小隅黎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SFマガジン700収録の一遍がいいな、と思ったので。
まずは短編集から。
数々の賞を取られた作家さんなのに、ちゃんと読むのは初。
SFマガジン700収録の『ホール・マン』はこちらにも収録。
結果、この一冊の中で一番好きなのは『ホール・マン』だった。
静かで、クールで、ちゃんとSF。
ファンタジーじゃなく。
というのが素敵。
全体として3種類くらいにタイプ分けできるかなーと思う。
まずは、ああ、これがSFってものだな、というタイプ。
異星人とか宇宙とか。
軽く読めるしこれを(私が好きな)ハードSFと呼んでいいものかは悩むけど、ちゃんとしている。
ちゃんとしているというのは、ファンタジーじゃ -
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Posted by ブクログ
ホーガンの割りと短めの中篇。ホーガンの小説は2冊目くらいかな。まだ代表作のアレも読んでない。
ニューヨークで起こった謎の時計のズレ現象。何故か最先端のデジタル時計は遅れるのに、手巻きの懐中時計はずれない。また、遅れる地域もあれば、教会などでは遅れない。時間を盗んでいる何者かをなぜか追う羽目になった警察のコペルスキーは…。
前半はぼんやりと時間が遅れていることを表現しつつ、わけのわからない状態を受け入れる主人公たち。古典哲学などで理解をしようとするものの、結論には至らず。そして後半では畳み掛けるように明らかになっていくメカニズムとそこから考える解決策。
敷いた伏線は必ず回収し、ぼんやりとし -
Posted by ブクログ
スペースオペラ史上燦然と輝く古典、レンズマンシリーズの第1巻。その中で、シリーズでは中心的なヒーロー、キムボール・キニスンが候補生を卒業し、晴れてレンズマンとなった瞬間から、グレー・レンズマンにんるまでの部分を描く。
アメリカのスペオペ黄金期に登場した作品で、すなわち大変古いものになるのだが、今でも古さを感じさせない。そして、ドク・スミスの本領はその壮大さにある。
別シリーズのスカイラーク・シリーズにも登場するが、惑星サイズの宇宙船など、ざら。時間的にも、超古代から未来にまで及ぶ。それを背景に、レンズマンと呼ばれる一種のスーパー・ポリス(というか、日本にはないが軍警察)が活躍する物語だ。
シリ -
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Posted by ブクログ
ある日、ニューヨークの時間がおかしくなり始めた。
全世界でもニューヨークだけ。しかも街の場所によって遅れ方が違う。
しかし太陽は普通に昇り、普通に沈む。世界には何の変化もないため、まさしく「時間がなくなっていく」のである。
ニューヨーク市の刑事であるジョー・コペクスキーは上司から、「エイリアンが我々の時間を盗んでいるのだ。つまりこれは窃盗事件である。犯人逮捕に全力をあげろ」と命令される。
コペクスキーとその部下のディーナが聞き込みに行く宗教家や科学者のとんちんかんぶりをユーモラスに皮肉って描いてある。
そんな中、ニューヨークにあって時間が狂っていないある教会の神父と、コペクスキーは事件解決に