【感想・ネタバレ】2100年の科学ライフのレビュー

あらすじ

2100年までに科学は私たちの生活をどう変えるのか?
コンピュータ、人工知能、医療、ナノテクノロジー、エネルギー、宇宙旅行…。現在の科学技術が、近未来(現在~2030年)、世紀の半ば(2030年~2070年)、遠い未来(2070年~2100年)の段階でどのように発展し、人々の日常生活はいかなる形になるのか。物理学者ミチオ・カクが私たちの「未来」を描き出す。

[目次]
はじめに──来る一〇〇年を予言する
1 コンピュータの未来──心が物を支配する
2 人工知能の未来──機械の進歩
3 医療の未来──完璧以上
4 ナノテクノロジー──無から万物?
5 エネルギーの未来──恒星からのエネルギー
6 宇宙旅行の未来──星々へ向かって
7 富の未来──勝者と敗者
8 人類の未来──惑星文明
9 二一〇〇年のある日
謝辞
訳者あとがき
巻末 原注

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

2012年に発刊された本ですが、非常に面白かった。
当時あったテクノロジーの発展が、かなり広い目で見たpossibleな内容で描かれており興味を引きました。
一方で人類の超人化による更なる長寿命など、一歩間違えたら全く味気のない人生(科学に生かされている)に陥る側面を持っており恐怖を感じた。
人間が思いつくことは実現可能であると説得された感もあり、非連続な未来を思い描くのに役立つと思った。
#読書履歴

0
2021年03月24日

Posted by ブクログ

今後100年間で実現可能性のある科学技術をまとめた本。

日本の本と比べて、とにかく内容が濃い。科学の素人でも、何度読んでも楽しめる。素晴らしい内容。

0
2019年11月23日

Posted by ブクログ

この本は本当に素敵過ぎる!
 ・近未来、世紀の半ば、遠い未来に分かれている
 ・分野が広い
 ・”2100年のある日”の章がリアル

また読み返す!

0
2019年09月12日

Posted by ブクログ

一流の物理学者さんが、コンピュータ、バイオ、ナノ、エネルギーなど各分野の専門家に突撃インタビュー。今後100年間に実現できそうなテクノロジーについて、3段階の実現レベルでまとめた素晴らし本。

たぶん、現状実験室で実現できているのは今後30年、こうしたらいいんじゃね?ていう案状態なのは50年後、夢物語なのは100年後なのかなあ、と勝手に理解しました(-_-)

内容のグレイトさはぜひ読んで!てとこやけど、文明論も考察してるのが興味深かった。テクノロジーの発展に伴い、今後国の垣根がなくなって惑星文明に移行するやろうけど、うっかり道を踏み外して破滅の道に落っこちる危険性もあるよ、と。特にこれからの100年は、正しく科学を理解することが重要なので、教育はものすごく大事!

てことで、100年後のお話から、今の私らの足元にブーメランで戻ってくる構成が、ほんと秀逸やなあ、と思いました。

0
2014年03月16日

Posted by ブクログ

以前、本書の著者、物理学者ミチオ・カクが司会を務めた未来の科学技術を予想する科学番組シリーズをNHK-BSで放送していて、とても面白く見た
のがあるのだが、本書はいわば、その発展版。取材を元に、2100年までにどのように科学とテクノロジーが進化していくのかを具体的に予測した
一冊。

著者が描き出す未来は希望に満ちているといっていいものだが、完全に薔薇色ではなく、そこにまた制約があることも描き出している。

科学とテクノロジーがいくら発展しようとも、我々が原始から持つ「穴居人の原理」が邪魔する。たとえば、我々はバーチャルなものより
実物に重きを置く。オフィスがIT化すればペーパレスが実現するといわれながら、結局、さらにプリント枚数が増えているという現実がそれを
物語っている。

コンピュータの処理能力が進化していく一方で、ソフトウェアがそれに追い付かないだろうというという指摘には深く頷けた。
著者がいうように、ソフトウェアは、人間がノートと鉛筆を持ちながら1行ずつ書いていくしかないからだ。コードを書く人であれば、
同意してもらえるだろう。

未来における「富」とはなにかという著者の主張も非常に示唆に富んでいる。将来の進路やビジネスを考える一助になるだろう。

著者が本書を書いた理由に、アメリカの若者の科学離れがあるそうだ。全米の大学で物理を教える教授のうち、約半数は移民とのこと。
しかし、日本も決して他人事と傍観できる状況ではないことは周知の事実だ。原書は2009年発刊のため、福島原発事故は本書に含まれていないが、
ポスト311にある今の日本人が読む価値のある本といっていいと思う。

0
2013年06月02日

Posted by ブクログ

最近読んだ本の中では最高の内容
世界を変えることができるのは科学とテクノロジーであり
その視点から未来予想することは極めて正しい行為だと思う
巷の未来予測本のつまらなさと憂鬱さと胡散臭さに比べて
圧倒的に面白いし未来に希望が持てる

0
2013年02月24日

Posted by ブクログ

2100年が、どんな世界か興味がある方は読んでみてください。
初版から少し時間が経っているので、相違点や、通過点が見れて今だから面白い。 かも

0
2025年10月16日

Posted by ブクログ

昔なら格好良いロボットやAIに興味を持ったところが、年を取ると健康面やより良く生きるという方面に関心が強くなった自分にびっくり。

技術が進歩すればするほど、人間自身の強化、教育が重要という事なのだろうか。

0
2021年12月16日

Posted by ブクログ

・2012年に出版された2100年の未来予測。中長期で2030年、2070年、2100年までの間で我々の身近に起こり得るテクノロジー予測。
・本書のなかでは通勤がなくなる自宅でのリモートワークはまだ実現されていないとなっているが、
2021年現在ではコロナによりテレワークが普及。
・2030年までに普及されるものとして、インターネットに接続されたコンタクトレンズや自動運転、壁面スクリーンなど。
特にスマホなどの携帯用機器が全てコンタクトレンズに集約され、生活が拡張現実とともになる。
・外国人同士の言語の障壁は、万能翻訳機とインターネットコンタクトレンズやインターネット眼鏡によって次第になくなると予測。
・2100年までに実現が予測されることとして、心で物を支配するということ。
すでにその土台はできており、脳卒中で身体付随となった患者の脳にコンピューターをつなげ、思考だけでコンピュータを動かすことはできている。
・また近いうちに脳の活動を測定するだけで、人が目で見た物の写真を再現できるかもしれないとのこと。
また装置の電極は小型化し、人間は相手の思考を読んで、ただ考えるだけで対象に命令ができるようになる。
・夢までも録画できるとのことだが、人の思考はあいまいなため、録画できても画像の質はがっかりするものになる可能性がある。
また電極を脳につけて密接になる必要があるため、離れたところから人の心を読むのは難しい。倫理的観点からも許可なく人の意識に入ることは法律で制限されるかもしれない。
・MRIが硬貨くらいの小型化になり、誰もがいつでも自宅で自分の体内を検査することが可能。
・テクノロジー進歩の行き着く先は念力(テレキネシス)の獲得。
超伝導体というものを使えば、思考によってほとんど力が要らずに物を動かせる。
さまざま物体の中に小さな超伝導磁石を入れ電流を流すと、強力な磁場が生じて物が動かせる。
・資金さえ投じれば人間の脳のモデルをコンピュータでつくることも可能。ただし大量の電力と熱が必要になる。人間の脳はほとんど電力も熱も消費しないが、スーパーコンピュータをあっさり上回る。さらに人間の脳は銀河系の自然界がつくった最も複雑なもの。
・未来はフレンドリーな人工知能の制作と、人間自身がロボットとの融合強化が進んでいく。
・究極のシナリオは、人類はお荷物の体を完全に捨て去り、人格をコードしたソフトウェアプログラムとなる。全人格をコンピュータにダウンロードする。
・穴居人の原理という観念。
どんなにテクノロジーが進化しても、人間の脳は穴で暮らしていた頃と変わらない。
・遠い未来では、遺伝子の老化を遅らせることが可能になり、150歳まで生きられるかもしれない。
・カロリー制限は延命効果が保証されている唯一の手段。
・ナノセンサーによって発症する何年も前からガンを見つけ出す
・さらにバイオテクノロジーにより、無傷のDNAを採取して絶滅した生物や、死んだ人間を蘇らせることもできる可能性があるという。
・ただ病気に関しては、2100年になっても最先端技術で治せない病気は必ず存在する。ウィルスは常に変異してしまうからだ。
・ナノテクノロジーではナノ粒子を血中に入れて直接がん細胞をやっつける医療革命がおきる
・昔は紙や電気、水などが貴重なものであったが、紙はゴミへ進化し、電気や水は公共サービスとなる。これからはチップがゴミになる時代がくる。
・仕事もロボットに代替されるものは生き残れない。単純な仲介業者、銀行窓口、経理担当などは仕事がなくなる可能性がある。
・これからは役に立つ見識を持つ人が勝つ。
・この本で取り上げているテクノロジーの革命はすべて、惑星文明の創造に向かっている。
・文明をタイプⅠの惑星規模、タイプⅡの恒星規模、タイプⅢの銀河規模に分けると、現在の文明はタイプ0.7
タイプⅠに到達するのに100年かかる。

0
2021年06月27日

Posted by ブクログ

これから世界はどうなっていくのか。
科学の進歩の観点から科学者にインタビューしたものを
元に書かれた本。

未来の可能性がわかって非常にワクワクする本です。

0
2017年09月21日

Posted by ブクログ

あくまでいち科学者の未来像なので仕方ないが、ほとんどの2100年像は、現代の技術の発展、延長したもの。ゲームチェンジ、革新的イノベーションは想像されていない。しかしそれでもいい。たとえば「不老不死が実現」などというと荒唐無稽だが、再生医療がホームメディカル化する、であれば、なんとなくありそうな気がする。DNAセンサーや磁気自動車などは、むしろあればわくわくする。宇宙旅行の未来を考察していてひとつ鳥肌がたったこと。人間が地球外惑星に住めないのは、空気とか重力の問題以前に、時速6500kmのスピードで飛んでくる宇宙物質から身を守る手だてがないため。ならば地下なら住めるのか?まてよ?地下?地下といえば、機動戦士ガンダムでジオン軍が作った月基地グラナダは地下だった。あれはまさしく先見の明?

0
2016年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アインシュタイン
「科学は、物事が何であるかは決められるが、どうあるべきかは決められない。だから、科学の領域を超えた価値判断が依然として不可欠なのだ。」

科学が問題を解決しても、それはまた高いレベルでまた別の問題を生み出すだけである。いわゆる諸刃の剣


一番深いいところ

ガンディー
暴力の根源
労働なき富
良心なき快楽
人格なき知識
道徳なき商売
人間性なき科学
犠牲なき崇拝
理念なき政治

0
2015年12月15日

Posted by ブクログ

コンピュータと人工知能の章を重点的に読んだ。

人工知能を使って何をするか?
といった問いは人工知能自身が見つけるのは難しい。意思決定に関わる仕事はこれからも残っていくと思った。そのために普段から自分の頭で考えることが大切。

0
2015年04月28日

Posted by ブクログ

300人以上にインタビューした最先端の研究に基づいているので、あくまで予測であるとはいえ、結構説得力がある。技術的な話が長く続くのは退屈でもあったが、7章以降の社会面への影響の考察が興味深かった。文明のランクを、惑星規模、恒星規模、銀河規模でタイプ分けしているのはぶったまげたが、その指標として、エネルギー量、情報量、エントロピーといった候補をあげているのは議論としておもしろかった。

スター・トレックや禁断の惑星などのSF系の映画がたくさん登場する。また、歴史や物理学を学ぶことの意義を改めた。さらには生物学も有用だろう。

今までムーアの法則が成り立っていた理由のひとつは、シリコンウエハーに照射する紫外線の波長をどんどん短くすることができたから。この小型化は、原子のサイズに近づくに従って、限界を迎えるため、2020年頃にムーアの法則は成り立たなくなる。

イスラム文明が凋落を始めたのは、イスラム学者が知識とは宗教の知識だけを意味すると解釈してイスラムの教えや解釈、イスラムの法や慣習の議論に時間を費やし、科学を研究しなくなったため。

19世紀初頭、蒸気エネルギーと産業革命が生んだ富の余剰によってロンドン証券取引所の機関車株がバブルをまねき、1850年の恐慌を引き起こした。実際の鉄道敷設の全盛期は、1880〜1890年代だった。20世紀初頭には自動車株のバブルが起きて、1929年の世界恐慌を引き起こした。アメリカやヨーロッパで電化や道路舗装が進んだのは、1950〜1960年代だった。情報革命の全盛は、これから訪れる。

人工知能は、パターン認識と常識という障害があるため、この2つの能力を必要とする仕事は未来も残る。仲介業者、窓口、経理担当などは仕事を追われるが、芸術・芸能、リーダーシップ、分析、科学などの創造的な資質を必要とする仕事は残るだろう。これまでの商品資本主義は、知能資本主義に取って代わる(レスター・サロー「資本主義の未来」)。

0
2018年10月31日

Posted by ブクログ

ミチオ・カク 氏自身が著名なサイエンティスト(リーマン予想で有名になった「超ひも理論」)だけあって、事実に基づいた未来予想が面白い。各分野の著名な専門家へのインタビュー・ディスカッションを基に100年を「近未来」「世紀の半ば」「遠い未来」と三区分に分けてまとめあげられている。

「100年後はどうなっているか?」の予想というより「今の技術だとここまでは出来そう」という線形に近い。だからこそワクワクさせられる。

各章、分野の興味はあるだろうが、個人的には「コンピュータの未来」「ナノテクノロジー――無から万物?」「人類の未来――惑星文明」あたりがおすすめ。

政治経済系の未来予想はネガティブ過ぎてゲンナリさせられるものが多いが、こちらはリアリスティックかつポジティブ。未来予測はこうあるべきだろう。

0
2014年02月27日

Posted by ブクログ

2100年までの未来の予測の本である。次の項目を近未来、世紀の半ば、遠い未来の3つに分けて説明している。予測しているのは理論物理学者である。予測の内容は多くの科学者のインタビューに基づいている為、単なる夢物語りではない。
1.コンピュータの未来
2.人工知能の未来
3.医療の未来
4.ナノテクノロジ
5.エネルギーの未来
6.宇宙旅行の未来
7.富の未来
450ページ以上あり、かなり多くの内容を網羅している。SF映画を引用して説明されている箇所も多く興味を持って読める。ターミネーター2に出てくる形を変えるロボットの実現方法もナノテクノロジーの部分で触れられている。気になるエネルギーは最終的に核融合と太陽、再生可能資源から供給される。
これらの予測に続いて、2100以降については人類の未来の文明をエネルギーの消費量でランク付けして説明している。それには以下の3つがある。

タイプ1.惑星規模の文明で、一つの惑星に降り注ぐ恒星のエネルギーを消費する。
タイプ2.恒星規模の文明で、一つの恒星の全エネルギーを消費する。
タイプ3.銀河系規模の文明で、数十億個の恒星のエネルギーを消費する。
タイプ3はスターウォーズの世界だ。

そして、最後は2100年のある日を描写している。SF映画のようにロボットに囲まれ、情報にはコンタクトレンズを通してアクセスしている。意外なのはその世界の多くの都市が水没していることである。登場人物は水害から都市を守る仕事をしているのだ。
地球温暖化については「5.エネルギーの未来」で解決方法が紹介されているが、技術的な問題ではなく、政治や経済の問題のようだ。筆者はこれを2100まで解決しないと考えているらしい。放射能汚染は技術的な問題でコントロール不能だが、温暖化は政治、経済的にコントロール不能なようだ。放射能汚染が数万年後に及ぼす影響を心配するより温暖化でそこまで人類がもつかを考えた方がよいかもしれない。

0
2014年07月10日

Posted by ブクログ

我ながらよく読破したかもー難しかった。けれど、それを上回るワクワクがあった。こんな未来が本当に来たらすごい。科学的には可能らしい。『科学は知識の組織化。知恵は生の組織化』。科学の進歩で人類は新たな問題を抱えることも忘れてはいけない。科学を使いこなす知恵を育てる大切さにも言及しており、興味深い。

0
2013年12月20日

Posted by ブクログ

難しい内容もありましたが、将来、科学によって、生活がどう変化するか、知ることができました。
その中で、地球温暖化への対策が今のところ見つかっていないようで、非常に不安になりました。また、SF映画の色々な場面も、近未来に可能になることがわかり、興味深かいものがありました。

0
2013年06月30日

Posted by ブクログ

ニューヨーク市立大学の理論物理学教授で、ひもの場の理論創始者の一人でもある著者による一冊。 高校時代から230万電子ボルトの量子化速度装置をガレージに作らせて欲しいとお母様に懇願、家のヒューズを全部ぶっ飛ばしながら達成してしまうギーク(失礼)ぶりを発揮。現在に至るw。

前半は究極の命題「機械は意識を持ちえるか」が展開される。アジモや産業機械(商業機械の稼動において日本は世界30%のシェアを誇る!)は残念ながらゴキブリ程度の知能しか持たないが、限界かのように見えるムーアの法則をローレンス・リヴァモア研究所で1,000平方mの敷地を占めて稼動するIBMのマシン”ブルー・ジーン”に適用した場合、どうだろう。

本書によれば、意識とは「環境を感知し、認識する」「自己認識する」「目標とプランを設定して未来に備える」の3つの機能を有することらしい。そんなスカイネットを髣髴させる展開のほか、食糧事情に対するアプローチ、細菌戦がもたらす緊張状態、プログラムできる原子組織”catom”の存在など、正直エアバックに搭載されているナノテクノロジーすら理解出来ていなかった自分には、まだ見ぬ世界が、ここまで自分の将来に登場してこようと、すでに扉を押しているとは夢にも思わなかった。

海外で博士号を取られた方と、Ph.Dって称号は何でなんだろうね、なんて話をしたことがあったが、本書を読んで納得。哲学なき科学はナイフでしかないからだろう。そんなリヴィン・オン・ジ・エッジ感がヒリヒリ得られる一冊。

0
2013年05月27日

Posted by ブクログ

iPHONE・アンドロイドスマホの爆発的な普及により、世界の企業地図が大きく変動しているいま、テクノロジーの未来をどう見ているのか、興味があり「2100年の未来」を見てみたくなった。著者も日本人のようだし、超紐理論の科学者みたいだし。
コンピューターはノートになり、スマホになり携帯可能になってきた。インターネットを常に閲覧できるようになった。今後はコンタクトレンズにすべての機能が入る。勿論音声対応で入力もハンズフリー。また超小型MRI帽子をかぶり、脳波で機械を操作できるようになる。ロボットはあらゆるところに導入され単純労働から人間は開放される。しかし、画像認識や常識判断は相変わらず苦手で人間を超えることはできない。遺伝子治療は医療を進歩させる。遺伝子操作で老化を止めたり、デザイナーチャイルドを創造したり、新しい生き物を創造することも可能になる。まるで神の領域に達したようだ。ナノテクは分子・原子レベルになり、量子コンピューターが完成する。
自己構築型のマイクロキューブCatomが何にでも形や機能を変えることができる。新商品を買わなくても、現在の機能から新しい機能へプログラムをダウンロードするだけで変形するスマートCatomだ。エネルギーや宇宙探査などは意外と常識的だ。社会体制の未来はハードの商品資本主義からソフトの知能資本主義へ大きく舵を切る。優秀なソフトウエア人材を育成した国が勝利を収める。今世紀に生きる我々は人類史上最もエキサイティングな時代に生きている。惑星文明Ⅰにたどり着けるか、その前に朽ち果てるか、大きな岐路にある。

以下は、メモ。
1.コンピューター
インターネットの普及・無線通信の高速化でユビキタス世界が実現した。この先、コンタクトレンズサイズの通信端末により、目の前の物を見るだけでインターネットの情報を取得することができる。MRIの小型化により帽子のようなものをかぶるだけで脳のどの部分が活動しているのかがリアルタイムで分かるようになり、思っただけで、外部の機械を動かすことができる。正にテレキネシスだ!スマホはテレパシー、ARはテレポーテーション。超能力が科学の力で現実のものになる。
ムーアの法則によりコンピューターは進化してきたが、今世紀半ばでムーアの法則の終焉が来る。トランジスタの小型化が原子サイズになるためだ。コンピューターは全てのものに埋め込まれ表から姿を消す。
2.人工知能
ロボットが人間より賢くなることは今世紀中はないだろう。人間との融合。
3.医療
ゲノム解読が10万円になり遺伝子に合ったゲノム治療が普通に行われる。幹細胞による臓器再生。老化の克服。遺伝子操作でデザイナーチャイルド、マイティーマウス遺伝子(筋肉2倍)など新しい体を作り上げる。
4.ナノテクノロジー
分子サイズの機械。量子コンピューター。ターミネーター2のような変形金属catom。何にでも変形できるレプリケーター。
5.エネルギー
最終的には核融合エネルギー。宇宙太陽光発電。
6.宇宙旅行
宇宙観光。宇宙エレベーター。火星基地。恒星間探査機(太陽帆・核融合ラムジェット・反物質ロケット)
7.富の未来
世界は商品資本主義から知能資本主義へ。人材の教育が必要。
8.人類の未来
惑星文明タイプⅠ:太陽から地球に降り注ぐ光=10の17乗ワットのエネルギー消費。現在の人類はタイプ0.7、もうすぐタイプⅠの瀬戸際。
惑星文明タイプⅡ:太陽の全エネルギー=10の27乗ワットを消費。『スタートレック」の惑星連邦のレベル
惑星文明タイプⅢ:銀河規模の数十億個の恒星エネルギー=10の37乗ワットを消費。「スター・ウオーズ」の帝国。

0
2013年05月27日

Posted by ブクログ

つい先日リリースされたばかりのGoogle Glassは、普段メガネの人にとってメガネとGlassを同時に装着できない困ったシロモノらしい(視力矯正機能が早く付けばいいのに)。この本の冒頭では、さらに進んだ"インターネット・コンタクトレンズ"も登場します。省電力だし、しかもディスポーザルでしょうし、TPOにより使い分け可能になると思われます。
最終章"2100年のある日"の描写でもコンタクトレンズは朝から活用されています。カーツワイルの本と同様、とても面白い語り口です。
それにしてもコーヒーはその時代になっても朝食の定番なんですね。

0
2013年05月26日

Posted by ブクログ

西暦2100年、科学は限りなく神に接近する。

考えられないほどのスピードで進歩を続ける人間社会だが、だからこそ最後に記されたマハトマ・ガンジーの名言が心に残る一冊である。

その名言とは・・・
  「7つの社会的罪 〈Seven Social Sins〉」

1.理念なき政治   〈Politics without Principles〉
2.労働なき富     〈Wealth without Work〉
3.良心なき快楽   〈Pleasure without Conscience〉
4.人格なき学識    〈Knowledge without Character〉  
5.道徳なき商売    〈Commerece without Morality〉
6.人間性なき科学  〈Science without Humanity〉
7.献身なき信仰    〈Worship without Sacrifice〉

幾ら科学が進歩しようが、このポイントを押さえておかないと、時代の移行に取り残されるのだろう!

そんなことを知らされた一冊である。

0
2013年05月01日

Posted by ブクログ

未来のことを分野に分けて説明されていてできるだけ分かりやすく読めるようになってました。
それでも読むのに集中力が必要で、結構時間がかかりました。
エネルギー関係のところは本当に考えさせられます。
ぜひ、読んでみてほしい一冊

0
2013年03月06日

Posted by ブクログ

コンピュータ、人工知能、医療、ナノテクノロジー、エネルギー、宇宙旅行、近未来「現在~2030年」世紀の半ば「2030年~2070年」遠い未来「2070年~2100年」の各段階で、現在のテクノロジーはどのように発展し、人々の日常生活はいかなる形になるのか。世界屈指の科学者300人以上の取材をもとに物理学者ミチオ・カクが私たちの「未来」を描きだす。

0
2019年08月23日

Posted by ブクログ

5年で結構変わるんだなあ。といっても今のあちこちで見る予測のベースが多分この本なんだろうと読んでいて思う。

0
2017年11月05日

Posted by ブクログ

自分達がどれだけエキサイティングで重要な時代に生きているか、思い出させてくれる。
現在の延長線上にある未来がこれだけ面白そうなら、ほぼ確実に現れる、想像もしないブレイクスルーによって、どんな飛躍がもたらされるか。
我々の世代の役目は、後の世代がそれが出来るように地球を持たせること、なのかもしれない。
結果、出てくる材料は意外とありきたりだが、面白く読ませる筆者の力量。
学生時代にこれを読んでいたら、書かれているどこかの業界に飛び込んでいっただろう。

0
2013年10月28日

Posted by ブクログ

2012年に出版されたこの本では、旧来の宇宙文明論に加えてインターネットやソーシャルメディアも加えて書き直したものである。

SFと言えば荒唐無稽と思っていたが、百年後の未来を常に考えて次の一歩を踏み出すためには、ありそうな未来、あるべき未来の姿は政治家と共に我々市民も考えるべきなのだろう。

近視眼的な療法ばかりでは滅びに向かうだけだ。

0
2013年08月17日

Posted by ブクログ

2100年の世界には実現されているであろう科学技術について、現在の研究内容を元に想定し、まとめた一冊。
夢のある内容です。

0
2013年05月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・科学は知識の組織化、知恵は生の組織化。―イマヌエル・カント

専門なだけあり、核融合技術についての付近が一番深く感じた。

0
2013年01月22日

Posted by ブクログ

今から100年後の科学技術はどこまで進歩しているか、という壮大な夢を語る書物。前書きでレオナルドダビンチは彼の死後400年を経て実現した空飛ぶ機械、即ち飛行機やヘリコプターを予言し設計図まで描いていた、1860年台の小説家ヴェルヌは百年後のガラス張りの摩天楼、エアコン、テレビ、インタネットのようなものまで通信技術の発展を予言していたとあり、いかにも本書にもそうした荒唐無稽なほどの未来技術が語られるのかなと期待したのだが。

残念ながら著者が2100年の科学として取り上げたものは人工知能、ロボット等既存技術の延長線にあるものばかりで、今から100年(正確には90年だが)もの時を経ているわりに技術的な飛躍が無く、驚きが欠ける題材選びになってしまっているのが本書のなんと言っても物足りなさだ。勿論、一つの技術のブレークスルーが大変な時間と努力を要するのは理解するのだが、今有る技術の延長だけでは夢も希望もないではないか。

個人的には100年というのはとてつもない長さの時間であり、今は技術の萌芽しか見えないものが一体全体どのようにして実用化され、更に発展して想像も付かないものになっていくのかを知りたい、と云うか夢想したいのだ。どうせ100年後など誰も知りはしないのだから、ウソでもいいから突拍子も無い技術の世界を語っても良いではないか。そういや昔読んだ同じ著者の本「サイエンス・インポッシブル」では透明人間になる方法とかワームホールを利用したタイムマシンの製造方法とか楽しいものがあったはずで、それの続編と思って期待していたのだがやや期待を裏切られた感じだ。

0
2012年10月23日

「社会・政治」ランキング