麻生幾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
福島第一原発に関する本かなと思って購入したけど、1996年単行本化、文庫本は2001年発行だった。
1994年から2001年に起きた”大事件”に際して、政府官邸への情報の齟齬、未達、遅れを取り上げて、危機管理体制さらに”被害管理体制”への”提言”へと話を広げた本。
2011年3月の東北での地震でも官邸のテイタラクは取りざたされたが、一方で行政機関の問題点は話題に上らない。
本書では、書名から官邸の問題かと思ってしまうが、実際の情報を握る「お役所」の問題を取り上げていて、言い古された縦割り行政や縄張り意識が、いかに緊急事態に対応出来なかったかを書き連ねる。
出版後10年経っての大災害において、ど -
Posted by ブクログ
ネタバレ国際テロ捜査を専門とし、一般的な捜査では取れない捜査方法でテロリストと戦う警視庁公安部外事第3課の物語。
この人の作品は「宣戦布告」以来で、同様にプロットは緻密でリアリティがあり、テーマ・題材はさすが。
ただ全く違うのは、全体の締まりが悪い。
登場人物の多さや急な場面転換も、途中までは伏線じゃないかと考えながら読んで行けるが、諸々の謎を解決することなく同じペースでそのまま最後まで行ってしまうので、そこがちょっと。
他の方も言ってるが、TV・映画ありきなのだろう(まだ観ていない)。
それでも、国際テログループを担当する実在の組織である外事第3課を題材にするのは非常に興味深く、流石だと思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東日本大震災の発生後、福島第一原発の冷却に挑んだ自衛隊と消防、情報が錯綜する中で災害救援のための陸路を切り開いた国土交通省と地元民間の建設業者、被爆のリスクを覚悟しながら避難区域内の住民の避難誘導に携わった警察、救命医療に携わった医療関係者たち。これら様々な立場の方がいかに自らの職務に毅然と立ち向かったのかを伝えるノンフィクション。内部被爆を避けるためにヨウ素対応マスクとゴーグルを着用して原発の冷却に挑むも、より的確な放水のために放射性物質が浮遊している中でマスクとゴーグルを外して作業にあたった消防隊員。部下の自衛隊員の不安を払拭するために被爆のリスクを覚悟しながら最前線で指揮し続けた自衛隊の