麻生幾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自衛隊の関連する小説を読んでいると、いつもぶち当たる問題を考えさせられます。
夏見正隆のスクランブルシリーズ。黒崎視音の交戦規則など。
その問題点というのは、有事の際に自衛隊が戦えないということ。戦うためのルール「R.O.E(交戦規則)」がないということ。
よく「自衛隊は自分が攻撃を受けるまで反撃できない」と言われていますが、現代戦において敵から攻撃を受けるということは死を意味します。それだけ現代兵器の精度や威力は高く、反撃をする前に自衛隊が全滅あるいは甚大な被害を被っていることが考えられます。
そういったことがこの類の小説にはよく書かれているのですが、それだけ自衛隊という組織が難しい問題の上 -
Posted by ブクログ
金正日の退去事件、JOC放射線事故、オウム真理教、阪神淡路大震災などの大事件を遡り、極秘の政治情報を駆使しながら、危機管理体制の舞台裏を生々しく再現、国家の情報機能の弱体ぶりを告発した傑作ドキュメント。
本書を読んでいて、とても衝撃を受けました。あの事件の裏にはこんな事があったのかと。
特に、JOCと阪神淡路大震災については、現在、日本が直面している問題と同類であり、これをみると、本当に想定外なのかと疑問に思ってしまう。
本書は「出来る限り非公開情報に絞ってインタビューを重ねたため、名前を伏せなくてはいけなかった」とある。取材源の秘匿は当然ではあるが、参考文献が記載されていないのが -
Posted by ブクログ
ネタバレ国内の重大事件に関して対応経緯を描くノンフィクション。
事件の情報がどのように伝わり、いかに遮られていたのか。
危機管理より欧米では重視され「被害管理」が機能している。
危機管理が未然に事故や災害を防ぐ一方で被害管理は事件事故、災害が起きた後にいかに人命を救出するかに基本的概念を置いている。
いかに日本が情報系統が未発達であったことが挙げられた例によって示され、内閣の対応への甘さや幼稚さに表されていた。だが、予想をはるか越えていく事件に誰もが目を覆いたくなるのはしょうがないことだと思う。だからこそ、平時おいてこそ準備を整えておく必要がある。
前に日本がスパイ天国って聞いたことがあるけど、 -
Posted by ブクログ
簡潔にいうと、某国の特殊部隊が日本に侵入するも、政治が決断できない間に民間人含め数十人の犠牲が出てしまうという話。
もちろんフィクションだが、一歩間違えたらノンフィクションになると思う。
てか、憲法9条の戦争放棄は集団的自衛権を否定しているのであって、一方的に攻めれらた場合に応戦する権利(個別的自衛権)は有しているはず。にもかかわらず、一つの行動を起こすのに時間がかかる日本はおかしいね。本作が書かれた10数年前に比べ、有事法制が整ったとは言え、いざというとき、日本国民の生命が本当に守られるかは心配になりました。特に現政権は。。。おっと、これ以上はやめとます。