柄刀一のレビュー一覧

  • 密室キングダム

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    文庫で1200ページ超。普通なら分冊だろうという長さ。
    でも、長い割にダレることもなかったが、かといって「読み出したら止まらない!」という吸引力もなし。
    密室のトリックは、「おおっ!」と思うところもあったが、それより、ガラス粉砕の謎など、捜査側の心理を操るテクニックの方が面白かった。

    ただ…なぜだろう、これだけ長いものを読み通したのに、ワクワクした感覚はほとんどないまま。登場人物の心情を、文字で説明してしまうところが、もうひとつ惹きつけられない原因?
    トリックを駆使したミステリーとしては素晴らしいのかもしれないが、自分はどうしても物語として読んでしまうので、星3つ。

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    2012年04月30日
  • 火の神(アグニ)の熱い夏

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    南美希風(みなみ・みきかぜ)シリーズの1作目です。

    思ったよりあっさりした作風でした。
    主人公・僕の目を通して見た事件の経緯、その始まりから解決まで。
    探偵役の美希風さんがカメラマンとしてたまたま招待されていて、
    わずかなヒントからひとつひとつ推理を積み上げていく。
    最初に限定された空間で事件が起こるので、
    容疑者や動機も限定されてコンパクトにまとまった感じです。

    個人的には、登場人物たちが普通すぎて物足りなかったかな。
    特に探偵役などもう少し癖のある人物像を期待してしまいます。
    人物も事件もストレートなので、さらっと読めました。

    美希風さんのシリーズはまだあるみたいなので、
    導入作品と

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    2017年10月14日
  • 奇蹟審問官アーサー 神の手の不可能殺人

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    それと知らず読みましたが、
    別作品『サタンの僧院』のスピンオフのようです。
    前作は読んでないので分かりませんが予想した作風ではなかったです。
    「バチカン所属の奇蹟調査官」という設定に大変興味があり、
    もっと薄暗い、ゴシックロマン調のようなものを期待してました。
    表紙もそんな感じですよね?
    主人公アーサーは割と気さくな感じだし、
    密室等も一つ一つ図に示されていて明朗というのでしょうか。
    事件が「十二使徒」に係わるものなので、
    アーサーが登場することになるのですが。
    推理物として読むのに充分だったので、
    探偵役が「奇蹟調査官」でなくても成立できた気がします。
    事件が起こるたびに密室が存在し、
    更に

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    2017年10月14日
  • fの魔弾

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    気が付けば目の前には死体となった人物が。
    驚くしかないその状態で脳裏によぎったのは
    友人がこれと同じ状態に陥っていた事。

    密室で死体が2体と生者が1人…となると、殺したのは生者で
    証拠品もそこに存在している。
    しかし生者は無実を主張、という、どうすればこうなるのか
    さっぱりな状態でしたが、解決編にいたって納得。
    むしろ、今回は回答が目の前で得られました、という感じで。
    …ぎりぎりで、そこに辿りついてはいますがw

    なるほど、と思うと同時に、恐ろしいまでの恐怖があります。
    心理的に操られた、というのもありますが、一番怖いのは手段。
    どこにでもあるものだったので、しばらく覗くべきか否かも…。

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    2012年03月05日
  • 時を巡る肖像 絵画修復士 御倉瞬介の推理

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    絵画修復師が主人公であるので、推理に論理よりもひらめきだとか、めぐらしていく思考の中で、視角にひっかかるものが多い。そういう意味では、謎の解き方の方向性が同じであるように感じ、その点は少し物足りない気も。

    絵画などの美的なものを好む人は、その感覚的なライン上で楽しめるように思う。

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    2012年02月25日
  • 奇蹟審問官アーサー 死蝶天国

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    思っていたよりも、奇蹟審問ではなく事件の解決、という色合いが強かった。
    だが、そんな中で、アーサーの活躍が非常に少なく、話としても奇蹟をモチーフにしたエピローグ的な短いものであるラストの一編が好きである。

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    2012年02月24日
  • バミューダ海域の摩天楼

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    13歳にして教授な天才少年が主人公.国が関わったりして結構大がかりな話. 話とはあまり関係ないけど,"自然言語処理"という言葉が出てきて「おっ」とか思った.

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    2018年10月07日
  • ifの迷宮

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    殺害現場から20年前に死んだはずの人物のDNAが検出され・・・
    とても複雑な内容だし遺伝子やら難しい題材でもあるけど興味を持って読み進められた。
    だけどただでさえ複雑な事件なのに遺伝子技術の進歩による倫理問題とかいろいろ詰め込みすぎてやたらとながい!
    もうすこし短くてもよかったんじゃないかとは思う

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    2011年12月30日
  • バミューダ海域の摩天楼

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    主人公は大人で、事件において語るだけ、という状態。
    謎を解くのは13歳の少年、というのも驚きですが
    解くべき相手(?)が人ではない…というのも語弊がありますね。
    半分違うもの、という所でしょうか?
    そこに、人の謎がひっついてくる、みたいな。

    2編入っているのですが、どちらもものすごく知識が増えそうな
    そんな話がてんこ盛り。
    ちょっと少年の脳内がどうなっているのか、知りたいものがあります。

    普通に人が殺されて、とか日常ミステリーを求めている人には
    まったくの期待外れもの、かと思われます。

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    2012年01月02日
  • バミューダ海域の摩天楼

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    科学モノミステリーでした。
    殺人事件が起こるわけではなく、不可思議な状況を
    小さなDr.ショーインが科学的に推理するというもの。
    ショーインは柄刀さんの「天才龍之介シリーズ」の
    龍之介をさらにちっこくした雰囲気です。

    ただ、専門的な部分?が
    少し分かりにくかったかなぁとは思います。

    タイトルは2作品をまとめたもので実際には
    2つのストーリーがはいっています。

    シリーズ化を視野に入れて書かれているようで、
    続編が出たら買いたいと思います。

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    2011年11月21日
  • ペガサスと一角獣薬局

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    ちょっとこう、不思議な幻想的なミステリーでした。
    ちなみにこれ、「魔神の遊戯」に関係持たせてる?気のせいか?

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    2011年10月01日
  • マスグレイヴ館の島

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    ネタバレ

    シャーロッキアンな面々による「慶子さんとお仲間"探偵団"シリーズ」第1弾、ということですが第2弾がでるのはずっと先のことになります。。。

    おもしろくないわけじゃないんだけど。。。なんとなく読みづらさを感じました。まるでシリーズものの真ん中の巻をいきなり読んでしまったようなどことない読みづらさ。登場人物の人となりみたいなものがすんなり入ってこないというか。そして早い段階でいっぺんに何人かの人がでてきたと思ったら「この人はこういう人だ」という飲み込みみたいなものが甘いまま殺されてしまったりとか。。。。そうなると最後の謎解きとかでも若干唐突な印象を受けてしまいました。「この人が

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    2011年09月09日
  • レイニー・レイニー・ブルー

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    連続短編で、ホームズワトソン状態で進んでいきます。
    建物を想像して進んでいかないと、内容がいまいち把握しきれません。
    読んでも把握しきれない、というこんがらがりもありますがw

    主人公はその都度カラーコンタクトを目に入れていますが
    一体どれくらい所持しているのか…と疑問がわいてきます。

    奇妙だったのは、仮面の話。
    ひょっこりと顔を出す語り手は…確実に人じゃない、ですよね?
    飲ませるためにした事は、手を下すものではないとはいえ
    誰かがもしかして、と思ってしまえばそれまでの話。
    むしろ、後で何か言われたらどうするつもりだったのでしょう?
    発想はすごいですが…後々が面倒そうです。

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    2012年01月01日
  • 火の神(アグニ)の熱い夏

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    ネタバレ

    スタンダードなミステリィ。
    トリック自体はすぐに思いつくが、どこまで理詰めで考えられるか。ちゃんとフーダニットにまで持って行ってこその名推理、というわけですね。
    しかし柄刀にしては珍しく、常識的な犯行動機だったな。

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    2011年07月31日
  • 密室キングダム

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    ネタバレ

    いきなりの三重密室。更に続く密室のオンパレード。タイトルにふさわしい重厚な本格派だ。

    特に興味深いのは密室謎を解くということが探偵及び警察のミスリードに繋がるという設定。機械的に謎を解けば終わりというものではなく、その密室を解かせた理由や人の内部に及ぶ影響まで考えなくてはいけない。これは非常に新しい試みでは??

    ただし、三つ子の設定は嫌だな。
    伏線は貼ってるから卑怯とは言わないが…

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    2011年06月19日
  • ペガサスと一角獣薬局

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    ファンタジーとミステリの融合ではなく、
    ファンタジーにみせかけられた事件を解くミステリでした。

    なんかトリックも大味だし、
    ファンタジー色も無いし。
    ちょっと外した。。。

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    2011年06月08日
  • 密室キングダム

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    昭和最後の夏に、札幌で起きた密室連続殺人事件。それは、伝説的な奇術師・吝一郎の復帰公演が発端だった。吝家を覆う殺意の霧の中に浮かぶ忌まわしき宿縁―。妖艶にして華麗、絢爛という言葉さえ似合う不可能犯罪の連鎖に、若き推理の天才・南美希風が挑む。瞠目せよ!そして驚愕せよ!奇跡を現出して、読者を魅了する本格の旗手が放つ渾身の巨編千八百枚。

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    2011年06月08日
  • ゴーレムの檻~三月宇佐見のお茶の会~

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    ――君たちの世界を、私の造りあげる子宮に戻そう。
    私は、すべての外側に立つ。

    悪魔的な頭脳をもちながら、独房に十年間幽閉されていた囚人ゴーレムは、不気味で謎めいた言葉を残し、新月の夜、封印された完璧なる密室の牢獄から、予告通り跡形もなく姿を消し去る……

    魔術・錬金術・クローン・ナノテクノロジーなど、作品の隅々に至るまで巧妙に配された黒雲のごとき雰囲気と神秘的演出が鮮やかな、中世のイギリスを舞台にした好短篇。
    主人公の宇佐見博士を脇役に追いやるほど、ゴーレムという男の人間性に心がさわぐ。

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    2010年12月18日
  • ifの迷宮

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    『福祉、と呼ばれた日本の精神は、産まれてきても大丈夫よ、ではなく、ここで死んだほうが幸せなのよ、という段階でその成長を止めた。』

    テーマは遺伝性疾患。著者曰く、「情報うんちく系のミステリー」らしい。なるほど、本書には、最先端医学や考古学の話題がふんだんに盛り込まれている。さらに、題目の通り、情報分岐が幾重にも折り重ねられているため、それはもう、やたら重みがある。とても片手まで流し読みできるような本ではないことは確かだろう。

    一つの命題を軸として、扇形にストーリーを構成し、転も結もその範疇に収める技術は素晴らしいと思った。ただ、そのせいでオチが読めてしまう点と、最後がifではなくcaseで終

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    2010年09月06日
  • 奇蹟審問官アーサー 死蝶天国

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    世界の不思議な出来事を、奇跡かそうではないか調査するため
    あちらこちらに進出する審問官。
    今回は短編集で、更にあちらこちら出没中(笑)

    最後、はチベットの、あの有名な話…ですが
    聞いた時も思いましたが、生まれ変わりって
    どの時点を持っていうのでしょうか?
    生まれる直前に、その人を形成する魂が入ったと思うなら
    子供が腹の中で動くのはなんのためなのでしょうか?
    それを考えるなら、宿ったその瞬間から…と思いますが
    その辺りはいかがなものなのでしょう?

    しかしこの推理のための知識。
    3つ目の推理ならば、途中まではできたと思うのですが
    まったくもって…難しすぎます。
    知識が足りない、という以前の問題

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    2010年09月30日