武村政春のレビュー一覧

  • 新しいウイルス入門 単なる病原体でなく生物進化の立役者?

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    「病原体」としてのウイルスの生活環や増殖の仕組を見た後、近年発見された巨大ウイルスを踏まえて、単なる「病原体」にとどまらないウイルスの役割や起源などの仮説を提示する。ウイルスの種類や仕組み、近年の知見などが軽い筆致で平易に記述された良書。

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    2013年04月22日
  • ろくろ首の首はなぜ伸びるのか―遊ぶ生物学への招待―

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    「空想上の事例を科学する」というと柳田理科男氏の空想科学読本シリーズが有名だが、本作はそれに比べてより学術的。
    作者も言及している通り、生物学的思考実験を楽しむ知的エンタテイメント風味。

    吸血鬼の細胞内に存在するたんぱく質のドラキュリンや 人魚の骨格筋図等、クスリと来るジョークな表現を楽しめる良作。

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    2012年08月25日
  • ろくろ首の首はなぜ伸びるのか―遊ぶ生物学への招待―

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    友人から借りました

     ファンタジー? 学術書?
     
     真面目にふざけた本。
     もはや、どれを信じたらいいのか。
     とれももっともそうに書いてあるから。
     人魚を、受精卵の細胞分裂から追いかけたり(イラスト入り)、免疫の説明を真面目にしたあと「キメラ」の狸遺伝子が「免疫」を騙すとかいう話が。
     すごい、奇書ですね。
     妖怪のほかにも、最近の映画、千と千尋の「カオナシ」とかの分析も。
     あまりにも、緻密に描かれていて「気持ち悪い」というところもある。詳しすぎて「難しい」ところもある。
     娯楽本になりきれてない気もするが、妖怪類をここまで真面目そう(?)に分析した本はなかなかないだろう。

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    2011年05月29日
  • DNA複製の謎に迫る 正確さといい加減さが共存する不思議ワールド

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    [ 内容 ]
    私たちの体の細胞が分裂するとき、細胞の中では必ず、DNAが複製される。
    生命現象の根幹を担うこの反応は、一糸乱れぬ正確さで行われると考えられがちだが、じつは思った以上に不完全で、結構“いい加減”なのである。
    そして、まだまだ、よくわかっていない。
    本書は、いまなお多くの謎が残る「DNA複製」の世界に的をしぼり、そのしくみをわかりやすく解説する。

    [ 目次 ]
    第1章 複製はこうして始まる―華やかなる細胞内シンクロ
    第2章 DNAポリメラーゼはいかにはたらくか―驚くべき正確さ
    第3章 DNAポリメラーゼはいかに間違うか―驚くべきいい加減さ
    第4章 片足を上げるDNA―DNA複製の

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    2010年05月22日
  • 生命のセントラルドグマ RNAがおりなす分子生物学の中心教義

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    またまたブルーバックス。

    本書はクリックが提唱した
    DNA→mRNA→Protein
    の流れの中で脇役と言われていたRNAに注目した本です。

    周知の通り、昨年度のノーベル化学賞、医学生理学賞でRNA関連の受賞があったことからもはや脇役ではなく、生命現象を大きく動かしている可能性すらある存在です。

    そんなRNAを転写、翻訳のような基本からRNA編集やRNA干渉(←医学生理学賞の対象)まで解説しています。

    専門書ほどではないですが、取っ掛かりにはもってこいだと思います。厚い教科書を読むよりも気楽に、でも大事なことを押さえられます。

    ある程度、生命科学を知らないと難しいかもし

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    2009年10月04日
  • ろくろ首の首はなぜ伸びるのか―遊ぶ生物学への招待―

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    ドラキュラはどうしてお日様の光で灰になってしまうのか?ろくろ首の首はどうして伸びるのか?…そんな空想生物たちの体の構造の謎を生物学的に論じた本。こういう一見何に役に立つんだって話を真面目に研究しちゃうセンスは大好きです(笑)

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    2009年10月04日
  • 生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像

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    生物の細胞内にあるミトコンドリアや葉緑体がもともと別の生物であった、のだが、どうやら細胞内の他の組織についてはウィルス由来ではないか、という本書。
    まだまだ仮説の域をでないそうだが、その後の研究成果には興味がある。

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    2025年12月06日
  • DNAとはなんだろう 「ほぼ正確」に遺伝情報をコピーする巧妙なからくり

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    DNAについて、専門誌と一般誌の間の絶妙な立ち位置で解説してくれるとても素晴らしい本です。専門誌だと個々の事象を深く説明しすぎて全体が見えづらくなり、かといって一般化した説明だと物足りない。この本は、それぞれの悩みを解決してくれます。おかげさまで、自分の中で理解に苦しんだエピジェネやトランスポゾンについて、やっと頭の中で整理できました。

    ただし、この本の難易度は分子生物学や遺伝子工学に触れたことがある人がやっと理解できるレベルなので、内容は難しいと思います。

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    2025年05月01日
  • 生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像

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    タイトルの「ウィルス」とはヒトに病気をもたらすものではなく、細胞に対して感染する一般的なものを示しており、医学的より生物的な話に終始している。
    小さめな単細胞に迫る勢いの大きさの巨大ウィルスから触れているが、細胞とウィルスの境界を曖昧にするという話ではなく、ウィルスがいかに規格外か示す一例であり、本書中には他にも多様なウィルスを紹介している。
    そういったウィルスの特性を元に、真核生物など現時点で起源が分かっていないものに対する仮説を説明している。
    ある程度DNAの仕組みなどを理解していたつもりだったが、この本を読んで余計にわからなくなった、それだけ根本的な議論に触れるという意味で良本と感じた。

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    2025年02月14日
  • DNAとはなんだろう 「ほぼ正確」に遺伝情報をコピーする巧妙なからくり

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    DNAについての本。
    DNA、つまり生物の設計図だが、本当にそれだけの存在なのか?について著者の考えが示されている。
    実はヒトゲノムといっても、実際にタンパク質をコードしているのは全体のごく一部。ヒトゲノムで最も多いのはトランスポゾンで全体の40%を占める。このトランスポゾンはタンパク質をコードしていない。では何をしているのか。

    トランスポゾンのうち多くはレトロトランスポゾンとうもので、動く遺伝子と言われているものだ。これによりDNAが書き換えれる。トランスポゾンはレトロウイルスが由来と考えられているようで、そうなるとウイルスがDNAを書き換えている、つまり遺伝情報がかわる。もっというと、ウ

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    2024年09月08日
  • 細胞とはなんだろう 「生命が宿る最小単位」のからくり

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    細胞とはなんだろうに答える形で解説してある。著者が巨大ウイルス学者なので、色々なところでウイルス目線で解説をしていると書いてある。不思議な働きをする細胞が自然選択(進化?)で出来てきたのがとても驚きです。

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    2022年03月18日
  • たんぱく質入門 どう作られ、どうはたらくのか

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    生命にとって必要不可欠な「たんぱく質」。その成り立ちや働きについて、栄養学と生化学の面から分かりやすく解説した本。

    随所に分かりやすい図が挟まれていて、とても読みやすかったです。個人的には、身近なたんぱく質への疑問に答えている第5章が興味深く、勉強になる部分が多かったです。

    高校生物、化学の内容では物足りなく感じている高校生にオススメの本だと思います。

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    2021年09月23日
  • 巨大ウイルスと第4のドメイン 生命進化論のパラダイムシフト

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    ネタバレ

    生命とは何かあるいは、生きているとはどいうことかにかかわる、根本的な課題に意欲的にアプローチし、同時に地球生命の根源のLUCAに迫ろうという意欲的な本書、もちろん、2015年に出版されているので、新型コロナ禍の現代にあって、もっと、解決すべき課題に研究課題が向かっていこうとするやもしれないが、それでも、生命とは何かについて、ウィルスは該当するのか否か、について、今だから考察するに値すると言えるだろう。

    本書の言う第4のドメインというのは、サイズにおいても、遺伝子量においても従来のウィルスの定義とは桁違いな巨大ウィルスが発見されたことに啓発されて生命の再定義が要請されていることによっている。著

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    2021年08月09日
  • 脱DNA宣言―新しい生命観へ向けて―

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    分子生物学的には「DNAはRNAのバックアップコピーに過ぎない」ことを説明し、DNAが絶対的なものとされる現代社会にRNAを含めた新しい生命観を構築することを目的とした本。

    時事的な話題から少し古さは感じますが、学術誌の引用により生物学の定説が解説されていてわかりやすかったです。

    遺伝子の認識を見直すきっかけとなる良書だと感じました。

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    2021年03月31日
  • 生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像

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    積読していたが、ウイルスの話題が多くなったので、改めて読んでみた.最近の研究成果からウイルス自体の存在について、これまでの考え方を一変させる議論が展開されている.様々なテクニカルタームが続出するが、ヴァイロセルが最も重要だと感じた.ウイルス粒子が普通の細胞(ライボセル)に侵入してウイルス工場を作る という話(p224)だが、土台としてのライボセルをベースにRNAがDNAに進化し、生物が誕生した由.凄い話だと思う.

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    2021年03月14日
  • 細胞とはなんだろう 「生命が宿る最小単位」のからくり

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    ウィルス学者が書いたウィルス目線の細胞観。これまで読んだ類似の本にはない新鮮な視点で、ウィルスとの違いや、関わり合いから細胞とは何か、その進化プロセスが良く見えてくる。
    関西弁を交えながらの著者の語り口も独特、軽快で読みやすい。

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    2020年11月21日
  • 新しいウイルス入門 単なる病原体でなく生物進化の立役者?

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     本書を読めば,私たちが持っている〈ウイルスに対する構え方〉が変化するだろう。〈感染症の原因〉〈諸悪の根源〉のようなウイルスのイメージは,ウイルスの一面しか知らないことから引き出されていることを教えてくれた。

     そもそも,私たちのまわりにはじつに多くのウイルスが存在しているらしい。本書の紹介によると「天然の水の中に,1mLあたりおよそ2億5000万個のウイルスがいる場合がある(海水中には約500万個から1500万個)」という。これは大変だ。がしかし,著者は,視点を変えるとこの数はたいしたことがないとも言っている。たとえば,人間の血液中にある赤血球の数は,1mLあたり40億個も含まれているらし

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    2020年03月31日
  • 生物はウイルスが進化させた 巨大ウイルスが語る新たな生命像

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    巨大ウィルスの存在など、知らない情報が多くて勉強になった。くだけた文筆に賛否あるかもしれないが、説明もうまいし読みやすくて良いかと思う
    紹介されている仮説についても、辻褄を合わせた内容に留まっている部分もあるが、今後発展が期待される。
    ウィルスは生物ではないとする現在の定義こそ、古いし偏屈的で、見直されるべき。
    遺伝子の水平移動をふまえると、ウィルスが細胞生物の進化に寄与しているのは常識化しているが、より生命の起源に近い存在だととらえるのは飛躍が著しいとまでは言えない。細胞核やDNA、免疫システムなど、様々な革新の形成に関与している可能性が高い。ウィルス粒子を生殖細胞と対比する見方も面白かった

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    2019年12月09日
  • 新しいウイルス入門 単なる病原体でなく生物進化の立役者?

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    ウイルスについて何も知らなかったのでいろんな新発見があっておもしろかった。そもそもウイルスって分類すると生物じゃないのね。そんなことも知らなかった。私たち真核生物の細胞の中にある細胞核って、もしかしたら太古に感染したウイルスかも?っとかいう説にもドキドキする。恐ろしいことに、この本読んでたらウイルスに感染して風邪をひいてしまった。まるで呪いのビデオのような感染コードがどこかに隠されています。ウイルス恐るべし。

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    2019年05月21日
  • たんぱく質入門 どう作られ、どうはたらくのか

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    たんぱく質に関して、栄養学的な面から説明したり、アミノ酸やDNAなど化学的な面から説明したり、一般にもわかりやすく解説している良書。

    「たんぱく質って何なのか」「必須アミノ酸って何」って基本的なところから「白身が固まる理由」「お酒に弱い人がいる遺伝的な理由」なども紹介している。

    専門用語も出てくるが、かなり細かいところまで説明してくれているので、中学~高校の化学をおぼろげに覚えていればある程度理解できる。
    ……と言ってみたものの、自分もしっかり理解できたのは7割ぐらいだと思う。

    とりあえず、万事はたんぱく質です。

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    2018年12月06日