柄刀一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
柄刀一の長篇ミステリ作品『3000年の密室』を読みました。
翔田寛の『誘拐児』に続き、国内の作家の作品です。
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3000年前の殺人事件!?
密室状態の洞窟で発見された縄文人男性のミイラは、背中に石斧を突きたてられ、右腕を切断されていた。
―サイモンと命名された彼は、学界に新たな発見と論争をもたらすが...。
今度はサイモンの発見者が行方をくらます事件が起きる!
作家的想像力を無限に広げ、壮大な物語を紡いだ著者のデビュー作。
本格推理の一到達点。
有栖川有栖、二階堂黎人絶賛!
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1998年(平成10年)に刊行された柄刀一のデビュー長篇で第8回鮎川哲也賞候補となった作品です。
■第一章 3000年の旅をした男
■第二章 背景の背後
■インタールード――舘川民夫と田所弘三
■第三章 論証――"サイモン"の素性
■第四章 "ヒスイ峡"の死体
■インタールード――白川哲也と佐々木晶
■第五章 死者の落とす翳
■第六章 広がる疑惑
■第七章 解法への架け橋
■終章 過去と未来の間で
■文庫版あとがきと参考文献
■解説 佳多山大地
内側から閉ざされ密室と化した洞窟内で発見された片腕のミイラは、3000年前の「殺人事件」の被害者だった! しかも腕は死後切断されていた……時空を超えて開かれた密室の彼方には、いったい何が見えたのか! ミステリの新鋭が放つ渾身の本格長編推理。
歴史とミステリの融合作品でしたね……3000年前の密室から発見された縄文人のミイラが、現代の事件にどのように関わっていくのか、その結びつきが巧妙に描かれていました、、、
考古学に関する詳細な知識が物語に織り込まれており、古代の日本に思いを馳せながら、謎解きの面白さを楽しむことができました……考古学の知識がなくても愉しめるように、登場人物の会話や心理描写等から自然と知識が身に付くような構成となっていたので、歴史への興味が高まりましたね。
3000年前の密室殺人と現代の事件……古代と現代が交錯する中で展開されるストーリが印象的でした、、、
独特の作風が愉しめました……どちらかと言えば、3000年前の密室殺人の謎解きの方が興味深かったですけどね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレもし縄文人のミイラが発見されたら? そんな仮定によるシミュレーション小説という感じ。3000年前の密室も考古学的に解かれるとでも言うか、現実の発掘現場で生じた疑問もこんな感じで解消されるのではないかなと思わせる。一応、伏線なども張られてはいるものの、明後日の方角から急に解決が降ってくる感じで、考古学上の謎の解決としては問題なくとも、ミステリのトリックとして考えるなら唐突で、アンフェアにも思える。現代での殺人の方は過去の謎と全くリンクしていない。3000年前の謎だけでは厳しいという判断で付け加えられたのだろうが、なくてもよかった気がする。
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Posted by ブクログ
エラリー・クイーンの国名シリーズへのオマージュを意識した連作短編集。当然、ロジック寄りのパズラーで、被害者も犯人も人物像から厚みをバッサリ切り落とされた記号で、動機も適当な感じだ。こうした方向での、殊に前半の2作での徹底ぶりはすごい。そんなわけだから、本作を読んで物語的な厚みがないとか、無味乾燥とかの非難をするのはお門違いと言うことになる。そう言いたくなる気持ちは分かる、パサパサぶりだが。ただ、肝心のロジックにそこまでの切れを感じない。物語的な膨らみを多少は意識したように思える、後半の2作の方が、むしろロジックの完成度も高く感じるから、作家さん的にも何か無理があるのかも知れない。個人的ベストは「或るオランダ靴の謎」。足跡密室のヴァリエーションでなかなか楽しい。でも、これもロジックと言うよりトリックですね。
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Posted by ブクログ
過去に読んだけど内容を記憶していないモノを読んでみようシリーズ
2年前の謎に満ちた殺人事件と、巨大企業の家元である宗門家。
そしてその宗門家で起きた殺人が複雑に絡み合い、
最初の方は不気味でオカルティックな雰囲気が漂う。
2年前の殺人事件の被害者が、20年近く前に亡くなった人物と同じDNAを持っていたり、
新たな殺人事件の被害者の爪に残る肉片から、その前に既に被害者となっている人物のDNAが出てきたり。
ただ、最終的には、警察によるDNA鑑定の盲点を突いたミステリーといった所か。
正直全くそのトリックに思い至らず、「なるほど」と思ったが。
そういったトリックの作りや意外な真犯人など
非常に面白そうな要素が集まっているように思えるのだが、
読んでいると何とも退屈なイメージである。
どうやら文章がわかり難いのが原因らしい。
勿体無い。
それと、掴みが非常にオカルト風であるにもかかわらず、
その種明かしに何故かあまり驚きがない。
ネタバレありで書くと「天才の考えは凄いね」ぐらいなのである。
結局、普通だったという感想になる。だから印象に残らないのか。
それでも、作者が訴えたかったであろう
「何でも遺伝子で決めていいのか。病気の要因を持つ子供は中絶して構わないのか」
という社会への提言はとても伝わる。決して悪い小説ではない。