VOFANのレビュー一覧
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阿良々木暦の妹、ファイヤーシスターズの片われ、月火のお話。
上巻に引き続き今回も楽しい会話(ギャグパート)が繰り広げられ、今回も最後の方にちらりと怪異が絡んで終わりかなぁ、などと暢気に構えていました、が!
怪異の専門家 影縫によって物語は急展開を見せ、一気に加速していく。
ここにきての忍野の存在感、タイトルの意味、おともだちパンチの登場(小ネタですが森見ファンなので)など前巻を上回る、もやもやを解消する充実の内容でした。
特に、散々理屈を並べても結局は妹大好きな暦。
主人公はやはりこうでないと(変態なのはご愛嬌)!
貝木や影縫の登場によって(恐らく「先輩」も)物語はこれからどんどん変化し -
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「では、またいつか、どこかでお会いしたときは、一から口説いてくださいね」
「本を読んで、教訓を得ようとか、学ぼうとか、この先に生かそうとか、そんな風に構えることはないんですよ。国語の授業じゃないんですから ー 面白いこと考える人がいるなーって、ただそう思って本を閉じればいいんですよ」
『「いただきます。なんだかすみません、催促したみたいになってしまって」
したみたいじゃなくて、したのだ。』
「星の王子様いわく、『大切なものは目には見えない』そうですけれども、でも、目に見えるものだって、同じくらい大切ですよね」
「そんな一円の得にもならない真似…、もとい、人様のお仕事を妨害するような真似 -
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神様から、引きこもり中学生にシフトチェンジした撫子。
彼女が<自我>を得る物語。
まぁ、ぶっちゃけ<自我>というのは、自分の醜さや小ささや歪曲さと向き合い、同時に自分の可能性を信じるってことなんだろう。
人間としてのバランスをとるといってもいいだろう。
自分に向き合うことをしなかった撫子は、自身の式神を作ることで、暴力的に対峙することになる。
ちょっとした瞬間に浮かびあがる、阿良々木くんへの思いが切なかったです。
もう答えは出たし、何をどうしたって何も変わらない、それは理解して受け入れているのに、思いが胸を刺すのはとめられない。
でも、それをきちんと -
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シリーズ七作目。相変わらずのロジック至上主義で登場人物がまったく描かれないがゆえに、純粋なパズラーとして楽しめるのかな。でもこれは解けない。名探偵への道は遠いようです。
「掟上今日子の叙述トリック」が凄い! グランドピアノで撲殺というシチュエーションだけでも凄いのに。叙述トリックに関する分類と考察がかなり興味深く読めました。知ってるつもりだけれど、それでもかなり奥の深い叙述トリック。ここに登場する「XYZの悲劇」が非常に読みたい! ただし……誰だったのよ犯人っ!!!
さらにここから続く「掟上今日子の心理試験」に絶句しました。叙述トリックを踏まえたうえでのこれって! そして、確かに現実を直視した -
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シリーズ第5弾となる本作。
語り部は全て女性で、ドラマで準主役だった厄介は出てきません。
しかし、個人的にはシリーズ中でも、上位に入る出来ではないかと思います。
小説でなければ成立しない一・二話の言葉遊びのような作品も含め、楽しく読むことができました。
著者の西尾さんは、このシリーズに出てくる小説家:須永昼兵衛と似ているところがあって、様々なシリーズを平行して執筆されていて、どのシリーズも中途半端には終わらせない印象があります。
同じシリーズでも作品によって、出来もやや波がある感じも須永先生に似ている気がします(本作は良作かと)。(笑) -
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オフシーズン3つ目は千石撫子のお話。
いや、なんというか実に真っ当な彼女の成長物語になっていてちょっと驚いた。
シリーズのキャラの中ではある意味一番アップダウンの激しいなでこ。
神様から人に戻ったあとは、そうか、引きこもりになってたんだな。
漫画家になる夢をなんとか達成しようとして頑張ってはいたけど、それは別の見方をすればそこに逃げ込んでいたわけで、あまり前向きな感じはしないなあ。
今回、斧乃木ちゃんのとんでもない計画に乗ったばかりに否応無く騒動に駆り出され自分から踏み出さないといけなくなってしまった。
この破茶滅茶さは物語シリーズの真骨頂だな。
確かに100人のブルマ露出なでこは、アニメに -
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ネタバレ撫子のモノローグ再び。物語シリーズ、ファイナルシーズンで過去の自分と決別して新しいスタートを切った撫子だったが、今回余接の提案によって昔の自分ともう一度向き合いことになる。
物語シリーズのキャラクターはどんどん性格や立場が変化しているけど、撫子はその中で最も変化が激しいキャラクターだろう。今作のなかで過去の自分と合わせて五人+αの撫子が登場する。それぞれ性格が異なり、紆余曲折の末に今の撫子があるのだと思うと感慨深くなる。あの恋について今の撫子が語った言葉がたまらない。神にまでなった彼女だけれど、どこまでも弱くて迷って流される。だけど、そこに強さも確かにあって、特別じゃないありふれた女子中学