小手鞠るいのレビュー一覧
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るいさんらしいタイトル。
ストーリーもるいさんの作品だと知らなくても
読めばわかる、とても”らしい”作品。
イラストを描く木葉と童話を書くアラシ。
偶然の出会いが二度あればそれは運命、
なんてことを聞いたことがあるけれどふたりはまさに運命。
木葉の大きくあたたかな心、強さ。
アラシの弱さを太陽にあててふっくらした毛布で包むかのよう。
あいだにはさまれる童話、
アラシ作「泥棒猫と遊牧民」がとてもよかった。
続きは?続きは?と気になってしまう。
そして泥棒猫が遊牧民から盗んだものは何なのか。
遊牧民のようなおおらかで外へ向けて解放しているような
自然体な姿勢に憧れる。 -
Posted by ブクログ
アメリカ国籍の男性を好きになった話(短編集)。女性はすべて日本人。
文化の違いや言語の違いによる伝わりにくいニュアンスから起こること、
芽生えることがうまく描かれている。
分かり合えない文化の違いは平行線で、そうなると心も通い合うことが難しくなるのだろうと思う。
同じ国で生まれ育っても、生活のなかで”当たり前”とすることが違う。
いくつもそんなことが起きて性格の不一致という理由で別れるカップルも少なくない。そう思うと国境を越えての結婚は、続いていくことが奇蹟に近いとさえ思えてくる。
けれど原点に戻って考えると、人と人との気持ちの行き交いで、
知らないうちに生まれる気持ちに国の違いなんて関係ないだろう。
相手を尊重し、自分本位にならず、お互いで育みながらの時間は
自然にふたりの間にあるものをゆるぎないものにしていくのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
うーん。ちょっと唸ってみたくなる恋愛小説でした~。
主人公のかもめが学生時代につきあってた「男らしい人」との関係と、かもめが結婚してから「優しい人」との不倫関係を描いた2つの大きな柱から成ってる小説です。
私はこういう恋愛はしたことがないのでちょっと現実離れした感じはしたんだけど、
1人の人をずーっと独り占めにしてずーっといたい。
って言う気持ちはちょっと理解できました~。
「男らしい人」との関係は、かなりSMの関係なんだけど、なぜそこまでしてそこまでされても「男らしい人」を愛してしまうのか、私には理解できなかった。ま、それがかもめのM的な性格なんだろうけど。。。
結局、二つの愛、かもめの独占欲に二人の男が適わなかったので、自ら別れを切り出すかもめ。
きっとそうして、またかもめは同じようにして男の人を愛していくんだろうな~。って思う。
ちょっと最後が、イマイチわからなかったんだけど、ま、どうでもいいや。みたいに思っちゃって、深読み二度読みはしませんでした~。
かもめ、絶対に精神科の治療うけたほうがいいよ~。 -
Posted by ブクログ
男と女、そして一匹の猫の、悲しくも心温まるお話しです。
お見合いをして、互いに一目惚れ、心惹かれあい、すぐに結婚した二人。どちらにも離婚歴があり、とくに夫の方は、孤児として育った、不幸な生立ちをもつ日系アメリカ人です。いまは弁護士として、それなりに豊かな暮らしをしていますが、胸の中には誰にも埋められない空洞があります。また、妻は事情があって、子供を産むことができません。これまで生きてきて、けっして無傷ではいられなかった二人でした。
新婚早々アメリカで暮らし始めた二人は、猫を飼い始めます。ペットショップで手に入れたのではなく、捨て猫を保護する施設から貰い受けてきた仔猫でした。運よく新しい飼い主が決まった猫は良いですが、そうでない猫は、一定期間保護された後処分されてしまいます。物語の中では、常に男女の考え方の違い、アメリカ人と日本人の考え方の違いが対比されます。互いに愛し合い、支えあいながら生きる二人にとって、猫は掛け替えのない存在でした。けれど、二人は言葉にはしないまでも、仔猫を飼い始めた当初から、いつかこの愛しい存在と別れなければならない日が必ずやって来ることを、常に心のどこかで意識していました。このあたりのことは、ペットを飼ったことのある人には、よ~く理解できることだと思います。
これは単なるペットロスのお話ではありません。幸せは分かちあえばさらに大きなものになりますが、悲しみはそうではありません。悲しみは分かちあい、理解しあえるものではないのです。それは、それぞれが抱え込み、背負わなければならない個人の問題だからです。愛とは何か?結婚とは何か?理解とは?ペットと暮らすとはどういうことか?ということを、深~く考えさせられる一冊でした。