小川さやかのレビュー一覧
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小川 さやか
(おがわ さやか、1978年2月25日[1] - )は、日本の文化人類学者。立命館大学大学院先端総合学術研究科教授。専門はアフリカ地域研究。学位は博士(地域研究)(京都大学・2009年)[2]。
大学院生だった2001年からタンザニアのムワンザで参与観察を行い、マチンガと呼ばれる行商人の商慣習や商実践を研究する。2010年前後からは香港と中国本土に渡航するアフリカ系商人の交易を研究し、チョンキンマンション(重慶大厦)に滞在しつつ香港のタンザニア人組合について調査を行った[3][4][5]。
2011年には、マチンガの商慣行や商実践について、ウジャンジャ(スワヒリ語で「狡猾」などの -
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著者はタンザニアのムワンザという都市で零細商人のビジネス手法を研究しており、本書ではそこから導かれた「その日暮らし(living for today)」の生活に新たな視点を提供する本となっています。「その日暮らし」というと多くの日本人はネガティブな生活を連想し、国の社会保障が存在していないような発展途上国に多く見られる「やむを得ない」ライフスタイルと考えがちではないでしょうか。
しかし本書で書かれているように、それは大変ではあるが、むしろ先進国の人々が持っていない心のゆとり、今日を楽しむ気持などが存在するライフスタイルでもあるということです。近代資本主義は勤勉、倹約を是とし、今日を犠牲に将来 -
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貯金とか退職金とか社会保障とか、本邦の現代人なら将来を見越した生き方をしないと漫然と不安で、未来なんか無いみたいに短期的視野で暮らす生き方なんて想像つかないし、安定してなくてなんかかわいそう。
と、見下している読者に新たな世界を教えてくれる面白い本でした。
作者は想定してないと思いますが、その日暮らしの類型によく似た存在を最近読んだ本で見ていました。
安定した職がない、行き当たりばったりで仕事する、貯金もしない、それなのに客人にパッと気前よく振る舞ってしまい知り合いにたかりに行く、人間関係で金を回してしのぐ。
それはヤクザと言います。
(ただし、ヤクザは作中の類型と大きく異なる部分、道義的な -
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自由に生きるための知性
これはいってしまえば=教養なのかなと思った
第一部が特に心に残った
教養を学ぶ意義
教養と社会の関係について整理できた
いま、教養が大事だと改めていわれている理由
→教養から専門知に傾いて
専門家と一般人のコミュニケーション
が上手くいかず、さらには
非対称な垂直な関係になり
専門家と一般人の間の信頼が崩れた
→終身雇用制度が崩壊しており
学び続ける力が必要になってきている
=エンプロイアビリティ
一方で、教養・リベラルアーツとは、
それがある人とない人を隔てる垣根であり
いま社会から求められている教養との間に
ジレンマが -
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なんと甘美なタイトルか。ひさしぶりにレビューに★つけちゃっった。
その日暮らしは甘美であるが、Living for Todayになると高尚さすら感じる。
で、そのLiving for Todayを実践している人々と社会を教えてくれる本。
いきなり最初に青野春秋の『俺はまだ本気出してないだけ』が紹介される。まあ、あれは漫画だ。かなり痛々しくて、正視できないような焦燥感のある漫画だ。ああなってはならない、ああではない自分の生き方は正しい、というカタルシスを得る漫画だ。
でも、本当にそうか? その日暮らしをベースにした経済は、実はちゃんと成立しているようにも見える。コピー商品とか、ま -
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著者自らが古着販売を実践しての、フィールドワークの論文。全く予備知識のない内容で、しかも論文!ですが、マチンガたちの暮らしぶりがありありと伝わってくる筆致で、感動的に読みやすい学術書でした。読むのに体力のいる大作だけど、説明がわかりやすくて、解説もふんだんで、典拠もきっちり明示されていて、読み進めるのに全くストレスがない!学問的ワクワク感を追体験できてほんとに楽しい1冊。
社会主義体制から経済が自由化されグローバル資本主義に飲み込まれていく課程で、人びとがどんな風に生き抜こうとするのか。そのあたりを興味深く読みました。「アフリカの底辺に暮らす人々」というと、ともすると同情的に思ってしまいがちだ -
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朝日新聞出版の「一冊の本」に連載されていた「無条件の条件」で著者の視点がユニークだったので、本書を紐解いてみたが、大いに楽しめた. タンザニアのインフォーマルな交易に携わる人たちの独特の生き方が紹介されているが、この国ではそのような人が6割以上存在している由.試しにやってみる行動形態、変わり身の早い態度 など先進国の経済状態からすると理解できないものだが、彼らは生きている.中国への買い付けも行っており、タンザニアにも中国からの商人が増えてきている.下からのグローバル化という表現が何度も出てくるが、新自由主義の新しい形態になるのかもしれない.コピー/ゲリラ商品を主体とする山賽の紹介もあったが、中
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世界の頭のいい人たちからコンパクトに要点教えてもらおう!という、ある意味とても今っぽい本。中公新書で出た企画が成功したので、後追いという印象もある。
後追いとはいえ、世界は変わっており、最新の状態を前提にスピーディに新書化してるので、つまらないということはない。
今回はコロナとウクライナを前提に話している。
複数の人が話し、それをまた複数の人が感想を言う二重構造で議論が深まっていて良い。
学ぶとは考える体験であり、時間がかかるためデジタル化やコスパとは相容れないないという言葉は印象的。
多元的に考えるという言葉一つでも、人によって表現が違い、印象も変わる。
読後は「もっと本を読もう、ネットは減 -
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『エマニュエル・トッド』
(2022年現在、今後の世界情勢について)私は歴史家が本職。でも歴史の話はまったく役立たず。なぜなら、私たちが経験しているのは、まったく新しい何かだから。
歴史と違う点
・20世紀初めは各国人口増加したが、今は中国も含め減少する見通し
・冷戦時は、ロシアとNATOが直接対決したことはないが、ウクライナ戦争は、核使用が現実味を帯びるロシア対NATOの本物の戦争
・プーチンは独裁者だと言うが、ヒトラーや、ムッソリーニ、スターリンと違いイデオロギーが無い折衷的で多様な独裁者
・各国国民は超個人主義になった。それはロシア国民も同じ。だから国家間の経済紛争や戦争が行っているのに -
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ネタバレ4名の著名な知識人へのインタビューと、それを踏まえた日本の知識人による論評という構成。日本の知識人の方々は、確り自身の意見を述べていて好感が持てた。
また4名のインタビューの中では、ミラノビッチ氏の話が面白かった。
曰く、エレファントカーブを見ると、程度の差こそあれ、あらゆる人々がグローバリゼーションを通じて所得が増加していることがわかる。また、グローバリゼーションに反発するのは、相対的に恩恵の少ない先進国の中産階級だけで、国内政策での対応が可能である。
そう考えると、保護貿易的な政策で中産階級を保護するより、再配分や成長産業への労働力移動を通じた、グローバリゼーションに抗わない政策の方