あらすじ
弾幕の迷宮、追憶の悪魔――エラリー・クイーンに捧ぐ柄刀一版“国名シリーズ”最新刊。カメラマン南美希風と法医学者エリザベス・キッドリッジは愛知県のアメリカ領事私邸で起きた謎だらけの射殺事件に巻き込まれる。さらに、琵琶湖のクローズドサークルで発生した二ヶ所同時の殺人事件は、かつてない危険な要素に満ちていた。珍しく感情を露わに事件に挑む名探偵・美希風……悲劇の連鎖を食い止める人知を超えた大胆な仮説とは!?
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Posted by ブクログ
南美希風シリーズ。「或るアメリカ銃の謎」と「或るシャム双子の謎」収録。どちらもばりばりの本格ミステリです。
アメリカ領事私邸で起こった不可思議な銃撃事件を解く「或るアメリカ銃の謎」。緻密な論理で詰めていってもさっぱり見当がつかない、と思ったら、この真相には度肝を抜かれました。そんなとんでもないことが起こってしまうとは。そしてまさかあの話が伏線になっていたとは……。
琵琶湖のクローズドサークルでの事件を描いた「シャム双子の謎」もまたトリッキー。というよりもこの極限状況下での事件というスリリングさがとてつもないです。なぜこんな状況で犯行が起こったのか。そしてその動機……ああ、これもまたストレートに解けそうで解けない。あのメッセージの意味が切ないです。
Posted by ブクログ
南美希風シリーズ。
アメリカ領事私邸でおきた射殺事件「或るアメリカ銃の謎」と、琵琶湖のクローズドサークルで発生した二箇所同時殺人事件「或るシャム双子の謎」を収録。
どちらもかなり異常な状況が絡まり合った事件で、著者らしい本格ミステリ。トリッキーな解決が面白かった。
Posted by ブクログ
表題作含め中編2篇。
心臓移植を受けた写真家が、執刀医の娘である米国の法医学者と日本での不可能犯罪に遭遇し、解決するというケレン味しかない設定で、内容もケレン味たっぷりのもの。
謎の解き筋はかなりのナローパス。