伽古屋圭市のレビュー一覧
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ネタバレ子ども食堂というとすぐに"貧困"と結びつけられがちだけど、その存在を必要としている子どもは様々で、その可能性も無限。この小説でももちろん貧困をはじめとした社会問題は取り上げられているけど、それ以上に子どもたちの日常や、主人公のこれまでのキャリア、なによりも美味しそうな食事の描写!がたくさん出てきて、「子ども食堂」という先入観に囚われずに、登場人物たちに共感できたのがよかった。
子ども食堂を必要としている子どもの例
・お母さんが夜遅い、子どもの栄養管理をしない、子どもはお菓子を食べる。食べ物に関連する知識や常識が身につかない。
・喧嘩をした兄弟ー食事を通じて仲直り?
・拒食 -
Posted by ブクログ
仕事の激務により3年間働いた映像制作会社を退社した楓子は、駄菓子屋を経営する祖母に誘われ、営むことになった。
仕事に慣れた頃、店に300円を手に持った少年を目撃する。その子は、数日に1回のペースで、いつもきっちり300円を使っている。不審に思った楓子は、その少年に事情を聞いた。
王様のブランチで特集されていたので購入。作者の伽古屋さんはミステリーを多く出版されていますが、今回の作品は新たなジャンルとして挑戦したそうです。
題名の「かすがい食堂」ですが、「かすがい」は母方の姓が春日井ということです。「食堂」は、普段は駄菓子屋として経営していますが、ある出来事がきっかけでこども食堂のような食 -
Posted by ブクログ
ネタバレ伽古屋圭市さん、初読。
大正時代に活躍した画家の、未発表作品を寄贈したいという申し出を受け、学芸員の鷲尾つぐみが目にした美人画は、圧倒的な力を持っていた。
「僕には、罪を背負った女の匂いが、見えるのです」….当代の人気絵師として知られる茂次郎が、モデルとして選んだのは、人を殺めながら、罪を隠して生きる女性たち。
茂次郎は、何故そんな女性たちを題材に求めるようになったのか。
4つ目に配された、冒頭の絵のモデルである雪江の物語で、晩年まで茂次郎の求め続けた…もしくは囚われ続けた女の美しさの秘密が明かされる。
表紙の絵と、帯の文句に惹かれて手に取った。
ミステリというより、不思議譚の趣。
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Posted by ブクログ
なんと言っても、円紫さんがいるからなあ、そして落語を題材にしたミステリー、先行作品もかなりの数になったなあ、と思いながら読みました。
楽しく読み終えたので、よい作品だったと思います。
登場人物はなんというか淡い雰囲気で、特殊な世界を題材にしながら、あまりその特殊感が強調されず、それが、主人公の悪戦苦闘ぶりをふんわりと伝えているのかな。
兄弟子二人のキャラクターは今後育っていくのだろうか。
そのほか、今後を大いに期待させるところの多い作品でした。
この小説とは話が別ですが、「たちぎれ線香」は何度聞いても、涙が落ちます。素晴らしい噺ですよね。