柄刀一のレビュー一覧

  • 或るギリシア棺の謎

    Posted by ブクログ

    老女の病死に葬儀の直前に浮上した疑惑。それは自殺か?殺人か?四年前の事件の関連は?全過程がかなり閉塞的な状況で進行する地味な展開だが、細やかに提示されてきた謎や違和感を美希風により論理的に解かれるラストに引き込まれた。

    0
    2024年02月24日
  • アリア系銀河鉄道~三月宇佐見のお茶の会~

    Posted by ブクログ

    以前別の作品(ifの、、、)を読んで残念な気持ちになったので全く期待してなかったこの作者さん。
    しかしこの作品、なんて着眼点!ミステリでありSFであり、ファンタジーであり感激と驚きの連続。何度も裏切られたー!
    最後あとがき読んで知らされる真実に自分の読解力が悲しい。しばらくしてからまた読もう。

    0
    2022年01月26日
  • バミューダ海域の摩天楼

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スケールが大きくて楽しい
    幅広いネタが知識欲を刺激される
    2話目、衛星はミスリードだったのがちょっと拍子抜け
    火災から脱出は興奮した
    おねショタみがある

    0
    2018年10月13日
  • fの魔弾

    Posted by ブクログ

    南 美希風シリーズ3作目。積読本に紛れて約10年間も放置してしまってた…(先に密室キングダム読んじゃった)札幌のアパートで、射殺された2人の男と、容疑者と思われる意識を失った浜坂憲也が発見された。密室であったため死刑確定とされた旧友のため捜査する美希風は、重要な証言を得るためアメリカへ渡るが、そこで全く同じ状況下の密室殺人に遭遇。しかも、犯人の魔の手は美希風に襲いかかる。判決までのタイムリミットが迫る中、2つの密室のトリックを解いて、生きてこの密室から脱出できるのか!?エンディングもとても良かった。

    0
    2017年07月20日
  • 猫の時間

    Posted by ブクログ

    ずっと前に入手していて、満を持して読み始め。
    冒頭の作品から、いきなり涙腺が大崩壊。
    タイトルの意味も胸に迫る。
    他の作品も、猫と人との関係が温かくて胸に迫る。
    こういう本は、外で読むには危険すぎる(笑)

    0
    2017年02月26日
  • 猫の時間

    Posted by ブクログ

    猫をモチーフにした短編集。もちろん、猫好きにはたまらない一冊。必読です。
    心温まるものが多いけれど、そればかりでもなく。謎解きがあったり、そして生きることについて深く考えさせられる部分もありました。なんといっても、猫の愛らしさがどこをとっても全開です。うーむ、柄刀さんがこれほどまでの猫好きだったとは存じあげませんでした。
    お気に入りは「決壊と真珠貝」。ミステリ的な真相に驚かされ、そして猫の行動にもぐっとくるものがありました。幸せな物語ではないのだけれど、かといって不幸とも思えないかな。たしかなあたたかさを感じられます。
    「ネコの時間」もたまらない一作。猫を飼っている人ならなおさら、悲しいながら

    0
    2016年08月16日
  • 十字架クロスワードの殺人―天才・龍之介がゆく!

    Posted by ブクログ

    長らく積んだままとなっていた、IQ190の天才・龍之介シリーズ…龍之介が受け取るはずの莫大な祖父の遺産がなくなった!詐欺事件が発覚し、二手に分かれて調査を始めた龍之介・光章と一美は、また別の遺産争いや殺人事件にぶち当たる!クロスワード・パズルに隠された遺産の行方。陸の孤島で起こる殺人事件、密室に閉じ込められ、絶体絶命からの脱出劇。読みどころ満載でした。普段はヘタレの龍之介は今回も可笑しいやら頼もしいやら!各章のタイトルがクロスワード・パズルになってるのも嬉しいオマケです。ラストの2人のクロスワード・パズルにメロメロ♡

    0
    2015年09月06日
  • 黄昏たゆたい美術館 絵画修復士 御倉瞬介の推理

    Posted by ブクログ

    本屋でふっと目に止まって購入。予備知識はまったくなくともこういう勘は外れないものだ。かくてやはり当たりだった。面白い。そしてこの読後感はどういうものだろうか。ふっとこれはミステリだったのだろうかと疑問が浮かぶ。いや、たしかにミステリだ。事件の謎だけでなく登場するさまざまな美術作品に秘められた謎も鮮やかに解かれていく。それでも単なるミステリではない詩情にあふれていた。それは表題作でありラストの一編『黄昏たゆたい美術館』のイメージが強いからだろうか。とても静かで物語のなかで語られる靄のような哀しみをはらむが優しく、さわやかさがあった。また扱われる作品の解釈や画家に関する考察にもわくわくした。しかし

    0
    2012年04月13日
  • 奇蹟審問官アーサー 神の手の不可能殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    このシリーズはつい時代を中世だと勘違いする。アーサーが情報の解析を始めると現代だと気付いて汗が出る。柄刀氏の話は密度が濃くてとても読み応えがあり、文章も美しい。面白い話なのだが、今回は犯行動悸がこの人数を殺す理由として、個人的に納得出来得ないもので辛かった。

    0
    2011年04月18日
  • ifの迷宮

    Posted by ブクログ

    被害者は「誰」で犯人は「誰」なのか。
    死人が蘇って犯したとしか思えない犯罪、一族に君臨する当主と「家」と「血」にまつわる妄執。
    蒙きを啓く柄刀マジック。
    熊ん八も初登場。

    0
    2009年10月23日
  • レイニー・レイニー・ブルー

    Posted by ブクログ

    レイニー・レイニー・ブルーというタイトルに惹かれて読みました。
    短編集なのですが、ジャンル分けするのが難しいですね。

    ミステリー、ホラー、ファンタジー、いろいろな要素が含まれています。
    読む人によってジャンル分けも違ってくるんじゃないでしょうか。

    車椅子探偵というくくりでは読んでほしくないですね。
    ただ、介護や障害についての実態などの話が多いです。

    厳しい言葉の裏にある優しさが見えたとき、切なくなりました。
    自分に素直になれない屈折した性格にも共感できます。

    電車の中で読んでいたんですが、そんな簡単な本ではありません。
    ちゃんと、本を読む環境を整えてじっくり読み返した

    0
    2009年10月07日
  • 殺意は幽霊館から―天才・龍之介がゆく!

    Posted by ブクログ

    孤島で変わり者の発明家に育てられた龍之介は「ぼんやり・怖がり・天然ボケ」ですが、知識と観察力・思考能力は抜群。小さな謎から大きな謎まで解き明かしてしまいます。
    「知識」だけじゃなく、「知識の実践」ができるところが素敵なところ。
    作中に書かれている科学の実践を読んでいると科学ってロマンだなぁと思う本です。私も手の中に銀河を作りたい。
    シリーズでたくさん出てるので1作目からぜひ読んでみてください。(手の中の銀河は1作目だったような)

    0
    2009年10月04日
  • ifの迷宮

    Posted by ブクログ

    池澤の死体を『拾い魂の社』近くに埋めたと証言する八木とともにその現場に訪れた百合絵達一行。彼らの元へ、村人が死体を見つけたと来たものの、その場所には死体など無く青白い炎があるだけだった。
    遺伝子治療や移植など最先端の医療企業SOMONグループ。その宗門家の洋間で顔と手足を焼かれた若い女性の死体が発見される。被害者はDNA鑑定で宗門亞美と断定された。
    親子鑑定する為に亞美の亡父・継信の遺髪を分析していた夫・真一の元へ訪れた百合絵は、モニタに映し出された塩基配列から2年前に殺害された池澤の塩基配列を思い出した。
    そして、20年近く前に亡くなった継信と池澤のDNAが一致するという信じられない結果が出

    0
    2010年04月19日
  • fの魔弾

    Posted by ブクログ

     殺人容疑で逮捕された友人の無実を晴らすために主人公が奔走するリーガル×社会派×本格ミステリーで、巧妙に練られた完全密室で行われた殺人の真相に対する驚きと自身も窮地に陥るも友を救うために足掻く主人公の姿が印象的だった。

    0
    2025年09月06日
  • 奇蹟審問官アーサー 死蝶天国

    Posted by ブクログ

    奇蹟の真贋を判定すべく、ヴァチカンから放たれた、若き審問官が一見超常現象に思える事象の謎を解くシリーズ。この手のオカルトハンターものは探偵役が不可能犯罪にばかり挑む理由が正当化しやすいのミソ。とはいえアーサー師は、肝心の奇蹟とは微妙にずれたところで不可能犯罪に出くわしてばかりいる気がするのだが。肝心のトリックはそれほどひねったものではないが、ホワイまで手が抜かれていないので美しい。この手のトリックでいちばんしらけるのが、奇跡を起こすために誰かが仕組んだというアレなので。

    0
    2023年06月22日
  • 或るアメリカ銃の謎

    Posted by ブクログ

    南美希風シリーズ。「或るアメリカ銃の謎」と「或るシャム双子の謎」収録。どちらもばりばりの本格ミステリです。
    アメリカ領事私邸で起こった不可思議な銃撃事件を解く「或るアメリカ銃の謎」。緻密な論理で詰めていってもさっぱり見当がつかない、と思ったら、この真相には度肝を抜かれました。そんなとんでもないことが起こってしまうとは。そしてまさかあの話が伏線になっていたとは……。
    琵琶湖のクローズドサークルでの事件を描いた「シャム双子の謎」もまたトリッキー。というよりもこの極限状況下での事件というスリリングさがとてつもないです。なぜこんな状況で犯行が起こったのか。そしてその動機……ああ、これもまたストレートに

    0
    2022年09月24日
  • ジョン・ディクスン・カーの最終定理

    Posted by ブクログ

    迷宮入りとなった事件が集められた書物に記された、カー直筆の推理メモ。それを元に自らも事件を解くべく集まった大学生達。しかし、その中で殺人事件が発生する。カーが解いた難解な事件2つと、併せて3つの謎解きが楽しめる贅沢な一冊!最初は説明やらで読み辛いが、それを乗り越えた後のご褒美、謎解きはサイコーだった!いい意味で『キモチワルイ』ラストがジワる。

    0
    2021年06月06日
  • 猫の時間

    Posted by ブクログ

    猫がメインの短編集。

    それぞれの話でしんみりほっこり。
    一日会わなければ、猫にとっては四日の空白。
    一年会わなければ、四年の別れ。

    猫ではないが、今一緒に生活している犬との時間をもっともっと大切に過ごそう。

    0
    2021年01月19日
  • ジョン・ディクスン・カーの最終定理

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    さすがの柄刀作品。カーへの愛が感じられる。

    密室という言葉でごはんが三杯食べられる人にはたまらない一冊。不可能犯罪っていいな!

    1
    2020年10月24日
  • ジョン・ディクスン・カーの最終定理

    Posted by ブクログ

    カーが挑み、謎を解き明かしたとされる不可能犯罪。推理の断片である書込みのみを残し真相が失われたそれは、「ジョン・ディクスン・カーの最終定理」と呼ばれていた。日本でその謎に挑もうと合宿を行う学生たち。その最中に不可能と思われる殺人事件が起こる…。好みが分かれそうだが、私はカーが解き明かしたとされる事件2つも、学生殺人事件も、数学的断片から謎が解き明かされていくパズルの嵌まる感覚が最高だった。ラストはどう転ぶか自分の心臓の音が聞こえそうなほどドキドキしたが、想像以上の映像的ラストが大きな余韻を置いていった。

    1
    2020年10月22日