西尾維新の<物語シリーズ>第5作。『猫物語(黒)』に続き、羽川翼の物語。これまでのシリーズは全て、阿良々木暦の視点で語られてきたが、今作は羽川の視点で描かれている。
「いつもの朝、いつもの通学路。そこで彼女は"虎"の怪異に遭遇する。それが自身の"白さ"の理由を知るきっかけとなる―――。」
暦が惹かれ、忍野が不気味がった、羽川翼の"無垢さ"の真相が語られる回。前作『猫物語(黒)』とは白・黒と対になっている感じがするが、実際の内容はそうでもなく、時系列的にも「黒」が過去のエピソードとなっているのに対し、本作「白」は最新のエピソードとなっている。
真相を知った羽川が、自身の分身とも言える怪異"ブラック羽川"に宛てた手紙の内容が綴られる場面が、個人的に本作で一番好きなシーン。自身と向き合う決意を綴った内容は勿論のこと、手紙の最後を「草々不一」で締めるところで、彼女らしさと溢れる想いがよく伝わってくる。これは、一語一語に意味を込める西尾維新らしさが窺える良き結び。