ミチオ・カクのレビュー一覧
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人類が地球を飛び出し、宇宙への進出について、月、火星などの地球近傍の天体、木星などの太陽系辺縁惑星、近隣恒星系、銀河系と次第にスケールを拡大し、それぞれのステップで必要となる技術的な要素を現在の科学技術から外挿して俯瞰する1冊。
宇宙への移動手段としてのロケット技術だけではなく、恒常的な入植に必要となる進出先での資源確保、生活拠点の建設、さらには月、火星などのテラフォーミング(地球環境への改変)などに必要とされる技術要素が述べられています。地球か羅全ての物資を届けるのは非常にコストがかかるため、いかに現地調達するかがキーになります。現地で自分自身を複製できる”自己複製化”できるロボットという -
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ネタバレSF好きな人には最高の一冊で、とにかく楽しかった!
・マルチバース
・宇宙は10または11次元
・ワームホール
・ホログラフィック宇宙
・ランドスケープ問題
・人間原理
などなど。SF小説でよく出てくる要素がてんこもり。物理学者たちがどのような理論/方程式から上記を現時点では否定できないあり得る現実として導き出したのかが分かる。
前々からミチオ・カクの名前は知っていたけど、私にとっては初めての一冊。一般人向けに物理学の不思議さを面白く解説してくれている点にとにかく感動した。ぜひ他の本も読みたくなった。
今回の内容を大雑把にまとめると・・
【前半】古典力学と量子力学の歴史を丁寧なのに数式を -
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重力と量子論を統一できる可能性のある超ひも理論の、意味や価値、批判や理念、そして哲学との関わりまで、わかりやすく丁寧に、誤魔化されている感じを与えられず、誠実に書かれている。
本当のところを、数式を追って学ぶには、きっと膨大な時間がかかるだろう内容を、この短さにまとめて伝えることのできる筆者の優秀さに驚かされる。
下手な小説より、ずっと刺激的で感動的。
「生の意味は、苦労して理解すべきものだ。ただ与えてもらうのでは、意味をつかむ趣旨そのものにそぐわない。生の意味が難なく手に入るとしたら、本来の意味が失われてしまうだろう。意味をもつものはどれも、苦労と犠牲の結果得られるものであり、勝ち取るに値 -
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SFに登場するような話を、物理学の観点から考察して、その実現の可能性を解説する本。
有史以来、宇宙を含む自然界の現象をさまざまな研究者が研究して、その中にある理論を見出し、証明して体系化してきたことを背景に置きながら、SFに登場する装置や現象が実際に実現されるには何が課題か、何が整うと実現に至れるか、などを解説してくれています。
まだまだこれからも続く科学の進歩が、SFの世界にあらわれるものを現実にする可能性はこれからもありそうだな、と感じさせる、フィクションとノンフィクションの間のようなお話です。
1000年後、1万年後、1億年後にこの本を読む人がもし居たら、その時点で何を感じるんだろ -
Posted by ブクログ
一見、タイトルは怪しげだけど、超ひも理論の研究者による最新の理論と天体観測結果等を突き合わせつつ、多角的に論じられるパラレルワールド論。これを読むと、「パラレルワールドはあるかもしれない」から「それを考えないと世界は説明できない」に変る。
世界の見方は相当に変化する。だが、その変化の果てにある「人生観」は、「人生には目的があると思う。その目的は結局のところわれわれが人生に与えた目的であって、なんらかの宇宙の設計から導かれた目的ではないだろう」というアラン・グースの言葉にあるとおり、特に驚くものではない。
人間の知識は加速度的に増加するけど、その「知恵」は、ブッダや老子、あるいはギリシャ