柄刀一のレビュー一覧
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文庫で1200ページ超。普通なら分冊だろうという長さ。
でも、長い割にダレることもなかったが、かといって「読み出したら止まらない!」という吸引力もなし。
密室のトリックは、「おおっ!」と思うところもあったが、それより、ガラス粉砕の謎など、捜査側の心理を操るテクニックの方が面白かった。
ただ…なぜだろう、これだけ長いものを読み通したのに、ワクワクした感覚はほとんどないまま。登場人物の心情を、文字で説明してしまうところが、もうひとつ惹きつけられない原因?
トリックを駆使したミステリーとしては素晴らしいのかもしれないが、自分はどうしても物語として読んでしまうので、星3つ。 -
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南美希風(みなみ・みきかぜ)シリーズの1作目です。
思ったよりあっさりした作風でした。
主人公・僕の目を通して見た事件の経緯、その始まりから解決まで。
探偵役の美希風さんがカメラマンとしてたまたま招待されていて、
わずかなヒントからひとつひとつ推理を積み上げていく。
最初に限定された空間で事件が起こるので、
容疑者や動機も限定されてコンパクトにまとまった感じです。
個人的には、登場人物たちが普通すぎて物足りなかったかな。
特に探偵役などもう少し癖のある人物像を期待してしまいます。
人物も事件もストレートなので、さらっと読めました。
美希風さんのシリーズはまだあるみたいなので、
導入作品と -
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それと知らず読みましたが、
別作品『サタンの僧院』のスピンオフのようです。
前作は読んでないので分かりませんが予想した作風ではなかったです。
「バチカン所属の奇蹟調査官」という設定に大変興味があり、
もっと薄暗い、ゴシックロマン調のようなものを期待してました。
表紙もそんな感じですよね?
主人公アーサーは割と気さくな感じだし、
密室等も一つ一つ図に示されていて明朗というのでしょうか。
事件が「十二使徒」に係わるものなので、
アーサーが登場することになるのですが。
推理物として読むのに充分だったので、
探偵役が「奇蹟調査官」でなくても成立できた気がします。
事件が起こるたびに密室が存在し、
更に -
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気が付けば目の前には死体となった人物が。
驚くしかないその状態で脳裏によぎったのは
友人がこれと同じ状態に陥っていた事。
密室で死体が2体と生者が1人…となると、殺したのは生者で
証拠品もそこに存在している。
しかし生者は無実を主張、という、どうすればこうなるのか
さっぱりな状態でしたが、解決編にいたって納得。
むしろ、今回は回答が目の前で得られました、という感じで。
…ぎりぎりで、そこに辿りついてはいますがw
なるほど、と思うと同時に、恐ろしいまでの恐怖があります。
心理的に操られた、というのもありますが、一番怖いのは手段。
どこにでもあるものだったので、しばらく覗くべきか否かも…。
案 -
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ネタバレシャーロッキアンな面々による「慶子さんとお仲間"探偵団"シリーズ」第1弾、ということですが第2弾がでるのはずっと先のことになります。。。
おもしろくないわけじゃないんだけど。。。なんとなく読みづらさを感じました。まるでシリーズものの真ん中の巻をいきなり読んでしまったようなどことない読みづらさ。登場人物の人となりみたいなものがすんなり入ってこないというか。そして早い段階でいっぺんに何人かの人がでてきたと思ったら「この人はこういう人だ」という飲み込みみたいなものが甘いまま殺されてしまったりとか。。。。そうなると最後の謎解きとかでも若干唐突な印象を受けてしまいました。「この人が -
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連続短編で、ホームズワトソン状態で進んでいきます。
建物を想像して進んでいかないと、内容がいまいち把握しきれません。
読んでも把握しきれない、というこんがらがりもありますがw
主人公はその都度カラーコンタクトを目に入れていますが
一体どれくらい所持しているのか…と疑問がわいてきます。
奇妙だったのは、仮面の話。
ひょっこりと顔を出す語り手は…確実に人じゃない、ですよね?
飲ませるためにした事は、手を下すものではないとはいえ
誰かがもしかして、と思ってしまえばそれまでの話。
むしろ、後で何か言われたらどうするつもりだったのでしょう?
発想はすごいですが…後々が面倒そうです。 -
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『福祉、と呼ばれた日本の精神は、産まれてきても大丈夫よ、ではなく、ここで死んだほうが幸せなのよ、という段階でその成長を止めた。』
テーマは遺伝性疾患。著者曰く、「情報うんちく系のミステリー」らしい。なるほど、本書には、最先端医学や考古学の話題がふんだんに盛り込まれている。さらに、題目の通り、情報分岐が幾重にも折り重ねられているため、それはもう、やたら重みがある。とても片手まで流し読みできるような本ではないことは確かだろう。
一つの命題を軸として、扇形にストーリーを構成し、転も結もその範疇に収める技術は素晴らしいと思った。ただ、そのせいでオチが読めてしまう点と、最後がifではなくcaseで終 -
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世界の不思議な出来事を、奇跡かそうではないか調査するため
あちらこちらに進出する審問官。
今回は短編集で、更にあちらこちら出没中(笑)
最後、はチベットの、あの有名な話…ですが
聞いた時も思いましたが、生まれ変わりって
どの時点を持っていうのでしょうか?
生まれる直前に、その人を形成する魂が入ったと思うなら
子供が腹の中で動くのはなんのためなのでしょうか?
それを考えるなら、宿ったその瞬間から…と思いますが
その辺りはいかがなものなのでしょう?
しかしこの推理のための知識。
3つ目の推理ならば、途中まではできたと思うのですが
まったくもって…難しすぎます。
知識が足りない、という以前の問題