ミチオ・カクのレビュー一覧
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ミチオ・カク氏が描く世界はSFそのものだ。だがその世界がすぐそこまで来ていることを実感させられワクワクさせられる。最新テクノロジーや最先端研究はここまで実現できているのかと一々驚愕させられる。テレパシーやリバース・エンジニアリング、果てはワームホールまで、なんと夢のような世界だろう。そしてそれらの難解怪奇な技術を、ミチオ氏は極めて解りやすく躍動感溢れ且つ理論を疎かにすることなく語り尽くしている。
最先端科学やアイザック・アシモフに代表されるSF、レイ・カーツワイル氏の『The Singularity is near』が好きな方にはぜひおすすめしたい。少しでも長生きしてミチオ氏が示す未来をみて -
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本書を読むと、脳研究の現在と脳を取りまく技術進歩の大きな方向性がわかる。終盤では地球外知的生命体の話も出てきて、人類がこれから歩むであろう方向性がざっくりと理解できる。
脳には複数の人格が隠れていること、学習の本質はニューラルネットワークの組み直しであることなどを読むと、へーの連続。また、数世紀単位の話だと思われる今後の方向性の話もとても興味深い。脳をつなぐブレインネット、人類はゆくゆくは肉体を捨てて心だけの存在になる可能性、地球外知的生命体が人類をみるときにとる態度など、読み進めるにつれて知的興奮が増してくる。これらは筆者の独創だけでなく、多くの専門家の知見に基づいている。このあたりが、単な -
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正月に放送されて話題をよんだNHKのNEXT WORLDにも出演して未来を語った物理学者が「意識」に切り込んだ500ページを越える大著、脳科学のテクノロジーの発達の歴史から物理学者の観点からの意識の定義(ここがとても分かり易く納得感があったので後述)そして、BMI(Body Mass IndexじゃなくてBrain-machine Interface^^;)が思ったより進んでいるのに驚かされ、脳科学の臨床をしっかり押さえてから、人工知能や意識のダウンロードそして量子論などの意識の未来を語ります。脳科学系の著書にありがちな哲学や宗教からの引用が無く、SF小説や映画からの引用が多くとてもワクワクし
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ネタバレ一言でいうと、地に足がついてないが故にとても刺激的で興味深かった。現実味がなくフワフワした感じ。ただ、全ての記述は根拠があることなので、現実味がなくても、未来に起こりうることでもある。
ハードウェアという脳、機能としての意識。これらを、病気やロボットという観点から、未来はどうなっているかと突き詰めていく。
が、この未来は、来て欲しいかというと、来てほしくないかも。。。精神疾患や人の暴力性がなくなることは大歓迎だけど、不老不死も既存の身体を捨てることも、意識を外部から覗かれることも、御免こうむりたい。やはり、幸せというのは、食べて寝て時々恋をする位がちょうどいいのでは。 -
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脳研究最前線の情報が満載であり驚かされることばかりであった。
最先端技術との組み合わせにより、脳の機能が拡張され始めている。究極的には、肉体は滅びても記憶や意識が生き続ける世の中になるかもしれない。
20世紀が量子論の幕開けだったとしたら、後世の人たちはiPS細胞と合わせて21世紀を不老不死の幕開けと呼ぶのではないだろうか。
デジタルコンピュータの進化とは違う別次元の楽しみを見つけた気分だ。
脳同士が地球規模で直接コミュニケーションを行うブレインネットでは、言語処理系はどうなるのだろう?
考えを言語に一旦変換する必要がなくなるので効率がよくなるのか、それとも左脳で思考すると言われているので、 -
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「透明な電磁バリヤ」を張って防御するってのは分かるけど、「透明人間」が実現可能レベル 1、すなわち難易度が最も低い事象だという。この本に挙げられている幾多の事象の中での話だけど。さらに「テレポーテーション」までもがレベル1。肉体の原子を分解してファクシミリよろしく転送し、復元すればいいらしい。もっとも、魂まで復元できるかは疑問だ。「タイムトラベル」はレベル2ながら、地球時間と宇宙時間との時間の長さの違いから未来には行けるが、過去に行くのは難しいようだ。いやはや「量子論」「反物質」「ひも理論」などなどがある程度分かってないと、およそ9割はチンプンカンプンながら面白い。1世紀前、いや俺が生まれた半
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ネタバレ一流の物理学者がSFの実現可能性を考察する、格調高い空想科学読本みたいな内容やった(-_-)
タイムスリップ、ワープなどなど、ほとんどの技術が理論的に矛盾がないので、いつかは実現可能という驚きの内容。数千年後、ってやつもあるけど w
不可能と考えられるのは「永久機関」「予知能力」の2つ。予知能力のなにがマズいかというと、これを認めると因果律(原因→結果)が崩壊して物理法則の全てが成り立たなくなるらしい。ただ、現時点では不可能なだけで、将来は分からないよ~?という夢のあるミチオ・カクさん。
SFに憧れて物理学者を目指し、大人になって科学の限界を知り、今は不可能を可能にするため最前線で活躍し -
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一流の物理学者さんが、コンピュータ、バイオ、ナノ、エネルギーなど各分野の専門家に突撃インタビュー。今後100年間に実現できそうなテクノロジーについて、3段階の実現レベルでまとめた素晴らし本。
たぶん、現状実験室で実現できているのは今後30年、こうしたらいいんじゃね?ていう案状態なのは50年後、夢物語なのは100年後なのかなあ、と勝手に理解しました(-_-)
内容のグレイトさはぜひ読んで!てとこやけど、文明論も考察してるのが興味深かった。テクノロジーの発展に伴い、今後国の垣根がなくなって惑星文明に移行するやろうけど、うっかり道を踏み外して破滅の道に落っこちる危険性もあるよ、と。特にこれからの -
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以前、本書の著者、物理学者ミチオ・カクが司会を務めた未来の科学技術を予想する科学番組シリーズをNHK-BSで放送していて、とても面白く見た
のがあるのだが、本書はいわば、その発展版。取材を元に、2100年までにどのように科学とテクノロジーが進化していくのかを具体的に予測した
一冊。
著者が描き出す未来は希望に満ちているといっていいものだが、完全に薔薇色ではなく、そこにまた制約があることも描き出している。
科学とテクノロジーがいくら発展しようとも、我々が原始から持つ「穴居人の原理」が邪魔する。たとえば、我々はバーチャルなものより
実物に重きを置く。オフィスがIT化すればペーパレスが実現すると