しきみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
舞台の台本のような書き方で、読み慣れていないからか、場面転換についていけず、疑問ばかり浮かび、よくわからないところが多かった。
伝承に縛られるって、すごく息苦しい。
ウソかホントかも分からないことに、人生を捧げて、他の人の命を楯に、自分の自由を奪われてしまっている鐘守の感じは、憐れな気がした。
他人のために生きるというのも、度を越すと辛くなる。自分が満たされたからこそ、他人に優しくする。そういう順番が大切だと思った。
大事な約束だと皆が思うのなら、一人に押しつけずに、皆で分担すればいいのに。一人の犠牲の上にあぐらをかいて生きようとするのは、生贄のようで気持ちの良いものではない。
皆が気持ちよく生きていける方法を考えていくことが重要だと感じた。 -
Posted by ブクログ
浅草の繁華街と、本当にはないテーマパークのような存在のある世界観が、同じ乙女の本棚のシリーズにある江戸川乱歩の「押絵と旅する男」と似ている気がした。
この彼女の存在がすごく嘘っぽい。本当に彼のことを好きなの? 何で魔術師のところにそんなに行きたがるの? とよくわからない。そして、二人で魔術師のもとにたどり着き、すぐに魔術師に魅了されて半獣人にしてほしいと言い出す彼も彼だ。そんなに、今に不満足だったのだろうか。
この作品は正直、何を言いたいのかちっともわからなかった。ファンタジーは、世界観を楽しむものなのだと思うが、何か教訓めいたものがないと、私は物足りなさを覚えてしまうようだ。そのことに気がつけたのは収穫だった。
最後に、二人で半獣人になったのを見ると、彼女はやっぱり彼のことを好きだったんだと思える。けれど、蝶になった奴隷や、虎の敷物や燭台になった彼らは、魔術師の近くにいられて使ってもらえるなら人間でなくても幸せと言っていたが、ホントなのだろうか。人間のほうがよくないですか? と思ってしまった。
イラストが綺麗なのはとてもいい。人間としての生を手放してもいいと思わせてしまう魔術師の力の恐ろしさが、妖しく描かれている。
この話は、安易に手放しちゃいけないものもあるよ、人として生きられれば素晴らしくない? と教えてくれているのだろうか。
他の方の感想を知りたくなった作品だった。 -
Posted by ブクログ
口語自由詩の完成者(国語便覧より)
萩原朔太郎文学忌、死因は急性肺炎。
散文詩風小説
幻想的で夢幻的、加えて人外の世界観
距離と時間の移動から 異空間への移動
猫町へのいざない
薬物からの幻影なのか
作家としての創作なのか
あるいは、作者にとっての現実なのか
村上春樹さんの1Q84で紛れ込んだ「猫町」を
思い出します
あちらは海外文学に着想があるらしいけれど
いつもの街角からふと入り込む猫町
幻想と現実の狭間 危うげな均衡
共通点は多いと思う
イラストはしきみさん
彷徨える男がねずみとして表現されていて
猫町からの対比からなのかしら
そうすると村上春樹さんの初期作品に出てくるねずみ男も そういう関係なの?
誰にもわからないね
たぶん この作品とのコラボって大変だったと思う -
Posted by ブクログ
萩原朔太郎が詩以外の小説を書いているとは知らなかったので、まず、そこに驚いた。
旅した気分になるために、モルヒネやコカインを使ってエクスタシイを感じるという日常は、朔太郎自身もしていたものなのだろうか。
今いる町が、左右反転しただけで、非日常にうつるというのは、私もどこかで感じたことがある。例えば、普段見ている漢字の文字が、急に知らない記号に見えてくる、そんな感じとか。
猫だらけの町というのは、なにかのアニメ映画で数本見た記憶がある。この作品がモチーフになっていたりするのだろうか。不思議な世界観が後世の作品にもたらした影響や、作者の薬物歴などが、妙に気になった作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレたまたま本屋さんではやみねかおる先生の本を見つけたので。
昔の夢水清志郎シリーズや怪盗クイーンシリーズの感覚で読んでたけど、ゆるっとしたミステリーでした。児童書だから少し読みやすくなってるのかな。
最初の数ページで違和感が満載だった。あの最初のパソコンやスマートフォンがたくさんある(全部足した機械の台数もちゃんとヒントだった)時点で察しがいい人は気付くよね。
話が進むにつれて、みんなが忌憚を話出せばその違和感は増していく…。みんなの話の内容もだし、主人公である語り手の情報が最初のパソコンの下り以降一切出てこない。そもそも主人公は何者なのかが一切わからない時点で怪しさいっぱい。ただ最後にお前も別人格側なんかい!ってなったけど、あの子を残す意味はあったのか?あの子がまた別人格を形成するかもしれないのに?とは思ったかな。 -
Posted by ブクログ
夢十夜は、最初に“こんな夢を見た”とされ、、多少の理不尽や非合理性は、許してね、ということになる。その絵を描くというのはあまりに許容範囲が広すぎて難しかったでしょうねと思います。
第一夜
死んだ女が百合の花に転生する夢。
愛する女を失った男の夢。
「もう死にます。百年 私の墓の傍で待っていてくださいね。」
星の破片の墓石、その破片の丸み、苔むす様子などから、長い時を演出する。
女の死から再生の百年は、男にとって幸か不幸か、読む人によるかなあ。
百年経って百合となる。
第二夜
侍が悟りを得ようとする夢。
入室参禅で無を追う。
夏目漱石は鎌倉円覚寺で参禅していて、その経験は、小説「門」となる。本人の投影かな。
時を打つ音に、時さえ意識する侍には悟りはこないと読んだ。
第三夜
自分は6歳の子供を背負い歩く。
盲目の自分の子。
子は、大人びた口調で風景さえも言い当てる。
子は、自分が百年前に殺した盲目の人であった。
背負った子供に追い詰められていく様子。罪を思い出し認めた時に、背中の子供は重くなる。
背負う罪の重さ。
第四夜
酒を飲む一人の爺さん。
家は臍の緒、歳は忘れた、手拭いを蛇にする。
そう言いながら、河原に沈む。
“神さん”あたりに意味があるのか?掴みどころがないですね。生から死。話かける女性を“カミさん”。蛇は、神の使い魔。
第五夜
神代の頃か、戦い敗れ、男は敵に囚われる。
死ぬ前に愛する女と会いたい。
朝、鶏が鳴くまでの猶予。
天探女(あまのじゃく)が鳴き真似をして、合わせない。
女は、かけおち、男はおそらく殺される。
天邪鬼の原型らしい。真意を探るものという意味もあるようだけど。
そして、六夜から、雰囲気が変わる。
第六夜
運慶(鎌倉)が護国寺(江戸)の山門で仁王を刻む。
人々(明治)が集まり、適当なことを言い合う。
運慶は、木から仁王を掘り出している。
それならと、明治の木で掘ってみるが埋まっていない。
鎌倉時代の力強い日本文化への回顧。
第七夜
自分は大きな舟に乗る。
一人なく女(インド)、天文学を知る偉人(西洋)。
ピアノを弾く女。唱う男。
甲板から海へ 飛び込む自分。死ぬ前に命が惜しくなる。
西に進む舟。西洋化への懸念。
第八夜
床屋。鏡に向かう。
次々鏡に映り通り過ぎる西洋化していくものの象徴。
第九夜
世の中は戦いに向かっている。
若い母親は、子を背負い、お百度を踏む。
願い虚しく、夫は死んでいた。
という話を夢の中で母から聞く。
第十夜
一人の男が水菓子屋から女に連れられていく。7日目に戻る。山で絶壁から飛び込めと言われ、死にたくないので、豚の群れに襲われる。
うーむ?
やみくもに進む西欧化への危惧をバレない様に、
小説家らしく物語にした感じでしょうか。