楠本まきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
マザーグースっぽい。
冒頭でマザーグースは出てくるんだけど
その歌じゃなくてこまどりの歌。
誰かが死んで
誰かが何かして
誰かが何かして
誰かが殺した みたいな。
住人がそれぞれにKの遺体の隠匿に関わっていて
その発端はミカヤなんだけど
ミカヤが犯人なのか、理由だったりの説明はない。
表題になってるけどKは遺体としてしか出てこない。
Gの昇天を読んだら自殺かなと思っちゃうんだよね。
Kの遺体と飛び降りたミカヤが落ちる絵が
髪が下向いて、顔が見える状態なんだけど
実際は違うと思う。
吊るされた男みたいな象徴として描いてるのかな。
飛び降り見たことないから正しいのかもしれないけど。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前衛文学が好きな方にオススメです。あるいはゴダールの映画が好きな方。
三部の作品が収録されているのですが、閉鎖感、無機質、日常のやるせなさ、惰性、そんなものがどことなく非日常的な生活感なく描かれる登場人物(殺人を夢見る空箱のような部屋に住む少年や、同じ名の同じ顔の双子など・・・)
たちから伝わってきます。しかし、その先に行こうとする前向きな意思のようなものも感じられる。比喩的に言えば(特に後の二編は)何らかの(TVに象徴されるような)「ハコ」に閉じ込められた人々(人生飲む意味性という箱、他者と自分の境界の曖昧さという箱…)の脱出までを独特の乾いた視点で描いているという感じです。最後になりま -
Posted by ブクログ
とにかく耽美で怪しくて不思議な話。
あるアパートで、住人「K」の葬儀が行われている日、空き部屋になったKの部屋に主人公が引っ越してきます。主人公はアパートの住人から、確かに死んでいるはずのKの遺体が見つからないという話を聞き、興味を抱いて調査を始めうんぬんかんぬんという内容。
なぜKは死んだのか、死体はどこに消えたのか、色々な謎が少しずつ明らかになっていき読んでいるうちに物語の中にどっぷりと引き込まれます。
伏線がいたるところにちりばめられていて、読み返してはじめて「なるほど!」と思うところもあり、練りに練られたプロットに感激しました。モルクワァラ回収人と肉屋が好き!
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Posted by ブクログ
再読(今回、『裏』はスキップしたので、下巻に感想を登録)
発売当時のときと同じ印象で、やっぱり線に大分安らぎが出てきてるように感じる。
個人的には神経質なまでの張り詰めた昔の楠本さんの線が大好きだったが、今、大分力が抜けて作者さん本人、幸せそうだなあ(多分)と感じたので、これはこれで良かったなと。
内容は『kissxxxx』を少し継承した感のある”何もない日常”。
その中でも、作者の伝えたいこと、社会的メッセージは潜ませているので、まんま平和な『kissxxx』の世界(作風)とはやっぱりちょっと違う。
ここで既に『裏』の楠本まきさんの方向性が垣間見えていたんだなあと振り返って思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ+α
「赤白つるばみ」のその後(十年くらい?)。
SNSで作中の、
え だって
ジェンダーバイアスに
「よいジェンダーバイアス」とか
「許容範囲のジェンダーバイアス」
なんてないんですから
なくなった方がいいですよね?
というコマが引用されて、話題になったり、その後作者自身の発言がいくつかあったことなど、うっすら聞いた気がしていた。
で読んでみたわけだが、うーん…… …… ……作中人物が説教臭くなったなというのが、正直な第一印象。
もう少し時間を置いて読み直して、自分の更新具合を見てみたいとは思うけれど。
この作品が自分にとって大事な大事な作品になったという人もいるだろうとは思うけれど。 -