(^ ^; ちょっと「一休み」したくてチョイス。
主人公は、映像業界で働いていたが、心折れて実家に戻り、祖母の経営していた駄菓子屋をついでのんびり商売している女性。ひょんなことから、恵まれない環境で暮らす子どもとの縁ができ、何かできることを、と格安で食事の提供を始め、その和が徐々に広がっていき...というのが大きな流れ。
正直、割とありがちな設定だし、訳知りのおばあちゃんも割とステレオタイプのキャラクターとも言える。が、そんな「普遍的」であるが故に、作者の筆力や心遣いが光る、とも言える。
貧困やネグレクトなど、どう -
Posted by ブクログ
まず大前提として、ファンタジーである(^ ^
「死者が成仏する前に食事に来るレストラン」
という設定が、思いっきり(^ ^
ただ、本作に登場する死者は、
とても人間臭く扱われているので、
特別なホラー感やファンタジー感はほぼ皆無。
みな「自分がなぜ死んだか」だとか
「死んだ後も気がかりなこと」などを、
シェフに「謎解き」してもらい、満足して行く...
イコール成仏するのかな?(^ ^
レストランが舞台で、様々な料理が出て来るが、
その薀蓄もまた楽しめる(^ ^
必ずしも「すんげ〜おいしそう」なものだけでなく、
死者の「思い出の味」によりそうのが主眼なので、
一般的な「グルメ小説」とは趣を -
Posted by ブクログ
伽古屋氏お得意の、大正ロマン謎解き娯楽小説(^ ^
健気でおぼこい女の子と、寡黙で天才肌の探偵という、
これまた王道の設定で(^ ^
一つ前に読んだ「同じような基本設定」の本には
なかなかなの低評価をつけてしまいましたが(^ ^;
こちらは文句なしに面白く読めました(^ ^
設定が古書店と言うことで、過去の名作になぞらえて
謎解きをしていくというのが面白い(^ ^
作者はきっと相当な読書家なのだろう。
例によってミステリなので、細かくは書けませんが(^ ^;
軽い文体と地の文のノリツッコミがテンポよく、
あっという間に読み終わってしまいましたとさ(^ ^