あらすじ
定職に就かず、家族を持たず、
不完全なまま逃げ切りたい――
元「日本一有名なニート」がまさかの中年クライシス!?
赤裸々に綴る衰退のスケッチ
「全てのものが移り変わっていってほしいと思っていた二十代や三十代の頃、怖いものは何もなかった。
何も大切なものはなくて、とにかく変化だけがほしかった。
この現状をぐちゃぐちゃにかき回してくれる何かをいつも求めていた。
喪失感さえ、娯楽のひとつとしか思っていなかった。」――本文より
若さの魔法がとけて、一回きりの人生の本番と向き合う日々を綴る。
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Posted by ブクログ
女性が書いた本を読むことが多いからか、男性目線の「老い」に対する飾らない言葉が新鮮だった。
「昔はワルだった」みたいな自慢じゃなく、自虐するでもなく、淡々と自己分析をしているところがphaさんの人柄が現れていてすごく良い。
縛られるものが無い身軽さを自分の長所であり魅力であると思っていたら、それは若さに依存するものだったと実感してアイデンティティが崩れかけているのかもしれないけど、
自身の「衰退」を本に書き残すという第三者的な目線も、人生に現実感が無いまま練習のような気持ちで生きているphaさんらしくて味わい深い。
phaさんらしい年の重ね方をこれからもぜひ追っていきたい。
Posted by ブクログ
年をとっていった先にある諦念・凪のような毎日を予感させる本だった。きっと将来自分もこうなっていくのだろうなあと思うと、翻って今を大事に生きよう、老いに備えようという気持ちになった。
Posted by ブクログ
45歳の著者が赤裸々に語る衰退のスケッチ。
20代30代の頃は、怖いものは何もなくてただ変化だけが欲しくて、喪失感さえ娯楽のひとつとしか思っていなかった。
この書籍を読んで、その年代でしか書けないものって確かにあるし、年を重ねていくと人生は全てが一度きりの本番であること、とズン、と気持ちが重くなりました。いつまで練習しているのか…?と、自分背を叩きたくなりました。
Posted by ブクログ
パーティーが終わっても、人生は続くっていう話。
読んでいると漠然と色んなことが終わってしまった切なさに共感しそうになるけど、よくよく考えるとまだ終わってない色んなことは沢山あって、曲調が変わっただけでまだパーティーの音楽は鳴っていて、踊りながら日々は続いていく気がする。
p. 15
この歳になるとさすがに、失敗をしたときに「次に活かせる」と思うのは難しくなってきた。結局、自分はいつまでも自分のままで、自分が陥りがちな思考や行動のパターンからは逃れられない、ということがわかってしまった。
若い頃は、試行錯誤を積み重ねれば、どこかに辿り着くのだと思っていた。いつか、完璧な自分になれるのだと思っていた。でも、そうじゃなかった。失敗は何かの糧じゃなくて、ただの失敗だった。自分はどこにも辿り着かず、ずっと中途半端なままで、同じ失敗を繰り返しながら生きていくのだ。
そして、もういい歳になった今でも、現実への現実感のなさは続いている。恥ずかしいから口には出さないけれど、未だに、これが本当に現実なのか、自分の人生というのはこれで本当に全部なのか、と、常にうつすらと思っている。
Posted by ブクログ
著者の言葉がグサグサ、グサグサ刺さるほどには自分も年をとったということなんだろうなぁ、と思いながら読みました(^^;)
必ず向き合わなければならない『老い』『衰え』ですが、体力や気力もですが、『感情』の衰えについてハッとさせられました。
以前は楽しめていたことが楽しめなくなった
若い頃はキラキラして見えてた景色が平凡に感じるようになった
あらゆることへのときめきが薄くなった、と言った感じ
目に見える『若さ』ではなく、内側からくる『若々しさ』のことを言ってらっしゃるのかなぁとも思ったり、、、
ときめきも、老いとともに薄れていくのかと思うとさみしいです。でもそういう『老い』のありのままを受け入れるのも生きることの一環なのかなとも思います。
無駄に長生きはしたくない派ですけどね。
今読めてよかった本(^^)
おもしろい
自己啓発系をたくさん読んだ後だから余計に感じる、別にこういう生き方でもいいのだよなぁ。人付き合い面がちょこっと不器用で、好きなことをして時の自然な流れに乗って身を任せて、、、いいじゃないか。好き放題勢いだけでやっていけた20、30代を「パーティー」に例えているのはすごく的を得ているなと思った。その後のやってくる「しっかり生きなければ」「落ち着かなければ」という静けさは、自分も好き勝手生きた後作者と同じ年になったら感じるのだろうか。でも自分の気持ちを大事に直感を大事にするのも悪くない。
Posted by ブクログ
著者と同じタイプの人間なので、分かる〜と思いながら読んだ。でも40代に突入していないので、老いを感じる気持ちは未来の自分を見ているようだった。
老いの何が辛いって自分が衰退していくのを感じるから。この本のタイトル通り、パーティ(=若さ)が終わって、喪失感と共に静かに生きていくのしんどそう。でもそれすらも悪くないって思えるようになるのが老いるってことなのかな。40代まであと数年なので、自分がどんな心境になるか楽しみになってきた。
外食が裕福層の文化に日本もいずれなっていくっていうのは、最近思っていたことなので同じ意見を持っている人を見かけて嬉しかった。
あと飼い猫に対して「陰キャ男子」「人間だったらキモいブログやってる」と評するの酷くて笑った。
Posted by ブクログ
ん?確か歌人の方だったような。
歌集だと思って借りたらエッセイだった。
日本一有名なニート?
今は蟹ブックスの店員さん!?
どんな経緯で読みたいリストに入れていたのか全然思い出せない。
冒頭示される思考回路はあまり共感できないもの。
「ずっと何も背負わない自由な状態でいたかった。」
「とにかくひとりで気ままに毎日ふらふらしていることが、自分にとって大切だった。」
「あまり働かずに毎日ゲームとかをして暮らしていた。」
「いつまでこんな感じでやっていけるのだろう、ということは、あまり真剣に考えてはいなかった。」
「まあなんとかなるんじゃないか、と思っていた。」
いや、そういう気持ちになることもあるけど、それを起点にそこまで突き抜けた生き方するのは相当無謀、無計画さの成せる業で、それなりに清濁飲み込んでなんとか現実を生きている身からすると、お気楽さをやっかむ気持ちばかりが生まれてしまった。
ところが読んでいくと、ところどころなるほどと思える示唆がある。
ベースには働きたくないとか、お金は持ってる人から恵んでもらえばなんとかなるというフリーライダー的発想があって、反発を覚えるまではいかずともやや違和感から始まるのだが、その生き方をしてきて行き着いた教訓的なものがゆる〜く刺さってくる。
あれ?なんかその教訓、自分のこうでありたい立ち振る舞いをしたときにも通ずるものがあるぞ。
やってみた者にしか言えない痛さがあるぞ。
周りと比較しないとか、お金に執着しないとか、独りでも大丈夫とか、積極的なリーダーシップよりもくるもの拒まず去る者追わずの姿勢だとかphaさんの生き方、濃度こそ違えどベクトルは同じのような気がする。
そしてそのベクトルの極端な生き方をしてきた経験者としての後悔、反省未満の気付きがぷすーっと刺さる。
そもそもタイトルにして、あるやり過ぎた一時代の終焉を偲ぶ一抹の哀愁が漂う。
好き勝手やることに昔ほど楽しさは感じなくなったとか、一般的な人の感覚がやっとわかったとか、今更な悟り。
かと言ってこの結末が予見できていたら他の生き方が出来たかというと、そうでもなく人はその人らしくしか生きられないというような諦め。
だからこうしとけみたいな押し付けがましさもなく、ああしとけば良かったみたいな弱音もない。
心境の変化はあっても熱量は驚くほどない。
何とも言えないぬるい温度感なのに妙に目が覚める今までにない心地。
ふと、これが本当に感じていることではなく、ニートの顛末のちょっとした不本意事例として今ならウケるのではと狙ったものだったらとんでもない策士、紡ぎ手だなとひねくれた見方もしてしまった。
Posted by ブクログ
phaさんの本は何冊か読んだことがあるので、著者の心境の変化に驚きつつも「分かる~」と共感した部分が多々あった。
他の著書にも共通することだけれど、シャボン玉のような風に乗って消えてしまうような文体がとても心地いいし綺麗。
いい意味でこの人にはプライドとか見栄とか、そういったものがなくすごくフラットなんだろうな、と。
「もし破綻したら文章にしていろんな人に笑ってもらう」というような一文があったけれど、スゴーと思った。
私はプライドが高くてそんなことが出来ない。ダメな自分をまだ晒すことができない。そんなくだらないプライド、捨ててしまいたい!
心底こういう考えが出来る人になりたい。
Posted by ブクログ
20代の頃の感覚やエネルギーでは居られなくなってきた40代。疲れたな、飽きてきたな、自分の考えって別に特別ではないよな、みたいな諦めの感覚と、だからこその解放された感じ。でもまだ何かしたい、何か起こるかもしれないという微かな期待。そういうゆらゆらもやもやした感じに共感した。
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中年衰退エッセイ。歳を取るってこういうことなのかもな、と思わせてくれる本。自分はいま30代だけど、多分20代の時に読んでも何も感じなかっただろうなと思う。この本に出会えたのが30代を迎えてからだったことで、もう既にいくらか共感出来る所もあり、なんだか「人生の少し先を行く先輩からのアドバイス」的な頼もしい側面を感じたりした。40代になってからもう一度読んだら、違った感想、答え合わせのような面白さを感じるかも。
Posted by ブクログ
中年期に足を踏み入れたときに、若さでできたことが自分の能力だと思っていたことが過信だったとか、いろいろおもしろかった。少し先を歩いてくれる人がいるのは頼もしい。
Posted by ブクログ
組織の中で長年同じ仕事を続け、閉塞感とさまざまな人間関係の中でやってきた私にとって、著者の生き方はとても新鮮でした。中年となり喪失感を感じながらも、自分の変化に興味を持ちつづけ、ゆるく自由な老いを開拓して行ってほしい。
Posted by ブクログ
読み終えて寂しい気持ちになったというか、読みながらその感情がいろんなところで表れてきた。年齢的なものが、人の考えや行動に影響を及ぼすことは、誰にでも起こり得るが、著者のようにある種破天荒な暮らしをしてきた人が変わっていくのを辿ると、ちょっと寂しくもなる。編集の人からみずみずしい喪失感を書けばいいのでは、との話があったとのこと。現在進行形でそれが進んでいることを感じさせる言葉のように感じられる。いろんな局面で周りの人が作った当たり前基準に抗いたくなるものの、ずっとはそういられない。歳をとるって何なのか。
Posted by ブクログ
こちらも朝井リョウさんの紹介本。
『イン・ザ・メガチャーチ』のサブテーマである「中年クライシス」や「男性更年期」と相関があるとコメントされていたもの。
中年に差し掛かった著者のPhaさんが、若い頃を振り返りつつ心境の変化を綴ったエッセイ。
Phaさんを知らなかったので(まず読み方も謎で…ファさんで合ってるのか?)前半はいまいち掴みどころがなく、どんな人なのか予備知識があれば良かったかも。
著者はずっと変化を求め続けてきた人で、人と関わることで自分自身を変化のある人生に落とし込む生き方をしてきたそう。
その最たるものがシェアハウスの運営で、しかもそのシェアハウスも転々と場所を移しながら過ごしてきたと言う。
そもそもが私とは全く違う生き方の人なのだが、中年になって今の生活を続けたいと安定を求める気持ちが出てきたという部分には何となく共感ができた。
若い時って、可能性がたくさんあって、今より良い未来が自由に思い描ける。
それが中年になって老いを意識し始めると、今より悪くなるよりも今のままでいたいという気持ちが生まれるのかな。
私自身は著者より10歳程下でまだ中年とは言いたくない歳だが、それでも若いとも言えない年齢で…この先自分がどうなっていくのかは分からないが、この著者のように自然と加齢を受け入れて、自分自身のその時々の感じ方を受け止めて生きていけたらいいのかもしれない。
⭐︎2.5
Posted by ブクログ
若い頃、自分の思考は変わっていた。だから自分は特別な存在だと思おうとしていた。その後、年齢に比例して凡庸さを痛感することになった。自分の考えることはとっくに誰かも考えていたと知ることになった。若い頃は常に新しい場所を求めていたのに、いつの間にかそれが億劫にもなってきた。この本を読んで改めて思う。若い頃に自分を特別だと思いがちなことも新しい場所を求めることも、歳を取るにつれてそれがなくなり丸くなってしまうことも変化に思いを馳せることも、やっぱり誰かが既にやっている。なーんだ。あぁ安心してパーティーを終えよう。
Posted by ブクログ
★冒頭にあるまさに衰退のスケッチそのもの。著者だけでなく中年が皆薄々感じることが書かれてあり、それは受け入れるしかないし、それはそれで悪くないという話が続く。それでどうこうするべきという方向にはいかない。
⚫︎年上のおっさんが俺すげーダメ人間だからとか言って、いい加減なことをするのは、ちょっとキツイ。痛々しい。
⚫︎自分が老いて弱っていくのと並行してこの国も老いて弱っていくのだと思うとそんなに悪い気分でもない
⚫︎平成デフレの名残りがぎりぎり残っているうちに、チェーン店文化を楽しんでおくべきなのかもしれない
⚫︎ここではないどこかなんてどこにもなかった。今まで見ないふりをしてやり過ごしてきた自分の中の弱くて嫌な部分と向き合うべきなのか。さすがにもう、二十代や三十代ではない四十代になってしまったのだから
⚫︎大体のことはもう見た気がする。期待を超えることはもうそんなに人生で起きないのだろう
⚫︎人生に全体的にモヤがかかっていた二十歳前後の頃、薄暗いライブハウスの片隅に身を潜めて爆音と振動で聴覚と思考を麻痺させていた。
⚫︎昔よりも今の方がちゃんとお金を稼がなければならないという空気が強いように思う。
⚫︎若さというのは本当に魔法のようなもので、本当は大したことがないものを、いくらでもキラキラとしたものに見せかけてくれる
⚫︎音の気持ちよさを一番受け取れるのは演奏している本人だ。
Posted by ブクログ
中年になって自分が変わってきたという様子を書いた自伝小説。
- 落ち着いてきた
- 著者は、シェアハウスとかやってわちゃわちゃやっていたが、一人暮らしになっていった
みたいなことが書いてあった。
すげえ学びがあったわけではないのであれだが、
中年になるとまた色々価値観が変わってくのは自身も感じた
Posted by ブクログ
phaさんと同年代。
みんな今の世の中のちゃんとやらなきゃ的な空気感に疲れてるのでは?等ちょっとした共感が多かった。とはいえ、phaさんほどの虚無感はないけど。これまで自由に生きてきたから反動が大きいのか。
お酒を特別美味しいと思わないphaさんが、気分的にどうしようもない時にはいつものファーストフードのハンバーガーにポテトを追加するというのがちょっと可愛らしかった
Posted by ブクログ
欲しいものは、ここではないどこか、ではなく、自分のなかにあったのかもしれない……。
一処に縛られるのを嫌い、自由な青春時代をリアルに過ごしてきた著者のたどり着いた境地。説得力がある。
やらなかった(出来なかった)人は、そういう自由な人生を送れば良かった……と強く後悔する場合もあるだろうけど、中年になって行き着く先は、結局そんなに変わらないのかも。
著者はたぶん考えることがすごく好きすぎて、思考をこねくりまわしてアウトプットしている印象を受けるのだけど、自分もどちらかといえばそっち側の人間なので、なんとなくわかる。
変わらないと思っていたことが、年をとって変わることの悲哀と、みんな同じかもと思うほんのちょっとの安心が、うまく言語化されているエッセイだ。
Posted by ブクログ
著者と同世代なので、タイトルだけでもぶっ刺さるものがある。
わたしはphaさんとは全くちがうフレームの生活を送っているけれど、ちがう世界線ではphaさんになっている姿を容易に想像できる。でも、根本は全然ちがうので、こうは絶対にならないだろうなとも同時に思う、不思議な感触の作品だった。諦観はあるけれど悲愴感はないのがいい。
ただ、わたしはphaさんの作品をはじめて読んだので、パーティー時代を知っていたらもっと味わい深かったのかもしれない。
Posted by ブクログ
もともとパーティができない人間だから、中年になってもあまり変わらないのかも、と少し希望を持てたかもしれない。不安を感じる感受性とかも、みんな衰えていけばいいのに。
Posted by ブクログ
氷河期世代のミッドクライシスを非凡な文章力で表現
今、読まないと忘れてしまいそうな変化を分かりやすく書いてくれている
取り立てて特別なことは書いてないけど、アフターコロナのリアルがある
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題名に惹かれて読み出した。
何か終わったことの物悲しさを引きずりながら、
生活を続ける中年のエッセイ。
ただ、人生はパーティーみたいに終わりを明確にしてくれない。パーティーはどんなにグズグズ残っても会場はいつか閉まる。人生だと気が付かぬ間に会場が閉まる。死ぬことが会場が閉まることではない。その前にお開きはある。
Posted by ブクログ
いわゆるミッドライフクライシスになりやすい年齢に差し掛かった著者が日々何を考えて暮らしているか。中年の危機はこうやって乗り越えよう!みたいな暑苦しい押し付けもなくテンション低めで淡々としているのが好印象。本書にも書かれているが、同年代の男性同士で集まってもあまり深い会話はしないので、他人が中年に差し掛かってどのように感じているかを垣間見れるのは貴重。
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SNSで見かけて気になって購読。
独り言のようなぽつりぽつりと紡がれていく文章。言葉に重みがあり、ボリュームのある本ではないのだが読み終わるのに割と時間がかかった。
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若い頃はニートやシェアハウスなど、人と違った変化のある生き方をしてきた著者40代半ばにして徐々に普通の変化の少ない暮らしが心地よくなっていってるのが印象的だった。
マヘルシャラルハシュバズの話がよかった。昔水上音楽堂に観に行ったことを思い出した。
Posted by ブクログ
著者と同世代で、その自由な生き方は真似は出来ないけど勇気づけられてきた者。noteもたまにのぞいたりしている(無料の部分を…すみません!)。
phaさんでも歳を重ねると、アイデアが出にくくなり、若い頃より身だしなみに気を配る必要性を感じたり、自分が時代遅れに感じたりするんだと、同じような感覚や悩みを抱けることの嬉しさもあるが、phaさんは自分が時代に合わなくなって来たとかそういうことは気にせず、突き進んで欲しかったなとちょっと残念さも感じた。読者の勝手な期待なんですけどね。
人生の折り返し地点
作者のPhaさんはシェアハウスをやっていた人で、ネットのあちこちで活動をお見掛けしていた。
自分より3~4歳若い彼とは何かと共通点が多い。広い家を借りて、知人を寝泊りさせてた事とか。
ただ、彼みたいに、他人の力を引き寄せて上手くやってくことはできなかったけども。
気付いたら自営業な仕事をしていて、50代目前に、これは限界が見えたな・・・と思って、自分は就職することにした。
50歳の一歩手前で、拾ってくれた会社があったのは本当に感謝しか無いが、この年になって新入社員みたいな振る舞いをしてる自分は意外と嫌いじゃない。ただ、この本を読んでいると、一歩間違えたら緩やかに衰退して行き詰まっていたと思う。
彼が感じた危機感みたいなものを、自分は30代半ばで無意識に結婚という普通の人みたいな選択肢をすることで回避した。
結婚は墓場というが、きちんと家庭生活をやればかなり気楽にできるものだ。
そこらへんをきちんと発信する人がいないから、ネガティブな意見ばかりが先行してしまうのだけども。
本作に描かれている平成初期~中期にかけた緩やかなネット社会というものは今は無くなってしまった。
この本には、あの頃の懐かしさが漂ってる。ノスタルジーは安全なところから眺めると心地よい。
いつまでも続く自由は、ルールの無いサッカー以上に価値をみいだすことが難しい。