小川さやかのレビュー一覧

  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    職業の選びかたも仕事の仕方も、ニセモノの位置付けも、私たち日本人が常識と信じている価値観を覆され、その社会の中で生き抜くための知恵としなやかさを持つことの大切さを改めて感じさせられる。
    既存の価値観にとらわれない先生のフィールドワークは、普通の人にはなかなかできるものではないですが、素晴らしいです!

    0
    2023年04月11日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    4名の著名な知識人へのインタビューと、それを踏まえた日本の知識人による論評という構成。日本の知識人の方々は、確り自身の意見を述べていて好感が持てた。


    また4名のインタビューの中では、ミラノビッチ氏の話が面白かった。

    曰く、エレファントカーブを見ると、程度の差こそあれ、あらゆる人々がグローバリゼーションを通じて所得が増加していることがわかる。また、グローバリゼーションに反発するのは、相対的に恩恵の少ない先進国の中産階級だけで、国内政策での対応が可能である。
    そう考えると、保護貿易的な政策で中産階級を保護するより、再配分や成長産業への労働力移動を通じた、グローバリゼーションに抗わない政策の方

    0
    2023年03月28日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

    Posted by ブクログ

    考え方、捉え方の好き嫌いはあると思うが、ガブリエル、トッド好きはすんなり読める。対談内容を日本人がさらに評論するという形式は面白い。本人がいないので忖度もなく好き勝手(良い意味で)言える。
    4人の主要な意見はもちろん勉強になるが、それでもその道を本業とする人たち固有の考え方の特長があるように感じる(翻訳も影響すると思うが)。広い知識を持ってしても、どこかに嗜好、好みが出てきて面白い。

    0
    2023年03月07日
  • 自由に生きるための知性とはなにか

    Posted by ブクログ

    感想
    自由を獲得するための努力。自由とは上から与えられるものではなく、自ら勝ち取るもの。現代社会では知性を磨くことが自由を勝ち取るための戦い。

    0
    2022年11月24日
  • 都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌

    Posted by ブクログ

    誠実さ真面目さに重きが置かれず、
    お互いに交渉(コミュニケーション)できるかが
    大切な価値観ぎ面白かった。
    でも、難しかったので腰を据えて再読したい。

    0
    2022年07月02日
  • 都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌

    Posted by ブクログ

    とてもイキイキとしたマチンガが描かれる一方で、人類学としての論もキッチリ立てられていて、独特の読後感が残る。とにかく面白く読める。それが故に、自分の読み取りが正しいか少し不安も残る。インフォーマルセクタというものを知って、これまで言葉にできていなかった物事を、少し表現できるかも知れないと思えた。

    0
    2022年06月01日
  • 都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌

    Posted by ブクログ

    成程、中に入っての知見とはという感じで非常に面白かった。見えてくるのは都市部の路上にいる物売りに対するこちらのステレオタイプな見方以上に内部は多層であるのと同様、ステレオタイプな見方を衣装化してる現実。著者が書いている通り観測による変質があるし再現性の面で限界があるけれど、時事面の点も含めて興味深い。
    個人的な感想。各人のエピソード読むと何故か巷説百物語思い出した。
    ところでアフリカだとウサギが狡知の象徴なのに、ビックリ。

    0
    2022年04月16日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    一口に資本主義経済といっても、根底に流れる価値観(文化・宗教・自然等など)によって、どのように受け入れられるか(利用されるのか)は異なることを知る。とても面白い。

    0
    2022年02月20日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    すごく面白かった。
    タンザニアでのフィールドワーク等、人類学的なアプローチで(ときには露店商をやり)検討される、いわゆるインフォーマルセクター、本書で言う「Living for Today」の経済活動。「なぜ共同経営しないのか?」「なぜ未来のために貯蓄しないのか?」「なぜ貸した金を返してもらわないのか?」「なぜコピー商品を作るのか、買うのか?」などが、当事者の言葉で語られ、なんとなくちょっとわかった気がする。いまの20代〜30代の一部にも(自分を含め)相通じるメンタリティがある気がする。山寨企業の原動力、強み、市場への向き合い方は、アジャイルの究極なのかもしれない。

    0
    2021年10月04日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    常識が揺さぶられる一冊。
    タンザニアを舞台に「インフォーマル経済」のあり方を観察したレポートなのだが、現在の日本社会(の主流)とは全く異なる原理で動いているので、スムーズに読み進まなくて頭がムズムズする。
    サブタイトルの「もう一つの資本主義経済」というのは、確かにその通りなのだけど、いままでは規模が小さいから見逃されていただけで、2つの資本主義が並立したり主導権が入れ替わるかはよくわからない。
    最終章で触れている、スマホを使った送金システムの普及によって社会(我々とは異なる原理で動く社会)が変質し始めていることを示唆しているし。

    一応、現代日本とは異なるというスタンスで述べてきたが、1970

    0
    2021年04月14日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    ルポとしての面白さは『チョンキンマンションのボスは知っている』の方が上。でも、比較文化的な観点から日本を考えるためには参考になる。また、海外ビジネスを考えている人は読んでおいて損はないと思う。

    本書を読んでいると、杉浦日奈子の描く江戸庶民の暮らしが思い出される。例えば、タンザニアの人々の購買活動には計画性が欠けていて場当たり的だという指摘は、「宵越しの銭は持たない」という江戸っ子気質に重なるものだし、その時々の状況に合わせて職を点々として生きていくという点もまた、江戸の下層市民に見られるもの。何より、貸しと借りの感覚の(いい意味での)ルーズさは「金は天下の回り物」と言い切って、深く考えずに金

    0
    2021年03月20日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    ■著者が扱っているメインテーマ
    その日暮らしの文化を通じて、私たちの生き方、経済、社会のしくみを問い直す。

    ■筆者が最も伝えたかったメッセージ
    その日暮らしの生き方は、未来を企図することを難しくさせるが、その時に可能な行為には何でも挑戦する大胆さを生み出す力がある。

    ■学んだことは何か
    未来のために今を犠牲にする私たち日本人の生き方は、安心を手に入れる事でもあるが、そのために、未来という時間に縛られた不自由な生き方を選択している事になる。
    未来を考えず、今という生を謳歌する生き方は、不安定だが、自由で人間らしいペースで生きる事である。

    0
    2021年03月06日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    かつての戦後日本のような貧しくダイナミズムに溢れたアフリカ社会。経済成長と共に日本人が失くしたものが分かる気がして読んでましたが、日本人とは違うと、違和感を覚えたのは商売における信用についてでした。

    相当昔、近代化以前の江戸時代でも、信用を重んじて割と誠実な取引を好んだように思いますし、貸し借りには几帳面です。

    やっぱり日本は世界のガラパゴス、特殊な人たちなのでしょうか?

    これから経済的にはますます貧乏になり、人口も減っていくと、どういう社会になるのでしょう。アフリカ的なliving for todayとは少し違う感じです。少なくとも今よりみんなが幸せを感じられる社会になって欲しいですね

    0
    2022年01月03日
  • 都市を生きぬくための狡知――タンザニアの零細商人マチンガの民族誌

    Posted by ブクログ

    見事な民族誌。そもそも、着眼点が良い。生き抜くための狡知とは、著者自身も書いているとおり、何もマチンガだけのものではない。社会という空間で様々な他者と関係する我々はきっとどかで各々のウジャンジャを駆使して生きている。それが普段は見えにくいだけで。しかし、この狡知こそ世界を活気良く動かす潤滑油でもあるのだろう。

    0
    2013年11月23日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    著者のなんかロックな姿勢がいい。
    未来優位、生産主義、直線的・単線的・均質的な時間といった現代の一般的社会とは異なる世界を紹介してくれる。そこにいいも悪いもない。
    ただ、全体に学術論文的な言い回し、引用が多く、その難解さに煙にまかれた感じが残った。

    0
    2025年11月10日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    想像を超えるような新しい知見は感じられなかったけど、アフリカの暮らしの仕組みをわかりやすく説明してて読みやすかった。

    0
    2025年08月15日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    現代では技術が進歩し、あらゆる業務が効率化されている。働き方改革により労働時間は削減されているが、それでもまだまだ働く時間は多いように感じる。そんな時に資本主義とは別の理論で動く世界があるとして、この本を紹介してもらった。内容としては期待していたものではなかったが、資本主義社会とは異なる経済の社会がアフリカ中国で動いていると言うことがわかり、大変面白かった。ある種の終末論のようなもので、先行きがわからない人たちは、とにかくやってみる。組織立たずに個人でやってみる。だめならすぐに転戦するという戦略が最適なのだと思われる。
    一方で、読みたかった本としては、ポスト資本主義、ベーシックインカムのような

    0
    2025年05月25日
  • 「その日暮らし」の人類学~もう一つの資本主義経済~

    Posted by ブクログ

    繰り返し出てくる「試しにやってみて、稼げるようなら突き進み、稼げないとわかったら転戦する」がキーワードのひとつ。
    評判の『チョンキンマンションのボスは知っている』も読んでみようと思いました。

    0
    2025年05月24日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

    Posted by ブクログ

    並行してエマニュエル・トッドを読んでいたのでその理解が深まったが、やはり複数名を一冊に取り扱うようなダイジェスト本だと論説の中身が浅い。広く浅く、まずは関心を、がコンセプトなのだろうからそこで文句を言ってはいけないのだが。本書に関しては、先の賢者たちの言説紹介よりも、後半の日本人同士のセッションの方が面白く感じた。

    與那覇氏。「よなは」。と読むらしい。この方の発言で、「民主主義は皆が理性を働かせ、今より良くなっていくことを建前としている」のだから、「ニヒルな人間不信とは相性が悪い」という内容に共感を覚えた。ニヒリストは、もの凄く大きな権力とか構造に対して諦めてしまい、民主主義を放棄しがちだ。

    0
    2024年10月07日
  • 2035年の世界地図 失われる民主主義 破裂する資本主義

    Posted by ブクログ

    個人的に未来予測ものには目がないです。

    特に4名中3名(エマニエルトッド、マルクスガブリエル、ジャックアタリ)が好きな方でもあり、読まない訳にはいかないと思い、手にとりました。

    正直、インタビュー形式の為、特に目新しい情報がなく、ちょっと残念なところです。

    総じて、中国は↓ インドは↑日本はリップサービスで気持ち↑ という内容でした。





    0
    2024年08月09日