藤崎翔のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
お梅は小さな日本人形のくせして、考えてることは結構えげつない。
人間をいかに呪い殺そうかと常に思考し、しかも臓腑飛び散る派手な殺め方を好んでいる。
今作では、よりパワーアップした呪いの力により、人間たちも結構追い込まれる。お梅の"負の感情をより増強させる力"、怖いわぁ。これは確かに精神状態が荒れてたら、殺意願望に発展してしまうかも。
しかし、前作を読んでいるから分かる。人間、そう簡単に呪い殺されてくれないということを。
お梅がきっかけとなって良い方向性へ変化した人間もいたが、基本的には皆、自分の力で立ち直ったと思う。
私が好きなのは、お受験を控えた幼稚園生の話。彼女はお梅の「言ってはいけないことを言ってしまいたい欲」を増強させる力により、周囲に絶賛され、あげく両親の不仲まで解消させてしまう。オプション的な有名私立学校の面接官(教師)の暴露話も面白かったし。
意外性があって驚かされたのは、二世帯住宅で母親を介護している女性が、娘と夫の自分勝手ぶりに嫌気がさして家出する話。これは想像できなかったし、お梅もびっくりしたのではないだろうか。人間にしてやられるとは(意図的ではないが)、お梅もまだまだだ。
毎回、お梅の後悔が綴られているのも面白い。これだけ失敗が続くと、次はうまく行くといいね…と言ってあげたくなるが、私も人間なので、人間側の勝利を願ってしまう。ごめんね、お梅。 -
Posted by ブクログ
短編&ショートショートの10編。
短編は5作。
タイムスリップ・リアリティ ★★★
勇者たちのオフ ★★★★
君のためなら死ねる ★
ファーブル昆虫記を読んで ★
オリエンド鈍行殺人事件 ★★★★
勇者たちのオフと、オリエンド鈍行殺人事件は好きだった。特に勇者たちのオフは、勇者たち目線で描かれる世界が新鮮で、ユーモラス。人生はゲームのようだけど、なるほどそういう見方があるのかと思わせられた作品。
オリエンド鈍行は、いうまでもなくオリエント急行殺人事件を題材にしているが、慎重すぎるほどにネタバレ防止の予防線を張っていて、笑ってしまった。
他は好みの問題。
私はグロいのは苦手なので、君のためなら死ねるはそうと知ってたら読まなかったのに…というところです。
-
Posted by ブクログ
表題作「オリエンド鈍行殺人事件」他、笑いあり涙ありどんでん返しありの短編&ショートショート全10編から出来ています。
さすが、藤崎翔さん!!どの作品も最高に面白かったです。いい意味で最後に裏切られてしまう、、、私には絶対に想像できない結末に、脱帽です。
またしても電車内で読んで、一人でクスクス笑ってしまいました(笑)
オリエンド鈍行が停車する駅の名前も笑えました。殺人事件を巡る話なのに、そこに居合わせた人たちが何故か幸せになってしまうという展開が、藤崎翔さんらしいなあと思いました。
短編の間に挟まっているショートショートも、懐かしい話題も混ざり、楽しく読めました。
✦内容✦
〈短編〉
タイムスリップ・リアリティ
勇者たちのオフ
君のためなら死ねる
ファーブル昆虫記を読んで
オリエンド鈍行殺人事件
〈ショートショート〉
過保護
猫じゃらしとマイクロチップ
流れ星
こっくりさん
崖 -
Posted by ブクログ
タイトルからして主人公が何をしでかすかは明白。あとはそれがどう決着するのかを楽しみに読みました。
結論、どいつもこいつもみんなクズ!w
クズというよりかは、人は誰しも善であり悪であり、その狭間を状況によって行ったり来たりしているという感じでしょうか。
右に行くか左に行くか、その判断を誤ると人生はとことん転落していくんだというのが良くわかりました。でも、死体を埋めるなんて…その決断をした時点ですでに人生詰んでるんだと思います。
悪事はかならずばれる。
ばれたきっかけが、人の善意(サプライズの誕生日プレゼント)からなんて本当に皮肉です。
そこはよく考えられてるな、と思いました。
あと、芸人が芸をするシーン、「笑い」を文章にするのって本当に難しいですね。
そこで読者を笑わせる必要はないのでいいんですけど、ただなんとなく、そう思いました。