VOFANのレビュー一覧

  • 傾物語

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    夏休みの宿題の宿題を忘れたことから端を発した今回の物語。
    しかし、事態は思いもがけない方向へと転がりだす。

    個人的に八九寺好きなので「わーい、八九寺が表紙だー!主役だー!」と阿良々木みたく喜んでいたのですが、それとは裏腹にSFチックで急にテイストの違う本作に困惑。
    結末も、決して手放しでは喜べない(ある意味戦場ヶ原さんたちがあまりにも可哀想)。
    にもかかわらず、物語シリーズの中でも結構好きな、というかお気に入りの謎の作品。
    忍と阿良々木暦の話でもあるからかな・・。

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    2017年01月09日
  • 掟上今日子の遺言書(単行本版)

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    『誰しもみんな、一度は子供だったはずなのに、どうして子供の心がわからないのだろうと、そんなことを思っていた。』

    『これは自殺のための自殺だ
    愛する死のための死だ
    飛ぶことで人は天使になる
    どうか悲しまないで
    私の完成を祝ってください』

    『飛び降りを防ぐための方法は、屋上に柵を作ることじゃない。
    落ちたら痛いと、ちゃんと教えてあげることなのだ。』

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    2017年01月08日
  • 終物語 (上)

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    ちょっと考えさせられるなあって思った。

    多数決。それは最も醜い式。間違ったことも真実に変えてしまう。

    ごもっとも。
    群衆心理で、特に考えずとも、善が悪に変わる。
    老倉の壮絶な過去に、多数決が与えた影響は計り知れない。
    自分一人では生きていけないけど、レジスタンス、自分が自分としてあり続けられるくらいの抵抗力がないと、この世の中では生きていけない気がする。
    中学生の時、不登校になった友達を思い出しましたとさ。

    モンティホール問題というのも、面白かった!

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    2016年12月24日
  • 憑物語

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    ネタバレ

    掛け合いが面白い物語シリーズの中でも、かなり面白い巻だったと思う。人間と怪異との違いは何なのか、考えてみるのも面白い。

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    2016年12月23日
  • 偽物語(下)

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    阿良々木暦の妹、ファイヤーシスターズの片われ、月火のお話。

    上巻に引き続き今回も楽しい会話(ギャグパート)が繰り広げられ、今回も最後の方にちらりと怪異が絡んで終わりかなぁ、などと暢気に構えていました、が!
    怪異の専門家 影縫によって物語は急展開を見せ、一気に加速していく。

    ここにきての忍野の存在感、タイトルの意味、おともだちパンチの登場(小ネタですが森見ファンなので)など前巻を上回る、もやもやを解消する充実の内容でした。
    特に、散々理屈を並べても結局は妹大好きな暦。
    主人公はやはりこうでないと(変態なのはご愛嬌)!

    貝木や影縫の登場によって(恐らく「先輩」も)物語はこれからどんどん変化し

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    2016年12月21日
  • 掟上今日子の挑戦状(単行本版)

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    「では、またいつか、どこかでお会いしたときは、一から口説いてくださいね」

    「本を読んで、教訓を得ようとか、学ぼうとか、この先に生かそうとか、そんな風に構えることはないんですよ。国語の授業じゃないんですから ー 面白いこと考える人がいるなーって、ただそう思って本を閉じればいいんですよ」

    『「いただきます。なんだかすみません、催促したみたいになってしまって」
    したみたいじゃなくて、したのだ。』

    「星の王子様いわく、『大切なものは目には見えない』そうですけれども、でも、目に見えるものだって、同じくらい大切ですよね」

    「そんな一円の得にもならない真似…、もとい、人様のお仕事を妨害するような真似

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    2016年12月17日
  • 撫物語

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    阿良々木のように千石撫子自身に撫子に向かわせ回収させた感じ。
    一区切りしましたね。
    撫子の長いエピローグでした。
    斧乃木余接ちゃんがこの頃いい味出しまくりです。

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    2016年12月17日
  • 撫物語

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    ネタバレ

    今までの千石撫子の物語が此処に収束するならば、きっと過去の物語は無駄でもなく駄作でもなかった。それを思い知らされた一冊でした。何かを解決したわけじゃない、15歳の彼女の環境と現状が少し変わっただけで大きく成長したわけじゃない。それでも過去の自分と向き合い、一番酷かった「おと撫子」時代の彼女に「お姉さん」として振舞えたことが彼女の大きな成長となったと思われる。この瞬間から撫子は「阿良々木暦」への初恋を終わらせられたのだから。
    撫子が嫌いでしたが、この物語で見直しました。

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    2016年12月04日
  • 撫物語

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    撫子って一番いまいちと思ってたキャラで、公正?してもあざとさ満開でうわ~って思ったのに・・・一気読みしちゃった、アリ~??

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    2016年12月04日
  • 撫物語

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     神様から、引きこもり中学生にシフトチェンジした撫子。
     彼女が<自我>を得る物語。
     
     まぁ、ぶっちゃけ<自我>というのは、自分の醜さや小ささや歪曲さと向き合い、同時に自分の可能性を信じるってことなんだろう。
     人間としてのバランスをとるといってもいいだろう。

     自分に向き合うことをしなかった撫子は、自身の式神を作ることで、暴力的に対峙することになる。
     
     ちょっとした瞬間に浮かびあがる、阿良々木くんへの思いが切なかったです。
     もう答えは出たし、何をどうしたって何も変わらない、それは理解して受け入れているのに、思いが胸を刺すのはとめられない。
     でも、それをきちんと

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    2016年12月01日
  • 掟上今日子の遺言書(単行本版)

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    隠館厄介再登場な訳ですが、1巻目の出版から4巻目の出版まで1年程度と言うことなので書き手からしてみると“再登場”と言うほどのものでもないのかもしれません。しかし、読者サイドとしては、一度消えてしまった登場人物が出てきているわけですが、彼が今後のこのシリーズでどの位の重要なポジションを占めているのか、測りかねるところもあります。

    ところで、文字での表現ですが、掟上今日子さんがセーラー服になったとのこと。カバーの挿絵はそうなっていますが、もうちょっとそう言う姿を見てみたい気もします。今日子さんが、厄介のギプスを見るかのごとく(笑)

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    2016年11月29日
  • 掟上今日子の家計簿(単行本版)

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    シリーズ七作目。相変わらずのロジック至上主義で登場人物がまったく描かれないがゆえに、純粋なパズラーとして楽しめるのかな。でもこれは解けない。名探偵への道は遠いようです。
    「掟上今日子の叙述トリック」が凄い! グランドピアノで撲殺というシチュエーションだけでも凄いのに。叙述トリックに関する分類と考察がかなり興味深く読めました。知ってるつもりだけれど、それでもかなり奥の深い叙述トリック。ここに登場する「XYZの悲劇」が非常に読みたい! ただし……誰だったのよ犯人っ!!!
    さらにここから続く「掟上今日子の心理試験」に絶句しました。叙述トリックを踏まえたうえでのこれって! そして、確かに現実を直視した

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    2016年11月24日
  • 掟上今日子の家計簿(単行本版)

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    厄介君の出番はなく、刑事との短編。叙述トリックについて延々語られた後の作品がまんまだったので親切と言うかわかりやすいというか。

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    2016年11月05日
  • 掟上今日子の退職願(単行本版)

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    シリーズ第5弾となる本作。
    語り部は全て女性で、ドラマで準主役だった厄介は出てきません。
    しかし、個人的にはシリーズ中でも、上位に入る出来ではないかと思います。
    小説でなければ成立しない一・二話の言葉遊びのような作品も含め、楽しく読むことができました。
    著者の西尾さんは、このシリーズに出てくる小説家:須永昼兵衛と似ているところがあって、様々なシリーズを平行して執筆されていて、どのシリーズも中途半端には終わらせない印象があります。
    同じシリーズでも作品によって、出来もやや波がある感じも須永先生に似ている気がします(本作は良作かと)。(笑)

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    2016年11月03日
  • 掟上今日子の家計簿(単行本版)

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    ・掟上今日子の誰がために
    雪山のペンションでおきた密室殺人事件の謎解き
    ・掟上今日子の叙述トリック
    推理小説研究会の部長がピアノで殴殺された。スマホの画面には「XYZの悲劇」の電子書籍が。
    ・掟上今日子の心理実験
    家族に監禁されていた次男の殺人事件。こっちのほうが叙述トリックっぽく、写真を見れば一目瞭然のこと。
    ・掟上今日子の筆跡鑑定
    遊園地のスマホアプリを使う脱出ゲーム。容疑者が1時間半かかったというアリバイを崩すため最速クリアを目指す掟上今日子。最後はスマホにのこったフリック跡を手掛かりにアリバイを崩す。

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    2016年11月03日
  • 掟上今日子の挑戦状(単行本版)

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    掟上今日子シリーズの三作目。それぞれが独立しているので、どこから読んでも、話に置いていかれることはありません。

    今日子さんが、忘却探偵になってしまったのには、なにやら理由がありそうなことが、一作目に書かれていますが、いまだにその謎は解かれていません。その謎を解いてくれると嬉しいんですけどね。

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    2016年11月02日
  • 撫物語

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    オフシーズン3つ目は千石撫子のお話。
    いや、なんというか実に真っ当な彼女の成長物語になっていてちょっと驚いた。

    シリーズのキャラの中ではある意味一番アップダウンの激しいなでこ。
    神様から人に戻ったあとは、そうか、引きこもりになってたんだな。
    漫画家になる夢をなんとか達成しようとして頑張ってはいたけど、それは別の見方をすればそこに逃げ込んでいたわけで、あまり前向きな感じはしないなあ。
    今回、斧乃木ちゃんのとんでもない計画に乗ったばかりに否応無く騒動に駆り出され自分から踏み出さないといけなくなってしまった。
    この破茶滅茶さは物語シリーズの真骨頂だな。
    確かに100人のブルマ露出なでこは、アニメに

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    2016年11月01日
  • 囮物語

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    千石撫子の本質が明らかになる話。「可愛い」というのはどういうことか、被害者と加害者の違いは何かについて考えた。

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    2016年10月17日
  • 掟上今日子の退職願(単行本版)

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    はい。第5弾です。
    今回は短編4本収録の書き下ろし作品でした。
    ひとつひとつ、発想の転換が求められており
    考えさせられる展開でした。
    多少浅いかな?という部分もありましたが、
    それでも全体的には、とても良かったです。
    スラスラ読めました。

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    2016年10月01日
  • 撫物語

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    ネタバレ

     撫子のモノローグ再び。物語シリーズ、ファイナルシーズンで過去の自分と決別して新しいスタートを切った撫子だったが、今回余接の提案によって昔の自分ともう一度向き合いことになる。
     物語シリーズのキャラクターはどんどん性格や立場が変化しているけど、撫子はその中で最も変化が激しいキャラクターだろう。今作のなかで過去の自分と合わせて五人+αの撫子が登場する。それぞれ性格が異なり、紆余曲折の末に今の撫子があるのだと思うと感慨深くなる。あの恋について今の撫子が語った言葉がたまらない。神にまでなった彼女だけれど、どこまでも弱くて迷って流される。だけど、そこに強さも確かにあって、特別じゃないありふれた女子中学

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    2016年08月22日