畑野智美のレビュー一覧

  • 罪のあとさき

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    久々の畑野智美。
    青春路線が爽やかで好きな作家さんです。
    今までの作風からは想像出来ないテーマで、ちょっと躊躇したのですが、購入。

    ややネタバレ含みます、注意。





    中学生の時に友達を殺害した少年卯月くんと、その少年と同じ中学で関わりもあった少女楓ちゃんが、大人になって再会するという始まりです。

    正直、卯月くんと楓ちゃんの関係性にモヤモヤします。
    ある意味、二人の世界が完成されていくのだけど、お互いが何故お互いに惹かれるのか、という所でいまいち共感が出来ないのでした。
    いや、よく考えてよ!とまるで、楓ちゃんの親友、芽衣子のように思ってしまう。

    それは、卯月くんの永岡くん殺害動機にしてもそうで、分かるような分からんような、と思う。
    社会派切り込み型をイメージしている方は、ちょっとズレるかもしれません。

    卯月くんが永岡くんを殺してしまったことに、楓ちゃんが自分も堕胎して人を殺したことがある、と重ねるシーンがあるのです。
    それは違うよと卯月くんが言う。
    でも、違うんだろうか、と。
    そして、違うのだとすれば、何が違うのかな、と考えているのでした。

    後味は悪くないです!(まあ、モヤモヤはするんだけども、笑)

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    2019年12月08日
  • 夏のバスプール

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    ネタバレ

    どうしたらいいのか、夏の嵐のような恋。

    登校中にトマトを投げつけてきたのは、高校から入学してきた久野。因縁のある野球部の西澤、ひそかに憧れている図書室の松ちゃん、親友の青野、担任の有村先生、不登校の富君、幼馴染で青野の彼女の望月、中学生時代の元カノ河村さんなど、涼太の周囲は穏やかなようで複雑に絡み合っている。久野が気になる涼太だが、彼女の抱えているものは、どうやら大きなもののようで――。

    後半に向けて、こじれたりほどけたりする涼太を取り巻く人間関係が面白い。問題なのは涼太の鈍さである。彼はあまりにも健康的で、しなやかで、相手が傷ついていることに気付かない。傲慢と言えば言いすぎだが、西澤の態度など、なるほどと思ってしまうところもある。しかし、この物語で、涼太を含め、誰も大きく変わろうとはしない。久野は仙台に残る弟に会いに行こうとし、また西澤の想いを受けるというが、それもひとつの逃げである。涼太はそれを指摘して、自分を選ぶように言うが、覚悟というよりは、それまでの自分を貫いているとも思える。

    けれども、だからこそ、この物語はすとんと心に入ってくる。劇的にすべての状況が改善することなんて、なかなか現実には起こりえない。あと少しで世界が終わる、と言われても、現実的には信じられないけれど、それを口にして理由にして、色々な懸案事項を進める態度は自分にも覚えがある。季節が夏なので、世界の終わりは近づいていてもまだ実感が伴わないので、ラストシーンはさらっとしている。まだまだすることはいっぱいあり、悩んだりくやんだりして、進もうとできるのだ。

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    2019年09月17日
  • 夏のバスプール

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    青春はいいな~とは思うけど。
    トマトを投げつけられた出会いから、たいして時間経ってないのにいつのまにか久野ちゃんのことが好きになっちゃってたのね。それが高校生?
    みんな高校生らしくてかわいいけど、やっぱりトマトをいきなり投げつける久野ちゃんは最後まであんまり好きじゃないかも。
    涼ちゃんと久野ちゃん以外の人のその後が気になるけど、そういうことを細かく解決していく話でもないのね。

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    2019年09月11日
  • 運転、見合わせ中

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    ネタバレ

    どの話も、このあとどうなったのよー?!って思ってしまう。
    やっぱり畑野さんの作品に出てくる男子が好きだと感じる。
    フリーターの永山の
    「残念な人で、何もできないというフリをしていた方が人生は楽だ、柴崎みたいに仕事に意欲がありなんでもできる人になりたいとういう人生はたいへんだろう」
    この思い、すごく響いた。 
    すごく考えさせられた。

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    2019年01月12日
  • 国道沿いのファミレス

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    ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまった。
    面倒な人間関係が詰まっているけど、シンゴの爽やかさと女子のような可愛さでそれが中和される感じがした。
    シンゴがいなかったら、どうなっていたのか……。
    無理矢理じゃない感じのハッピーエンド。

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    2018年12月08日
  • 国道沿いのファミレス

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    外食チェーン店の正社員25歳の主人公。
    ある日、身に覚えのない女性問題がネットででっち上げられ炎上。先につき、左遷。左遷先は6年半ぶりの東京郊外の故郷にある国道沿いのファミレス。

    出てくる人々はもちろん、ファミレスに従事する人々。高校生に大学生、三十路のフリーターでファミレス歴はやたら長い古参バイトなどなど。

    ある日、主人公佐藤に出来た彼女の元カレは自分の親父だった。彼女の過去を知るに連れ、これは...

    きっとどこにでもありふれた男の子の日常。
    ファミレスってとこが、良いね。なんか、学生の頃を思い出す。ほっこり爽やか甘酸っぱい一冊でした。

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    2018年11月16日
  • 夏のバスプール

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    登校中にトマトを投げ付けられたことから始まる涼太の高一の夏。トマトの同級生女子が気になったり、元カノが湿っぽい視線を向けてきたり、男友達や教師達と当たり前に交流したり。夏と水の印象に包まれたっぷりとした水分に満たされたような瑞々しい登場人物達に温度と湿度がある。流れる空気に何となくのまま寄り添った。

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    2018年10月10日
  • 感情8号線

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    ネタバレ

    周りからは幸せそうに、充実している人生を送っているようにみえても色んな悩みを抱えている。そんな女性たちの物語。
    考えていることや、悩んでいることは周りに話さないとわからないですよね。
    環状8号線。なんでこのタイトル?文中にもありますけど、遠くて近いってことでしょうか。

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    2018年09月17日
  • 国道沿いのファミレス

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    ファミレス社員の主人公の日常(主に人間関係)を描いた話。
    人間関係の狭さとかがリアルな田舎感が出てるなぁと感じた。

    女にだらしない父親を憎んでいるものの、そこまで強く拒絶していない雰囲気で少し違和感を感じたが、血の繋がりの情というものか。

    著者の初読作品であるが、読みやすいという一言に尽きる。

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    2018年08月01日
  • 海の見える街

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    ネタバレ

     のほほんと読みやすい物語でした。大人だけど恋愛経験がほとんどないような人の恋愛小説で、キャラクターにも魅力がありました。
     作中に二つのカップルが生まれたのですが、主人公じゃないほうのカップルはどうして結びついたのか不思議でしたが、読みやすい文でよかったのかなという感想です

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    2018年07月18日
  • 南部芸能事務所

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    とりあえず、各登場人物がそれぞれの視点で語るのですが、まだそれぞれ自己紹介がてら登場する…という感じでしょうか。長編シリーズものらしく息長く書くつもりで、1巻目はこういう構成になったのかもしれませんが、スローペースな出だし。全体的にお笑いの世界のお仕事小説的要素はあるが、この著者だからか恋愛要素強めですかね。

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    2018年06月02日
  • 運転、見合わせ中

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    Tぬ、おススメ本
    とある朝に止まってしまった電車にかかわる人たちの短編集。
    それぞれイマドキの人たちという感じがした。
    いろいろと割り切っていたり、そうでもなかったり、無駄にいろいろ考えてしまう子もいたり。
    読後感は思いのほか良い感じでした。

    しかし、OLさん。悪い子じゃないと思うのだけど、人を蹴るなよ。

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    2018年06月01日
  • 夏のバスプール

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    読みやすかったかな。

    主人公涼太と親友青野、幼馴染の望月、かつての同輩西澤、自分のことを好きな河野、友達でありながいいキャラの和尚、そして本屋でバイトをしている櫻井君、なにより、仙台から来て悩み多し久野ちゃん。他先生2人と、登場人物が少ない割に、役割がはっきりしていすごく読みやすい。

    ただ、結末は高校生的によかったけど、その他の人間関係があやふやなまま終わってしまい、消化不良な感じです。

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    2018年05月27日
  • 南部芸能事務所

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    お笑い芸人を目指す大学生とその周りの人たちの目線でリレー構成されたお話。
    それぞれが深く悩んでいる様子がしっかり丁寧に表現されています。
    思っていたより重めの印象。
    表紙と内容がなんだかしっくりこないような・・・・。
    シリーズで続きがあるようなので楽しみ。

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    2018年04月17日
  • タイムマシンでは、行けない明日

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    人生に竿さすのが丹羽、人生に流されるのが平沼。童貞君の思い上がりと言えなくもないけど、文明進歩への警鐘は私も考える。その先(地球滅亡後)の種の保存は誰が考えるべきか?

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    2018年02月28日
  • 運転、見合わせ中

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    ローカル線で朝の通勤ラッシュで電車が止まってしまう。
    そこを起点に、恋が始まる大学生、バイトの人間関を見つめなおすフリーター、今後の人生設計を考え直すデザイナーなど、6人の視点でそれぞれ人生の岐路を迎えることに。

    総じて面白かったけど、最後各パートの接点が電車が止まることだけでなく、もっと色々織り交ざった展開になればよかったなと思う。

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    2017年10月05日
  • 運転、見合わせ中

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    ある日の積み重ねが日常を作り、人生を作っていく。切り取れば物語のような一瞬なんて、たぶん誰だって探せばあるもの
    「頭で考えなくても、そのうちに決められる時はくる。別に完璧じゃなくていいんだぞ」

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    2017年07月25日
  • 夏のバスプール

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    世界は今年で終わるー。終末がまことしやかに囁かれている2012年の夏を舞台に、甘くて痛い高校生の友情と恋愛を描く青春小説。
    『青春のいじわる』(by菊池桃子)という歌があったが、10代の頃の人間関係は何とももどかしい。何でも出来る可能性はあるが何もうまくできない。青い空さえ自分を裏切る存在に感じる孤独感。青春時代は面倒だ。その感覚を「妄想はできても想像ができない」と表現した畑野さんの巧さに感服。

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    2017年07月02日
  • 運転、見合わせ中

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    あらすじ(背表紙より)
    朝のラッシュ時に電車が緊急停止。授業に向かおうとしていた大学生、バイトに遅刻しそうなフリーター、トイレに行きたくなったデザイナー、恋人の部屋から会社に向うOL、自宅から出られなかった引きこもり、駅のホームで女性駅員は…アクシデントに遭った六人の男女それぞれの物語。仕事に恋に、止まっていた心が再び動き出す。人生応援小説!

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    2017年05月09日
  • 感情8号線

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    まわり回ってハッピーエンドだったら、印象に残らない作品だったかもしれない。複雑な人間模様、そしてままならない恋愛感情。面白く、印象深い作品でした。
    あらすじ(背表紙より)
    荻窪で暮らす劇団員の真希はバイト仲間に片想い中。彼には彼女がいるのに想いを断ち切れない。八幡山で同棲中の絵梨は彼に暴力を振るわれているが、今の生活を手放せない。二子玉川の高級マンションに住む専業主婦の芙美は夫の不倫に苦しんでいる。同じ道沿いに暮らしているのに、恋愛も悩みも人生もみんな違っていて…。幸せへ遠回りしてしまう女性たちの六つの物語。

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    2017年02月03日