小川さやかのレビュー一覧

  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

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    トッドさんが好きなので買いました。以下引用ではないのですが、
    「第一次世界大戦、第二次世界大戦と現在起きている紛争は違う。前者は人口が増え、成長している世界で起きた。現在は衰退国の戦争である。本質的に全然違うものである。現在は国民の意思と乖離し、政府が戦争をしている。」
    納得。だからどうなる、というところまでは落とし込めていません。歴史学者のトッドさんでさえも未知の領域なのである。そのうち考えをまとめてくれないかな。

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    2024年02月05日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

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    海外の有識者2人への個別インタビューに対して、国内の有識者2人が討論するという面白い構成。
    各国のコロナ対策の是非、ロシアのウクライナ侵攻に対するスタンスなど、インタビューを掘り下げていくと、有識者によって意見の食い違いがあることが分かり、国籍や立場によって複雑な事情があることを理解した。
    SNSやデジタル技術によって、人々が「単純化」された理論への志向が強くなり、少しでも異質なモノを見つけ次第排除しようとする傾向は、私自身も含め危惧している。リアルの交流が減ると、ついつい異質な他者を排除できるからだ。ただし、同じ価値観を共有できるほど、社会が単純ではない。
    人間は不確実で不完全な生き物。理解

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    2023年10月05日
  • 自由に生きるための知性とはなにか

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    印象的な章
    なぜ人はあいまいさを嫌うのか
    人間関係のデモクラシー

    本が答える人生相談では読んでみたい本が何冊か発掘できてありがたかった。
    分厚い本だったけど小難しくなくすぐ読めてしまった。

    章の最後に もっと考えてみよう。の問いがあったのがさらに良かった。

    いろんな気づきや考えるきっかけになり楽しかった。

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    2023年01月29日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

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    副題にあるとおり、日本含む多くの国で前提とされている資本主義に乗っ取った経済をフォーマルセクターとすると、そこのルールでは違法とされる模倣品販売などがなされているタンザニアのフィールドワークを基に、インフォーマルセクターの成立論理、そこに息づく人間関係、人生への向き合い方を描く。

    この本で気付かされるのは自分達の当たり前は当たり前でないことと、現在までに適応した考え方であることに気付かされる。
    定職につく人の方が少ない、お金は貸し借りありすぎてもはやわからない。持っている人が持ってない人に貸す。金額よりその恩という贈与に意味が持たされる。

    屁理屈とも言えなくないが、インフォーマルセクターに

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    2022年10月15日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

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    著者はアフリカ研究を専門とする文化人類学者。
    「それぞれの日は似ていない」という言葉をタンザニアでよく聞かれるらしいが、Living for Todayのアフリカの零細商人の生き方を描く。タンザニア人は好機が来るまで耐えて好機が来たときの瞬発力がすごいということを、麻雀の「流れ」が来ることに例えるあとがきに笑ってしまった。非常に納得のいく表現。
    同じ著者が著した『チョンキンマンションのボスは知っている』と内容が被っていて、そちらの方が秀逸かも。

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    2022年10月09日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

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    現代の日本では大半の人は忘れているけど、仕事は食べて生きるためにすること。本にも書いてあったけど「仕事は仕事」。
    やりがいのある仕事、成長できる仕事は、素敵なことだと思うし、どうせやるなら充実してる方がいいけど、やりがいが感じられないとダメってこともない。
    人間はいつ死ぬかわからない。だから将来のために今をすり減らすんじゃなく、もっと味わって生きようと思った。
    あと、大きな成功もないけど大きな失敗もない、その日暮らしの生き方はある意味気楽。今日も生きている、それだけで花マル、という考え方ができたら救われる人もいるだろう。
    学術書という感じで読みにくいのが難点。

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    2022年07月03日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

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    「その日暮らし」というと不安定さの代名詞のような感じがしてしまうけど、タンザニアでフィールドワークを重ねてきた著者が紹介してくれる事例や見方を知ると、その日暮しが豊かで無駄のないもののようにも思えてくるし、決して無計画なわけでもなくその日暮らしをしていく術のようなものがあることも感じられる。
    たとえば著者の知り合いの夫婦。夫が安定した収入が見込める出稼ぎに行っている間は、妻は多少不安定な仕事で日銭を稼ぐ。逆に妻が元手をかけて店をやるときなどは夫は多少不安定なことができる。こないだ言ってたことと全然違うことを実際にはやっていたなんて日常茶飯事なんだけど、そのときそのときのチャンスやタイミングに合

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    2022年06月12日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

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    タンザニアの商人のように、つねにチャンスに身を開きながら、毎日を生きよう。
    来たる好機のために、瞬発力と柔軟さを備えながら。

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    2022年04月17日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

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    以下、メモです。

    ピダハンやタンザニアの人が「今、生きていること」を強烈な自信の根拠としてるそうな。
    根拠のない自信って無知なだけだと思ってたけど、なんでも根拠になる人もいるんだ

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    2022年03月27日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

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    「夜が沈黙を喋り始めた 明日の自分を想像するのは バカバカしいと思わないか そこから月がよく見えるだろう」 《月がかっこいい》 作詞/作曲 三宅伸治

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    2022年02月03日
  • 都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌

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    ■ 内容
    グローバル資本主義システムの末端で、零細商人マチンガが日々織りなしている商世界の実態を開示し、その商世界を維持・再生産している独自の人間・社会関係と商慣行を、彼らのミクロな商実践に注目して明らかにしている。〔P312より〕

    ■ 感想
     一見、非合理で倫理に反する様に写る、マチンガの様子(マリ・カウリ取引/ウジャンジャ)にも、合理性や倫理的なつながりがある事がよくわかった。
     日本、アメリカなど先進国と言われる国では、資本主義やそれに紐付く商慣行が行き渡っている。それは、とても合理的で恵まれている一方で、それにより人々の想像力や生き抜く知恵(本書で言うウジャンジャ的なもの)を身に付け

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    2021年12月20日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

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    「その日暮らしに生きる」社会を見つめ,現代の未来,生産,発展主義的な人間感・人生観を問う本.
    よくあるスローライフ礼賛ほんとは違い日本とは全く異なる商習慣や文化を持つ海外を取り上げて日本をはじめとした先進国家的ライフスタイルとコントラストを生み出している.
    (海外の方が楽とか,楽しいとか一概に言えるわけじゃないけどね)

    日本やアメリカのような社会では,明日のため,未来のために,今を手段化したり犠牲にしたりということを徹底的にやっている.
    効率はそもそも,生産機械のための概念.いつもまにかそれが人間や社会にも適用されるようになってしまったようだ.
    問題解決機械としての人体には効率化が求められる

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    2022年06月07日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

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    そのうち日本も、その日暮しをする人が出て来るのかもしれない。いや、もう既にいそうだな。根を張らない分自由に変われるその日暮の生活は、1ヶ月先の生活が全く見えなくとも悪くないのではないかと思えた。

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    2019年12月26日