蒼月海里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大好きな街、本好きの聖地、神保町が舞台。
文体は非常に読みやすく、ページ数も多くないので、さらさらと読めました。
職を失ってしまった青年・司が、神保町で不思議な古書店『止まり木』を経営する店主・亜門と出会い、そこで働くと言う話です。
本を読むときには、お供に甘味と飲み物が欲しいタイプの人には、ぜひおすすめします。
読書と喫茶って親和性高いですよね。
作中出てくる古書店『止まり木』は、喫茶店も兼ねた古書店であり、作中にもちょくちょく、色んな種類の珈琲や、ケーキなどの甘味が出てきます。
ぎっしりと詰まった高い本棚に囲まれ、一杯の薫り高い珈琲を味わう…。うわぁ、本当にこんな古書店あるなら超行き -
Posted by ブクログ
空きが深まってきたころ、紙芝居屋さんという
見かけないものをやっている人物を発見した。
久しぶりに会った、故郷での知り合い。
都会に出てくると、見知らぬ土地、知らない人で
色々と気疲れしてきます。
そんな時、ふっと戻りたいやら帰りたいやら思います。
が、そこにじっとしていられないのが普通です。
進まないと、いつか後悔するかも知れません。
後悔しない! と言い切れるならお好きに、ですが。
再登場、の生き肝探しのお兄さん。
妖怪の、スーパーに行けば買えるし、という言葉に
ものすごく今な感じがします。
リスクを負わずして手に入ってよかった~な感じが。
何故肝を取っていたのか、が分かる今回。
そこ -
Posted by ブクログ
大学生になり、一人暮らしを始める事になった主人公。
しかし住む所は、思っていた場所と違う所で。
よくある小さな文字詐欺、のような気もしますが
都会に突如として出てきた人としては
これぐらいの方がいいかも知れません。
防犯面が微妙な気はしますが…。
連続短編で、3つ分の事件。
最後の一つ以外は、一緒に大家さんが動いてくれます。
駄菓子屋を営んでいるせいか、甘いもの好き大家さん。
それに心底心酔している、似非不動産屋さん。
ちょこちょこ出てくる『けがれ』がどういうものなのか
そして最後の話で、その溜まった穢れを
どうしているのか、が分かります。
そんな事だとうと思っていた、な大家さんの正体も。 -
Posted by ブクログ
ネタバレゲーム会社で働く我妻は、パワハラ上司の小瀬村によって酷使され、職場から帰れない生活を送っていた。限界を迎えたその時、突如ドラゴンが現れ、小瀬村をさらっていった。驚きとともに解放されたことへの喜びを噛み締めていた彼らであったが、そこに社長が現れ、仕事を続けるよう命令する。仕事から解放されたい我妻は、小瀬村を探しに行くことを口実に職場から立ち去る。
新宿で小瀬村を探していた我妻に巨大なスライムが襲いかかってきた。ロシア人騎士ニコライに助けられて九死に一生を得た我妻は、魔物たちが人間の心によって生み出されていることを知る。すなわち、己を殺して三歩下がることを美徳とし、横一列になることを良しとするスト -
Posted by ブクログ
騙されて妖の住む町に下宿する事になった青年が、駄菓子屋の店主と共に迷える死者たちを救うお話。
非常にライトなミステリー仕立てなのだけど、まあそれは味付け程度でいわば人情話であり、そう言う意味ではよくできている。
ただ、対象が死者だというのが、ちょっと引っかかった。
だって、常世にいく死者たちにお幸せにって言ってもなあ。
それなら、生きている間に救ってやれよと。
物語の設定上仕方ないのだけど、それだけに逆にそれが設定ミスだと感じてしまう。
それから折角いろんな妖がいるのだから、もっとそれを活かした話があってもよかったと思う。
それにしても『ホラー文庫』て初めて知った。
いや、ほとんどホラー