三浦瑠麗のレビュー一覧
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安倍政権がものすごく抑制的な政権だってことがよく分かった。
高村「安倍政権は後方支援にも参加しない方針をとっています。」
三浦「実際に派遣される陸上自衛隊のほうが、性急な派遣に慎重な姿勢を見せた一方で、民主党の中では自衛隊員のリスクを問題にしない方が結構おられた印象があります。彼らは軍事問題をリアルに考えていないので、軍人の安全性という常にグレーである部分を「どれだけ白に近づけるか]という発想がないんですね。」
三浦「軍隊の派遣についても、「民主主義の実現のため」とか「アメリカ、もしくは自分たちが協力しようとしている国の政権がリベラルだから」といった判断に基づくと、縛りがなくなってしまう。自分たちはアプリオリ(=先天的)に抑制的だと思っているから、いざ自分が軍隊の派遣を決定しても、「これは抑制的な派遣である]と思い込んでしまうわけです。
高村「もともと限定容認派だった安倍総理」 -
「トランプ時代」の新世界秩序
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試し読み
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ネタバレ読みやすく、トランプ現象と国際社会について書いている。第4章まで読めば十分に満足できる内容なので、おすすめ。
以下メモ。
・データジャーナリズム(サイエンス)の失敗。当選予測が大外れ。
→ネイト・シルバー
失敗の要因
1.ラストベルトの読み間違え、人口動態、投票率
2.世論調査が正しく反映されていなかった。
3.偏見にとらわれて、本質を見誤ったこと。
・トランプ勝利の要因
1.北部の産業州(ミシガン、ペンシルバニア、オハイオ)の勝利。
2.いままで投票してこなかった、白人層の投票率上昇。
3.マイノリティ(黒人やラティーノ)の投票率低下。
・共和党=アメリカ南部+中西部
・民主党=北東部+太平洋岸+北部
↑変わる可能性が高い
・トランプ現象
保守的なレトリック(言辞)によって、中道の経済政策を語る。
・民主党支持者の中で育まれる。革新主義。
→ティーパーティーの民主党版
・親が民主党支持または有色人種、移民の中で育っており、たまたま共和党支持ではなかった。
・それ以外の要素はトランプ支持者に似ている。
・BLM=Black Line Matter(黒人の命は大切だ)
警官による人種差別と民間刑務所の問題。
・民間刑務所を推進したのはクリントン夫妻
→出所させないインセンティブ(長期間収容したほうが収益が上がる)が働くので、難癖をつけて裁判を受けさせない。
・黒人の権利よりも、LGBTのほうが早く権利を認められたのはおかしい。黒人は400年かかった。
・誰もがマイノリティに転落する時代。
それは分断された社会であり、権力をめぐる戦いがますます不毛さを増す時代なるでしょう。そんな中でもよい明日とは。地元に密着した自治を高め、共存できる社会を地元から作り上げる努力の上にしかないのです。
・オバマ政権時代の「人種レトリック疲れ」
昔の民主党は公民権運動には同情的ではなかった。
・議会共和党の「2010年当選組み問題」
民主党に対する妨害主義から「人種的な動機に基づいている」と解釈された。
・トランプ現象を構成する4つの要素
1.社会政策と経済政策のデカップリング(切り離し)
→小さな政府を切り離した。
2.新たな買いカーストの創出
→範囲民の感情を掻き出した。不満の高い中産階級に「下があること」を見せつけた。ラティーノ(社会に根付いた移民)からも支持。
3.反連邦主義
4.短期的な悲観主義と長期的な楽観主義
→トランプに投票すればうまいく行くと思わせた。
・「トランプ現象」はアメリカ政治の閉そく感とアメリカ国民の深層心理で踏まえたうえで立ち上げられたものであり、これまでのアメリカ政治の構造を組み替える可能性がある。
・トランプの発言を読み取るには「タテ」と「ヨコ」の視点を持つ事
タテ…歴史
ヨコ…各国比較
・国際社会に対する立場
トランプ→イスラム過激主義が問題
↓↑
ヒラリーを含むそれ以外→ロシアが問題
・パックスアメリカーナ
サンダース支持者の左翼支持者でも「帝国」としてのアメリカに、一種の心地よさを感じている。
→英国の左派、労働党も同じ。 -
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本書で最も印象に残ったのは、**「護憲派と改憲派、そして日米安保を巡る立場の違いこそが、日本における最大の分断ポイントである」**という指摘でした。昨今の高市首相支持者と反高市首相の対立が、単なる好悪ではなく、この長く続く価値観の対立線上にあると捉えると、確かに腑に落ちるものがあります。
三浦氏の議論は、イデオロギーの極端に寄らず、複雑な社会の姿を冷静に整理しています。たとえば、日本では反グローバリズムの潮流は欧米ほど強くなく、右派ポピュリズムも顕在化していません。一方で、グローバル化による格差拡大や環境問題、左派・右派双方のポピュリズムの兆候など、世界共通の課題からは逃れられないことも示されます。
また、教育投資が先進諸国の中でも著しく低いこと、そして「日本は学歴社会でありながら、政府への信頼が一貫して低い」という指摘も痛烈です。「あたし中卒やからね…」という中島みゆき『ファイト!』の一節を思わせる話題が出るのは、本書が“個人の生きづらさ”と“社会構造の歪み”を同時に見ているからでしょう。
興味深いのは、高齢者層の意識です。「最近の日本は正しい方向に向かっている」という評価にも、「変革が必要だ」という主張にも、高齢者の賛同が多いという、相反するようでいて実は複雑な構造。本書はこうした矛盾を丁寧に読み解き、世代間の価値観の揺れを照らし出します。また「強いリーダーが必要」という論点にも高齢者の支持が厚い点は、日本政治の未来を考えるうえで重要な示唆と言えます。
一方、社会政策は徐々にリベラル化し、外交・安保におけるリベラル層は今後比率が低下していくと三浦氏は見立てます。これらは政治の“地殻変動”のような変化であり、放っておいても進む潮流です。
終盤で示される「政治とは、実はそれほど理想が異なるわけではない人々を“区切る”行為である」という言葉は、本書の核心でしょう。派閥の思想などは徒党を組むための後付けにすぎず、人が立場に縛られて分断されていく構図は、今の日本の風景そのものです。
しかし著者は、分断をただ嘆くのではなく、「分断があるからこそ政権交代が可能になる」という民主主義のダイナミズムを強調します。
最後に、日本が直面する課題――持続可能な社会保障、人手不足、生産性の向上、産業構造転換、グリーン投資、最低賃金の是正、安全保障など――はすでに出揃っており、あとは社会としてどう選択し、議論し、合意形成するかが問われているだけだと、著者は静かに語ります。
本書は、政治的に極端に寄らず、日本社会の「いま」を立体的に捉えるための良質な視座を提供してくれます。
分断を敵視するのでも、過度に恐れるのでもなく、民主主義のプロセスとしてどう向き合うべきか。読後には、そんな冷静な問いが残る一冊でした。 -
不倫と正義(新潮新書) 無料お試し版
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試し読み
購入済み三浦瑠璃さん久しぶりに見た
対談相手の方がどのような方なのか知らないけど、少し気になったので試しに読んでみた
対談形式で不倫感と結婚観の概念を論じているが、独身の私としてはちょっと理解できない部分もあった
いずれにしても、結婚というシステムがもてない人の為にあるというならば、そのシステムにもあやかれない私は結構つらいなという感覚になった -
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三浦瑠麗氏が、男と女の溝について述べたエッセイ集で、雑誌に連載されたものをまとめたもの。愛や恋愛やについてを中心に考えを述べている。難解な部分もあるが、三浦先生の想いや考え方が理解できた。『孤独の意味も、女であることの味わいも』を読んだ時も感じたが、三浦氏には自分の全てを曝け出せる強さがあり、さまざまな苦難を乗り越えながらも前に進む行動力はすごいと思う。動画も拝見しているが、活躍を期待したい。
「この1年は、暇ができたために落語によく通った。人間のダメさ加減を、これでもかと詰め込んだ落語に救われていたのかもしれない」p22
「男が活躍する場を設けなければ、彼らは現代の家庭に居場所がない。都会の狭い空間にただ一緒にいる、というだけでは、資本主義的な消費しかすることがなく、共有するプロジェクトが少なすぎる。ずっとサラリーマンとして忙しく働いていた人が定年を迎えた後の生活の難しさは、なおさらだと思う」p26
「昔は、男も女もただ生きていくだけで日が明け暮れ、とても人生に惑う余裕などなかったのではなかろうか。他所様の人生がどうなっているかなど、せいぜい向こう隣り何軒分しかわからなかったろうし、SNSもなく、他人と比べる暇さえ与えられなかった」p27
「ケア労働というのはもともと労働者にとって報酬が高い職種ではない。大変な仕事でなり手が限られていることもあり、適当な人は得難い。仕事の質を問えばなおさらのこと、細かいところまでよく行き届く人、大切な人や物を任せられる人、心根の優しい人は値千金の人材である」p38
「人生に5年、10年がむしゃらに働く時期があってもよいが、ある意味ではそれが落ち着いてよかったとさえ思う。娘と時間を過ごしながら、少し早めに人生の第三の時期について考えることができたからである」p41
「自らの感覚を語る上では適切な「言葉」を見出す必要がある。伝えるのに適した正確な表現。それに先立ち、自らの感じとったものにきちりと見出され、他者と共有することも可能になる」p52
「「男と女は最終的に分かり合えないが、それは性によって人生における経験が異なるからであり、過去の経験や自分の感情で表現し、共有することは無駄であるとは言えない」。この一文だけ読んでわかったと言える人は、すでに幾度かにわたってこうしたテーマを扱う著者に触れたり、考えたりしたことがある人だろう」p54
「そこへ正義が入ってくるとどうなるか。本来、べき論と表現の多様性とは相性が悪い。べき論を極限まで推し進めれば、「全ての人が、誤解が何もないように、正しい話法でもって、この一つの正しい真実を発話すべき」ということになるから、言葉は痩せていく」p55
「声高な反対者もいるのに、どうして多様性が失われるのかというと、正義というのは文学とは違って「自ずと明らか」なものであり、すなわち「万人が分からなければならない」ものだと考えられがちだからだ。すると、大多数の人は自分がすぐに理解できないもの、予め知らされていないもの、定式表現からの逸脱は、間違っているに違いないと思い込む」p57
「正義の応酬が続くと、自らとは異なる感性の広がり、知覚の深度を他者が持っていることを許容し得なくなる。近年とみに進んだ現象だ。そうやって、物事の感じ方の複雑さは排除されていくのである」p57
「(コンゴ内戦の性暴力)ノーベル平和賞を受賞した医師、デニ・ムクウェゲさんが、加害者にきちんと裁きを下すことは、被害者にとって自尊感情を取り戻す重要なプロセスに位置付けられると述べておられた。卓見だと思う。傷ついているのは肉体だけではないからである」p103
「彼女たちは私的な暴力の犠牲者ではない。性被害が軽視され、またそれにまつわるスティグマが存在する人間社会において、ムクウェゲ医師の述べているように、彼女たちを内戦の犠牲者としてカウントすべきだという観点は見落としてはならない」p103
「恋愛結婚が危機に瀕している理由は、出会いの場が少ないとかキャリアが忙しいというだけではなくて、そもそも互いに対等な個人が自尊感情を維持できるような関係性の構築が難しいというところに原因を求めることができるだろう」p134
「ひとえに風の前の塵に同じであるという言葉が、教訓ではなく段々と安らぎのようなものとして捉えられるようになっていく。それが歳を取るということなのかもしれない」p186
「淵に立ってなお目を開けていることこそ、真に世界と繋がりを持つということなのである」p204 -
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ネタバレ不倫に対してさまざまな角度から議論する良書
友達から読んで欲しいと渡されたのだが、パートナーがいる人もそうでない人も気づきのある本だと思う。
中野さんは科学者特有のリアリズムな視点で、一方三浦さんはより哲学的で理想主義的な感覚がした。
その2人の意見が交差しながらも、女性目線というところで同意している部分もあり見応えがあった。
特に不倫の「倫」について深掘りしていくところは個人的に興味深かった。
三浦さんのあとがきでもあったが、不倫はだめならば愛するということは無意味なのかという問いに対して、
倫理を侵してでも心を傾ける行為のみで価値があるという主張に深く共感した。
我々も生きている限り、常に心が動く人生を送りたいものだ。 -
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超高学歴の二人の女性が不倫について語り合っているが、流石に引用している資料というか、話の糸口にしている本が素晴らしく感心した.結婚制度自体の欠陥を隅に置きながら、不倫の妥当性を論じている感じがした.このような女性だからか、伴侶に対する言動がある意味で温厚で、皮肉ぽい所もありながら正当に評価している点は素晴らしいと感じた.不倫を糾弾する空気に関して、宗教的な背景も含めて的確な議論をしていたと思う.キリスト教と儒教の違いも考慮に入れた議論は、納得できるものがあった.「結婚生活においては利他的であることが秘訣だ」との文言は、数多くの機知に富んだ語句のなかで最も良かった.
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P75
愛が終わらないという保証はないわけです。それなのに、私たちがなぜ、率先して結婚という束縛される枠組みを選択しようとするのかということについては、よく考えなければならないですよね。生活安全保障や子育て、同志的関係を維持することが目的なんだとしたら、性愛は別の自由意思として切り離せばいいのに、なかなかそうはならない。
P183
今まで生きてきた家の呪縛から逃れるために、新しい人生を始めるという意味が結婚にはすごいある。
P243
自分が見込んで信じた男は「真実の愛」なんか持ち合わせてなくて、単なる性愛どろどろの男に過ぎなかった、みたいなことは。
P253
愛は、心を傾けるという行為のみで価値があるのだと私は思う。人間の歴史は愛の不可能性を指し示しているが、それを知りつつも愛するという行為は無意味ではないのである。
以前読んだ中野信子さんの『不倫』がよかったので
こちらも読みました。
モヤモヤすることを賢い女性2人が言語化してくれます。三浦瑠麗さんのあとがきが良かったです。