あらすじ
トランプ米大統領誕生は「歴史の必然」か!? 米国史上、もっともアウトサイダーな大統領のビジョンと日本の行く末を、気鋭の女性国際政治学者が読み解く。
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Posted by ブクログ
「トランプ時代」の新世界秩序。三浦 瑠麗先生の著書。ドナルド・トランプがなぜアメリカ大統領になれたのか、ドナルド・トランプがなぜアメリカ大統領選挙に勝利したのか、政治学者の三浦 瑠麗先生、三浦 瑠麗博士の視点からわかりやすく解説してくれています。政治学者の三浦 瑠麗先生、三浦 瑠麗博士の解説はとても分かりやすくて、すらすら読めてしまいます。政治に興味がない人にこそ三浦 瑠麗先生、三浦 瑠麗博士のお話で学ぶことができるかも。三浦 瑠麗先生、三浦 瑠麗博士のようなかたが増えれば、日本人の政治離れは少しは改善するのに。
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読みやすく、トランプ現象と国際社会について書いている。第4章まで読めば十分に満足できる内容なので、おすすめ。
以下メモ。
・データジャーナリズム(サイエンス)の失敗。当選予測が大外れ。
→ネイト・シルバー
失敗の要因
1.ラストベルトの読み間違え、人口動態、投票率
2.世論調査が正しく反映されていなかった。
3.偏見にとらわれて、本質を見誤ったこと。
・トランプ勝利の要因
1.北部の産業州(ミシガン、ペンシルバニア、オハイオ)の勝利。
2.いままで投票してこなかった、白人層の投票率上昇。
3.マイノリティ(黒人やラティーノ)の投票率低下。
・共和党=アメリカ南部+中西部
・民主党=北東部+太平洋岸+北部
↑変わる可能性が高い
・トランプ現象
保守的なレトリック(言辞)によって、中道の経済政策を語る。
・民主党支持者の中で育まれる。革新主義。
→ティーパーティーの民主党版
・親が民主党支持または有色人種、移民の中で育っており、たまたま共和党支持ではなかった。
・それ以外の要素はトランプ支持者に似ている。
・BLM=Black Line Matter(黒人の命は大切だ)
警官による人種差別と民間刑務所の問題。
・民間刑務所を推進したのはクリントン夫妻
→出所させないインセンティブ(長期間収容したほうが収益が上がる)が働くので、難癖をつけて裁判を受けさせない。
・黒人の権利よりも、LGBTのほうが早く権利を認められたのはおかしい。黒人は400年かかった。
・誰もがマイノリティに転落する時代。
それは分断された社会であり、権力をめぐる戦いがますます不毛さを増す時代なるでしょう。そんな中でもよい明日とは。地元に密着した自治を高め、共存できる社会を地元から作り上げる努力の上にしかないのです。
・オバマ政権時代の「人種レトリック疲れ」
昔の民主党は公民権運動には同情的ではなかった。
・議会共和党の「2010年当選組み問題」
民主党に対する妨害主義から「人種的な動機に基づいている」と解釈された。
・トランプ現象を構成する4つの要素
1.社会政策と経済政策のデカップリング(切り離し)
→小さな政府を切り離した。
2.新たな買いカーストの創出
→範囲民の感情を掻き出した。不満の高い中産階級に「下があること」を見せつけた。ラティーノ(社会に根付いた移民)からも支持。
3.反連邦主義
4.短期的な悲観主義と長期的な楽観主義
→トランプに投票すればうまいく行くと思わせた。
・「トランプ現象」はアメリカ政治の閉そく感とアメリカ国民の深層心理で踏まえたうえで立ち上げられたものであり、これまでのアメリカ政治の構造を組み替える可能性がある。
・トランプの発言を読み取るには「タテ」と「ヨコ」の視点を持つ事
タテ…歴史
ヨコ…各国比較
・国際社会に対する立場
トランプ→イスラム過激主義が問題
↓↑
ヒラリーを含むそれ以外→ロシアが問題
・パックスアメリカーナ
サンダース支持者の左翼支持者でも「帝国」としてのアメリカに、一種の心地よさを感じている。
→英国の左派、労働党も同じ。
Posted by ブクログ
著者の本を読んでみたくて手にしました.接続詞が極小で完結な文書で読みやすかったです. トランプ大統領について,アメリカの本音の代表者で,しがらみにとらわれない政治家と理解しました.最低の評価からスタートしたので逆に今後ポジティブな評価をされることが増えていくのかもしれませんね.
Posted by ブクログ
トランプ大統領が誕生した原因となったアメリカの内情や、同大統領がどのような考え方を持ち、どのように世界を相手にふるまっていくのかが著された一冊です。本書が発行されたのは2017年2月ですが、トランプ大統領が選ばれる結果となった、アメリカ国民の現状に関しての取材は、実情がよく分かり為になりました。また、世界情勢についてもイスラム国に関してのトランプ大統領の対応は的中しています。その他にも、宇宙戦略へ向かうであろうことも言い当てています。現状とは異なった部分もありますが、それも含めて勉強になる一冊だったと思います。
Posted by ブクログ
第4章までをきっちり読み込めば良い本。
●オバマ政権が成果を出せなかった理由の1つとして、上院と下院がねじれ状態になったことが挙げられている。ねじれ状態には、2010年の中間選挙で共和党が下院の過半数を獲得したことでなった。また、2014年の中間選挙では、上院と下院ともに共和党が過半数を占める状態となり、オバマ政権は政策を行っていく上で非常に困難な状況となった。
●社会的弱者がいかにして不平等を感じない状況にするか、それが組織上での大きな鍵となる。また、不満が大きくなっているときはトランプのようにそこを作り上げれば短期間的にではあるが組織が一定の方向に向かうこともある。ただその先のことを考えていないと恐ろしいだろう。
●アメリカでは、政治家本人に対する政治献金を厳しく制限されているが、団体に対する現金は比較的緩やかな制限である。政治行動団体、いわいるPACといった団体に、寄付が集まるが、それの3大がメディアに多額の広告費を支払うことによって選挙戦のときの壮大な批判キャンペンが繰り広げられる。
●アメリカ選挙の一般的なイメージは、大西洋、太平洋に面している沿岸州の民主党支持は揺るがず、共和党はアメリカ中西部や南部特に内陸の秋でしか取れない。
●女性差別発言を繰り返すトランプに投票した女性の心情は何だったのか。それは、ああいうタイプの保守的白人おじさんは何も珍しいことでは無い。経済的な事情や、政策などから考えたときに、自分の個人、家庭にとって最も利益をもたらすのは何かという観点で物事を考えたときに、クリントンよりもトランプの方が優れていると判断したからではないか。単に、差別意識を持った人間がないと売れるになるべきではないと言う思考にしかなれない人ばかりではなかったっていうことが今回の選挙戦で分かった。
●オバマ政権末期の民主党は、リベラル発想に行き過ぎていた側面があった。例えば、オリンピックで金メダルを取った人でも黒人ならば異常なまでに賞賛するが、それ以外の人は賞賛されなかった。つまり、マイノリティーやLG BTをサポートすることに焦点が行き過ぎて、本来すべき経済政策や外交政策などにあまり目を向けなかったのではないかと言う分析もある。
●ブッシュ政権からオバマ政権に変わった時はリーマンショックの後だった。つまり、それまで良い生活をしていた中間層の+が苦しい生活を余儀なくされた。そのような状況かでマイノリティーばかりを支援する政策を行われると、苦しいのマイノリティばかりじゃないなぜ政党は自分たちのほう向いてくれないのかといった不満が溜まってしまう。マイノリティーや差別を守る発言はすごく大切な思想ではあるが、それを可能にするためにはまず全体の層の満足度をキープすることが大切。
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Podcast ザ・ボイスそこまで言うか!でいつも聞いていて、このタイミングで本が出たら読んでしまいますね!
アメリカ大統領選について、現地でしっかり取材してまとめてあるなと感じました。新聞やテレビのメディアだけではわからないことを知ることができます。
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冷静にトランプ旋風から当選後、そしてその後の展開までを語っている。
最近保守の側の論しか読んだり聞いたりしていなかったので、中道からリベラルよりの論はなかなか興味深かった。
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イヴァンカがモデルやってたことを揶揄されるのは女性蔑視からではなく「馬鹿だ」という文脈からではないのか?「馬鹿だ」という文脈でなら大学時代アメフトに打ちこんだ政治家(ようするにスポーツだけで有名になった田村亮子的な人やプロレス議員みたいな人)も揶揄されうる。というわけで、三浦は一部たとえ話がヘタクソだったが、まあ全体的には非常に面白い。あと、ハンチントンの「文明の衝突」は実際には起きてなくてイスラーム文明圏の中でのみ衝突が起きてるっていうけど本当にそうかな?アメリカ資本主義の象徴である貿易センタービルにアルカイダが突っ込んだのってどうなのかな。イスラム過激派が十字軍を目のかたきにしてる件については?!
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アメリカの田舎の国民の実情を解説。トランプが支持される土壌はできあがっていた。さらに選挙活動の進め方もうまかった。暴言や特異なキャラも計算通りだった、という内容。
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トランプ大統領誕生直後に書かれた一冊。ブッシュ、クリントン、オバマのそれぞれの政権の外交方針、政策の流れを振り返りつつアメリカ社会の流れを捉え、トランプのような人物が大統領になることは、ある意味必然であったと解説する。なるほど、と思わせる指摘が随所に。
ただ、どこかに連載されていた内容をまとめたものなのか、1冊としてまとまりがよくない印象がある。また、著者の文章の特徴なのか、突然話が変わったり、急に結論が出てきたりで少々読みにくい感じはする。
Posted by ブクログ
読みやすく書かれてある内容でした。
日米関係をどのように考えるのか?
あまり伝わってこないアメリカの本質は?
というところがよく理解できるないようだったと思います。
ただ、少し後出しじゃんけん的な内容もあって、どうかな
と思う部分もありました。
Posted by ブクログ
日本は、同名のあり方を見つめ直すべき時がやってきた。自由はタダではない。平和もタダでは得られない。世界はどんどん相互依存を高めていく。究極的には、経済的相互依存を通じて世界の平和へ向かっていくはずである。その道のりには多くの危険が存在する。そのような変化の速い世界を泳ぎ渡っていく上で、日本人はぜひとも将来世代のために必要な議論を行い、判断していくべきだ。
Posted by ブクログ
連日、米国のトランプ大統領の動向に世界が振り回されておりますね・・・
まさにトランプ時代・・・
どうなっちゃうの世界?
著者によると・・・
キーワードは【意気揚々と撤退するアメリカ】である、と・・・
2次大戦後、帝国として世界を主導してきたアメリカ・・・
帝国とは・・・
植民地などの海外領土を有することに限らず、自らの主権国家の領域を超えた先まで軍事的、経済的な支配力を及ぼす国家・・・
その帝国の座からアメリカはトランプ大統領の下、意気揚々と撤退していくことになるだろう、と・・・
かつての孤立主義へ・・・
帝国から普通の大国へ・・・
そうなる時に、まず起こることは・・・
かつての帝国、大英帝国の時を参考にすると・・・
まずは、海外の軍事基地の撤退が考えられる、と・・・
イギリスは何故、自ら海外の軍事拠点から撤退していったか?
それは・・・
軍事費がかさんでる!それより社会福祉の充実を!軍事費削減!という批判によってなされていったわけです・・・
国内の基地削減より影響が少ない海外から、というのは当然の流れだったと・・・
アメリカでもこれと同じ展開になるのではないか、と著者は見ています・・・
影響が少ない海外での軍事費削減・・・
まずはよく言われているように同盟国に軍事費負担増を求めてくるだろうし、ゆくゆくは基地の撤退までいくのか・・・
果たして・・・
今までの経緯に拠らず、ゼロベース思考で・・・
短期的・直接的な、明確な(分かりやすい)国益を追求してくるであろうトランプ大統領によって・・・
アメリカが意気揚々と帝国の座を降りていく・・・
これまでの世界の秩序が大きく変わる・・・
転換期であるということだけは間違いなさそう・・・