【感想・ネタバレ】月食館の朝と夜 奇蹟審問官アーサーのレビュー

あらすじ

皆既月食が二人を消した!? 「奇蹟」の真偽を判定する奇蹟審問官アーサー・クレメンスは、世界を放浪した陶芸家・萬生こと故・五十幡典膳の館を弟の甲斐と訪れた。翌朝、皆既月食を「月宮殿」で観測していた萬生の長男・昭が遺体で見つかり、館に招かれた一人も「万物ギャラリー」にて刺殺体で発見される。推理の果てに浮かび上がるのは、館の秘密の仕掛けか、神の遊戯か? アーサーの眼前に広がるのは……!?

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Posted by ブクログ

異形の館に起きる、奇怪な装飾を伴った二重殺人、とくれば不可能犯罪ものを期待するところだが、そうではなくて理詰めのロジックで犯人を追い詰めるフーダニット。登場人物たちが交わす会話の主題も、オカルト趣味の因縁話ではなく、神の救済の是非について。クライマックスでアーサーが展開する論理は、少し回りくどいくらいに神経の行き届いたもので、緻密でかつ美しい。ただロジックの中核を成すアイデアは隠し切れていない気がする。ちと露骨。

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2024年01月01日

Posted by ブクログ

奇蹟審問官アーサーシリーズ。間が空き過ぎて、アーサーがどんなキャラクターだか忘れてしまった。読んでいく内に思い出した。
今作はトリックよりもフーダニットに重点を置いた本格ミステリだった。物語の半ば位まで事件が起こらないどころか、不穏な空気にもならない。後半から一転、ネチっこい推理がこれでもかと続く。そうそう、柄刀さんはこういう作風だったな。
雑学が長々と出て来る前半部分が惜しい。尤も、それを冗長と取らずに好む人も確実にいるのだろうけど。

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2018年02月06日

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