畑野智美のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレp144「自分が止まっている時ほど、違う速度で動く誰かのことを思い出し、不思議な感覚に襲われる。」
p204「平気で親に心配をかけられるようなら、そっちの方が子供だよ」
p263「お父さんとお母さんの間には、もう愛情はないのかもしれない。ただ、夫婦なんてどこもそんなものよ。情で繋がるの」
p269「彼女がいると、そういう嫌になっちゃうようなことを誤魔化すことができる。自分以外の誰かのためにとがんばっていると、それだけで立派な人になれたような気になる。それが気のせいであっても、それでいいんだと思う。自分自身なんていくら見つめても、何も出てこない。」
p281「嘘偽りなく好きだと思ってくれる人とだけ一緒にいたい。僕の考え方は甘いのかもしれないが、知り合える人なんて限られているのだから、何も知らずに噂するような人と仲良くしようなんて、考える時間がもったいない。」 -
Posted by ブクログ
タイムマシンが有ったらどうするか?未来を見てみたい?過去に行ってみたい?僕は断然過去に行ってみたいです。あまり未来を知りたいとは思わないかな。
タイムマシンを使う事によって、自分の居る世界が変わってしまい、元居た世界に戻れなくなってしまった主人公。うざったいと思っていた現実も、実はかけがえのない唯一のものだったという事に気が付いた時には、今いる世界で生きて行くしかないと悟るのでありました。
結構複雑で、最後まで読んでもよく分からない事ばかりだったのですが、これ続編だったんですね。そういう事はどっかに書いておいておくれよお・・・。結構面白かったのに消化不良になってしまった・・・。前作読まねば。。。
これから読む人は「ふたつの星とタイムマシン」を先に読んだ方がいいらしいですよ。 -
Posted by ブクログ
畑野智美の作品を読むのは、『夏のバスプール』と『ふたつの星とタイムマシン』に続いて3作目。
それで気づいたのだが、私は著者の文章と、構築する世界、醸し出す雰囲気が好きだ。
『夏のバスプール』はストーリーも面白かった。
『ふたつの星とタイムマシン』はやや淡々としていた印象があったが、それでもどこか引き込まれた。
3作とも恋愛小説だが、どれも味が少しずつ違う。
本作も例にもれずやわらかい雰囲気を持っている。
ただ、ストーリーにはうまく入り込めなかった感じがある。
それは、春香がやってきたことによって、彼女を含む4人の男女が変わっていく物語なのだが、あまり春香を好きになれなかったことに起因する。
派手な格好で職場に来たり、本を投げ飛ばしたり、人の引き出しを勝手に開けたり、人の家のドアを勝手に開けたり、いきなり殴りかかってくる男と付き合ったりしている女性が、わずか数か月で人が変わるとは思えないのだ。
変化のきっかけが本田との出会いということなのだろうが、好きになっただけで変わるということはないはずだ。
例えば、今のままじゃ受け入れられないと気づき、改めようと努力するエピソードがないと納得できない。
正しい道に引き戻そうとしてくれる友人がいたにもかかわらず、25年間上記のような生活をしてきた人間は、そもそもの価値観が違う。
人の優しさとか気遣いに無頓着なのだ。
それを根本から変えるには、周囲の人がちょっといい人だったくらいでは足りない気がするのだ。
だから、そんな女性に大事なインコを逃がされたのに、簡単に好きになってしまう本田も理解できない。
彼女の表情の豊かさとか居心地の良さに惹かれていたのはわかるが、はじめは理解不能な存在と感じていたはずだ。
それがどこでそう変わったのか、感情の変化を追うことができなかった。
二人に対して、日野は自然でいいと思った。
今まで好きだった相手に振られたものの諦めきれず、でも新たな男性が気になっているという状況は、ほめられたものではないが実際にある。
春香との関係については、やはり仲良くなるエピドソードが弱いと感じなくもない。
しかし、恋人になるわけではないし、これまでの人間関係のような裏のない奔放さに友達として魅力を感じたのだろうと理解できる。
そして松田に関しては、たぶん私は彼が好きだ。
児童館の職員が職場で女子中学生の写真を眺めることについてはまったく共感できず、たとえ犯罪ではなくてもせめて家でやれと思う。
しかし、彼自身が小児性愛を単純な趣味だと言っていても、過去のトラウマに振り回されていることは確かで、なんというか、同情の余地がある。
「金魚すくい」のラストシーンからわかるように、きっと松田は女子中学生が好きという以上に、思い出の女の子に囚われていたのだと思う。
「金魚すくい」には、「掬い」と「救い」がかかっているんだろうな。
しかもその「救い」の意味も難しい。
日野が鍵になるかと思いきやラストでひっくり返されて。
それでも松田は前を向いているようだ。
ロリコンということへの嫌悪感と同時に、人間としての複雑さを感じてしまった。
本書は「大人の恋愛」として売られているが、主要な登場人物は30前後だし、中高生でもついていける内容だ。
まぁ、春香にまつわる人間関係を理解できないのは子供だからと言われてしまってはそれまでではあるが。
狭いコミュニティで、誰が誰を好きで、その人はあの人が好きで……という様相は、「なんだ大人になっても中高生と変わらないな」という印象。 -
Posted by ブクログ
ネタバレこれはどうやって最後締めるのかなと思ってたら、ラストに盛大な「???」。
誰だよとツッコミつつ、まあ考えられるのは事故の加害者娘かな・・・と、もう一度読み直してその名前を捜索して確認。
無事謎は解けたわけだけど、最後に彼女が登場するのが少々唐突に感じた。途中もうちょっと匂わせちゃ駄目なもの?
名前が変わって、歳を重ねて姿が変わったとしても、自分だとわかる人がいる。
理屈じゃなくて通じるものがあるんだなと、長谷川さんや父親の姿を見て思った。
斉藤もわかるかな。彼のリアクションが大いに気になるところ。大騒ぎして、大泣きしそう。
私的にはもっと主人公が、長谷川さんだけじゃなくて両親とも交流すれば良いと思うんだけど。こっちの世界の両親は元いた世界の両親とは違うとか、ごちゃごちゃ考えてないで、今この世界にいる父親と母親をただ大事にすればいい。
例え息子だとは明かせなくたって出来ることはあるし、辛い思いをしてきた両親をもっと喜ばせてあげて欲しい。
最後の最後で導かれるように出会った二人だけど、その後恋愛に発展するのかな。そうなってくると、また双方複雑な感情でなかなかうまくいかないような気もするけど。
そして両親と交流すれば良いと言ったけど、もしも二人が結婚なんて事になったら更に事態は複雑化していくなと考えて、悩ましい気持ちになった。
タイムスリップ物は好きだし、本作も面白かったけどタイムパラドックスって考えれば考えるほど頭こんがらがる・・・。