小隅黎のレビュー一覧
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斎藤環の『母は娘の人生を支配する』の冒頭を拾い読みしたら、娘が父と和解する感動的なお話「鏡の法則」に言及し、これに感動した人はもはやケータイ小説の単純さを笑えない、と述べられていた。私は思わず「鏡の法則」の代わりに『レンズマン』を入れて了解してしまった。『レンズマン』に感動してたらもはやケータイ小説の単純さを笑えない。
確か中学生時分に夢中になって読んだものである。こんな面白いものがあるかというくらい面白かった。それが新訳で読んでみると、登場人物の薄っぺらいこと。いや、平行してジーン・ウルフなんかを読んでいたのも悪い。かたや、ある人物が「もっとも複雑な人間」であるのは「単純になろうと努力している複雑な人だったから」などという小説である。だいたい、1950年代の黄金時代のSFと1980年代のSFを比べてはいけないのであるが。
『銀河パトロール隊』はスケール壮大で話はどんどん進み、最強の相手を一気にたたきのめしてしまう痛快なストーリーである。そうするとさらに最強の敵が登場し、主人公もレベルを上げていくというのがレンズマン・シリーズなのだが、少年ジャンプのマンガの元型はここにあったのか。
キニスンほか正義の味方たちは「複雑になろうとも思わない単純な人たち」であり、敵ボスコーンの首領がもしかすると「複雑になろうと努力している単純な人」なのかも知れない。そうすると敵方の方が魅力的になってくるのがヒーローものの常だなあと思い、単純になろうと努力しながら、次、『グレー・レンズマン』を読むのである。 -
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SF界の大御所、アーサー・C.・クラークにより1993年に発表されたディザスター・ハードSF小説。
西暦2109年、アマチュア天文学者によって発見された小惑星は8カ月後に地球に衝突することが判明、インド神話の死と破壊をもたらす女神である「カーリー」と名づけられる。地球連邦は生存をかけてカーリーにマスドライバー(推進装置)「アトラス(ギリシャ神話の「歯向かう者」を意味する)システム」を備え付け、地球軌道から逸らせるために ロバート・シン艦長の航宙艇「ゴライアス」に「アトラスシステム」を搭載、カーリーへ向かわせる。しかし、地球において、カーリーの衝突は「神が与えたもうた試練」とする宗教団体「クリスラム教」の妨害工作によるアクシデントに遭い、地球衝突回避計画は狂い始める・・・。
ストーリーは地球から見た惑星衝突のパニックを描くものかと思いきや、そこはクラーク先生。宇宙からの視点で、月や火星に移住した人々と《2109年》という時代を生きる人類の姿を丹念に描いており、サスペンスは妨害によって事態が急変した「ゴライアス」のシン艦長やクルー達を中心にストーリーがクライマックスに展開する。1998年のスティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、ミミ・レダー監督によるアメリカ映画『ディープ・インパクト』のイメージソースとなった。 -
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西暦2109年、アマチュア天文学者により発見された天体は、観測の結果、わずか8カ月後に地球に衝突することが判明する。
宇宙船ゴライアスの艦長ロバート・シンは天体の軌道を逸らすため、迫りくる死と破壊の女神-その天体の名はカーリーのもとへ向かうが…
最近では、惑星ニビルが何かと話題にあがってたり、過去にもツングースカ大爆発やスイフト・タットル彗星など、小惑星の衝突は決して絵空事ではない。事実、地球に衝突する恐れのあるスペースデブリを観測する機構は実在する。その名称は「スペースガード」、当著でも登場し「宇宙のランデヴー」で初出した同名の計画に因んでいるのだ。
隕石衝突というモチーフは、その窮地に立たされた時に人間はどうするのか、その行動と心理に迫り人間の本質を探る作品になりやすいと思う。
もちろん当著でもその傾向は多少なりとも感じられたが、このモチーフを取り扱う他の作品-例えば「アルマゲドン」や「ディープインパクト」、「終末のフール」に比べると圧倒的にドラマ性がない。人間を描こうという気概はさらさら感じられなかった。
そう、これまでの著者の作品を読んできて感じることに、氏が描くのは人間ではなく、ただ宇宙の茫漠さであるということ。
当著では、徹底した第三者視点-まさに神の視点が貫かれている。ただ淡々と物語が進行していく様に、まるで他人事のような印象を受けた。
そしてその描き方でやはり感じられてしまうのは、人間が宇宙の茫漠さに対しては、甚だ無力だということだ。 -
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原題 The Immortality Option
ハードSFの大傑作。
『造物主の掟』の続編です。
だいぶ前に買ったままどっかいってたんだけど、先日、出張の折に実家で発掘!
前作はホントに面白かった。
アシモフのファウンデーションシリーズ
ブリンの知性化シリーズ
とならんで、私の中のベストオブハードSF!!
どんな話かっちゅーと
2020年ごろ、人類は土星の衛星タイタンで、独自の文化を築く機会生命(タロイド)と出会うの。
彼らは、一部の王族と教会に支配された地球のルネッサンス以前のような状態で、
自分たちは機械でない偉大な存在(ライフメイカー)に創られたという信仰をもっているわけ。
知的水準は大したことないんだけど、もともと機械なもんだから、そっちのレベルはやたら高い。
そこに目をつけた地球の悪い連中が、タロイドの支配階級と結託して、
植民地にして、バンバンいろいろつくらせよーとおもうのね。
そこで、活躍するのが、何故か探査船にのってるインチキ霊媒師のザンベンドルフ。
この人、インチキ霊媒師のくせにみょーに正義感の強い、彼と彼の仲間は、タロイドの民衆のために、
きゃつらの野望をくだこーと、得意のインチキを駆使して真っ向から立ち向かう…ちゅう話。
そんな、前作から12年後にかかれたのが今作。
ついにタロイド達をつくった存在(ライフメイカー!)が登場…
さらに、まだまだ悪巧みはすててなかった悪い連中…
そして、またしても、タロイドたちのために立ち上がるザンベンドルフチーム。
ってな話です。
残念ながら前作の興奮はよみがえってきませんだしたが。
なかなかよく出来てましたよー
やっぱ、主人公のキャラがいいなぁ~