武村政春のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
友人から借りました
ファンタジー? 学術書?
真面目にふざけた本。
もはや、どれを信じたらいいのか。
とれももっともそうに書いてあるから。
人魚を、受精卵の細胞分裂から追いかけたり(イラスト入り)、免疫の説明を真面目にしたあと「キメラ」の狸遺伝子が「免疫」を騙すとかいう話が。
すごい、奇書ですね。
妖怪のほかにも、最近の映画、千と千尋の「カオナシ」とかの分析も。
あまりにも、緻密に描かれていて「気持ち悪い」というところもある。詳しすぎて「難しい」ところもある。
娯楽本になりきれてない気もするが、妖怪類をここまで真面目そう(?)に分析した本はなかなかないだろう。 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
私たちの体の細胞が分裂するとき、細胞の中では必ず、DNAが複製される。
生命現象の根幹を担うこの反応は、一糸乱れぬ正確さで行われると考えられがちだが、じつは思った以上に不完全で、結構“いい加減”なのである。
そして、まだまだ、よくわかっていない。
本書は、いまなお多くの謎が残る「DNA複製」の世界に的をしぼり、そのしくみをわかりやすく解説する。
[ 目次 ]
第1章 複製はこうして始まる―華やかなる細胞内シンクロ
第2章 DNAポリメラーゼはいかにはたらくか―驚くべき正確さ
第3章 DNAポリメラーゼはいかに間違うか―驚くべきいい加減さ
第4章 片足を上げるDNA―DNA複製の -
Posted by ブクログ
またまたブルーバックス。
本書はクリックが提唱した
DNA→mRNA→Protein
の流れの中で脇役と言われていたRNAに注目した本です。
周知の通り、昨年度のノーベル化学賞、医学生理学賞でRNA関連の受賞があったことからもはや脇役ではなく、生命現象を大きく動かしている可能性すらある存在です。
そんなRNAを転写、翻訳のような基本からRNA編集やRNA干渉(←医学生理学賞の対象)まで解説しています。
専門書ほどではないですが、取っ掛かりにはもってこいだと思います。厚い教科書を読むよりも気楽に、でも大事なことを押さえられます。
ある程度、生命科学を知らないと難しいかもし -
Posted by ブクログ
タイトルの「ウィルス」とはヒトに病気をもたらすものではなく、細胞に対して感染する一般的なものを示しており、医学的より生物的な話に終始している。
小さめな単細胞に迫る勢いの大きさの巨大ウィルスから触れているが、細胞とウィルスの境界を曖昧にするという話ではなく、ウィルスがいかに規格外か示す一例であり、本書中には他にも多様なウィルスを紹介している。
そういったウィルスの特性を元に、真核生物など現時点で起源が分かっていないものに対する仮説を説明している。
ある程度DNAの仕組みなどを理解していたつもりだったが、この本を読んで余計にわからなくなった、それだけ根本的な議論に触れるという意味で良本と感じた。 -
Posted by ブクログ
DNAについての本。
DNA、つまり生物の設計図だが、本当にそれだけの存在なのか?について著者の考えが示されている。
実はヒトゲノムといっても、実際にタンパク質をコードしているのは全体のごく一部。ヒトゲノムで最も多いのはトランスポゾンで全体の40%を占める。このトランスポゾンはタンパク質をコードしていない。では何をしているのか。
トランスポゾンのうち多くはレトロトランスポゾンとうもので、動く遺伝子と言われているものだ。これによりDNAが書き換えれる。トランスポゾンはレトロウイルスが由来と考えられているようで、そうなるとウイルスがDNAを書き換えている、つまり遺伝情報がかわる。もっというと、ウ -
Posted by ブクログ
ネタバレ生命とは何かあるいは、生きているとはどいうことかにかかわる、根本的な課題に意欲的にアプローチし、同時に地球生命の根源のLUCAに迫ろうという意欲的な本書、もちろん、2015年に出版されているので、新型コロナ禍の現代にあって、もっと、解決すべき課題に研究課題が向かっていこうとするやもしれないが、それでも、生命とは何かについて、ウィルスは該当するのか否か、について、今だから考察するに値すると言えるだろう。
本書の言う第4のドメインというのは、サイズにおいても、遺伝子量においても従来のウィルスの定義とは桁違いな巨大ウィルスが発見されたことに啓発されて生命の再定義が要請されていることによっている。著 -
Posted by ブクログ
本書を読めば,私たちが持っている〈ウイルスに対する構え方〉が変化するだろう。〈感染症の原因〉〈諸悪の根源〉のようなウイルスのイメージは,ウイルスの一面しか知らないことから引き出されていることを教えてくれた。
そもそも,私たちのまわりにはじつに多くのウイルスが存在しているらしい。本書の紹介によると「天然の水の中に,1mLあたりおよそ2億5000万個のウイルスがいる場合がある(海水中には約500万個から1500万個)」という。これは大変だ。がしかし,著者は,視点を変えるとこの数はたいしたことがないとも言っている。たとえば,人間の血液中にある赤血球の数は,1mLあたり40億個も含まれているらし -
Posted by ブクログ
巨大ウィルスの存在など、知らない情報が多くて勉強になった。くだけた文筆に賛否あるかもしれないが、説明もうまいし読みやすくて良いかと思う
紹介されている仮説についても、辻褄を合わせた内容に留まっている部分もあるが、今後発展が期待される。
ウィルスは生物ではないとする現在の定義こそ、古いし偏屈的で、見直されるべき。
遺伝子の水平移動をふまえると、ウィルスが細胞生物の進化に寄与しているのは常識化しているが、より生命の起源に近い存在だととらえるのは飛躍が著しいとまでは言えない。細胞核やDNA、免疫システムなど、様々な革新の形成に関与している可能性が高い。ウィルス粒子を生殖細胞と対比する見方も面白かった