phaのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こちらも朝井リョウさんの紹介本。
『イン・ザ・メガチャーチ』のサブテーマである「中年クライシス」や「男性更年期」と相関があるとコメントされていたもの。
中年に差し掛かった著者のPhaさんが、若い頃を振り返りつつ心境の変化を綴ったエッセイ。
Phaさんを知らなかったので(まず読み方も謎で…ファさんで合ってるのか?)前半はいまいち掴みどころがなく、どんな人なのか予備知識があれば良かったかも。
著者はずっと変化を求め続けてきた人で、人と関わることで自分自身を変化のある人生に落とし込む生き方をしてきたそう。
その最たるものがシェアハウスの運営で、しかもそのシェアハウスも転々と場所を移しながら過ごし -
Posted by ブクログ
★冒頭にあるまさに衰退のスケッチそのもの。著者だけでなく中年が皆薄々感じることが書かれてあり、それは受け入れるしかないし、それはそれで悪くないという話が続く。それでどうこうするべきという方向にはいかない。
⚫︎年上のおっさんが俺すげーダメ人間だからとか言って、いい加減なことをするのは、ちょっとキツイ。痛々しい。
⚫︎自分が老いて弱っていくのと並行してこの国も老いて弱っていくのだと思うとそんなに悪い気分でもない
⚫︎平成デフレの名残りがぎりぎり残っているうちに、チェーン店文化を楽しんでおくべきなのかもしれない
⚫︎ここではないどこかなんてどこにもなかった。今まで見ないふりをしてやり過ごしてきた自 -
Posted by ブクログ
欲しいものは、ここではないどこか、ではなく、自分のなかにあったのかもしれない……。
一処に縛られるのを嫌い、自由な青春時代をリアルに過ごしてきた著者のたどり着いた境地。説得力がある。
やらなかった(出来なかった)人は、そういう自由な人生を送れば良かった……と強く後悔する場合もあるだろうけど、中年になって行き着く先は、結局そんなに変わらないのかも。
著者はたぶん考えることがすごく好きすぎて、思考をこねくりまわしてアウトプットしている印象を受けるのだけど、自分もどちらかといえばそっち側の人間なので、なんとなくわかる。
変わらないと思っていたことが、年をとって変わることの悲哀と、みんな同じかもと思う -
Posted by ブクログ
私は比較的好奇心旺盛で、旅行(特に非日常が味わえる海外旅行)が大好きだ。その土地でしか味わえないことを十二分にやりたくて綿密に予定を立ててしまうタイプ。食事もご当地のものを味わいたいので、チェーン店にはよっぽどのことが無い限りは行かない。
そんな私の「旅」に求めるものと、phaさんが第1章で語る「旅」に求めるものが違い過ぎてびっくりした。が、物理的に日常生活から距離を置くことを目的としており、緩くて気軽なphaさんの旅スタイルも良いなと思った。力みがちな私の旅とは全然違う。
距離を取るだけで考えることも変わるんだな〜そんな気軽な旅をしてみるのも良いなぁと思えた。 -
Posted by ブクログ
日常と、日常の延長線上にある”旅”について書いたエッセイ。
「旅に出たいのに、行きたいところがない」と思って手に取った本。
”旅”というと、「せっかくだから」と観光やご当地グルメ、未経験の体験などを入れようとするけれど、「日常と物理的な距離を取るだけ(旅先でもいつもと同じ行動をする)」というphaさんの旅のスタイルを読んで、肩の力が抜けた。
phaさんの過ごす日々は、一見何もないように見えて、味わいに満ちている。
何事も死ぬまでの暇つぶしとして、気負わずに試してみる。
そんなphaさんのスタンスは読んでいて感情が波立たない。
疲れている時に読みたい1冊。