朝日新聞出版のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年(2025)7月に父が他界しました、数年前に父に頼んで描いてもらった、明石海峡大橋の水彩画が彼の遺産だと思っています。父はゴッホが好きで、ゴッホの模写をよく描いていました。先日神戸に彼の遺品整理で帰郷した時、ゴッホ展をやっていましたので観てきました。
図録を買おうとも思いましたが、その横に置いてあった「ゴッホの誘惑」というタイトルの雑誌に惹かれて、それを買うことにしました。絵の遺伝子は私は残念ながら受け継がなかったのですが、この雑誌は帰りの新幹線の中で、父を思い出しながら読みました。
以下は気になったポイントです。
・ガス灯が発明され 街を明るく照らし始めると、夜はロマンチックな時間帯に変わった。セレナーデという言葉は、昨夜に恋人が住む部屋の下で愛を奏でる音楽のことである。夜は得体の知れないものに怯えるのではなく、愛を伝える時間になった(p5)
・ガス灯が最初に登場したのは1800年代初頭のロンドン、意外に思われるが、それまでの人々は数千年にわたって、松明・ろうそく・オイルランプと共に夜を過ごしてきた。ガストの普及を後押ししたのは 当店 イギリスで起きた産業革命であった 。生産性を高めるには、夜間も機械を稼働させる必要があり、 より明るい人工照明が求められるようになった(p13)
・ゴッホは10年 の画業で約2000点の作品を残すが、生前に売れたのはわずかに1枚だけ。 大日本帝国憲法が施行された1890年7月29日に37歳の生涯を自ら 閉じた(p21)
・ 32歳の時にパリに出ると、当時最先端の印象派 や 新印象派の作品を研究した。キャンバスは劇的に 明るくなり点描 も試みた。 多くの浮世絵にも触れ 大胆な構図と色彩も取り入れた。34歳で南仏 アルル へ移ると、ひまわり・ アルルの跳ね橋・ 夜のカフェテラスなど 傑作を 次々 生み出した(p30)
・ダヴィンチ・ブリューゲル・フェルメール・レンブラント といった教科書にも登場する有名な画家は「描きたいものを自由に 描く」ことはできなかった、 彼らはまず、 宮廷・貴族・教会・少数の裕福な上流市民 といった人々からの注文がなければ 筆を取ることはなく、どれだけ自信作 であっても「頼んだものと違う」と言われてしまえばそれまでであった(p32) 近代の画家たちはパトロンの注文から解放され 、自らの感性・ 思想に基づいて 捜索活動を行うことが可能になった。その代償として、経済的な不安定・貧しさを覚悟しなければならず、さらには 自分の作品が理解されない中で、それでも書き続けるという 孤独と向き合うことになった。その典型的な存在の一人が ゴッホ である(p33)
・ 当時 画家として成功するには、 フランス王立美術アカデミーが主催する「官展」 というコンクールに 入選することが必須条件であった。アカデミーが創設する「ローマ賞」を受賞すれば 国費でローマに留学できる、帰国後には絵を買ってくれる パトロン もついた。一見理想的に見えるが、極めて 権威主義的であるという欠点もあった 当店 色の塗り方 から 構図に至るまで 、伝統的な絵画の作法が山のように存在し 自由な表現は難しかった 。中でも注目すべきは 「歴史画」つまり 神話や 聖書を題材とした絵を 最上位とし、 風景画・静物画、日常を描いた作品は「低俗」として扱われた(p35)
・ゴッホは、浮世絵の 鮮やかな色彩、 遠近法にとらわれない自由な構図、色彩を面として捉える、 固有色からの解放 、遠近法にとらわれない構図、大胆な トリミング等に影響を受けた(p47)
・ゴッホの偉業の一つは肖像画の背景を、 黒から解き放ったことかもしれない。もともと 肖像画は、背景を黒く塗り、その人物の地位や職業を示す 装飾品や小道具を添えるのが一般的であった(p78)
2025年11月21日読破
2025年12月3日作成 -
Posted by ブクログ
関東編はコロナ禍の間に買って読んでいたが、関西編が新しく出版されていた。
本書で紹介されている3割ほどの美術館には行ったことがあったけれど、全く知らなかった美術館も紹介されていて、興味深かった。長年の宝塚ファンとして京阪神には馴染みがあるのだが、ほとんど行き尽くしたと思っていた大阪市内や、宝塚から三宮までの地域でもまだ行っていない美術館があって、時間を見つけて行ってみたいと思った。
市立伊丹ミュージアムや白鶴美術館が紹介されていなかったのがちょっと意外だった。
日本て本当に良い美術館が多いなと改めて思ったし、ココにもアソコにもいつか行ってみたいなと考えてワクワクした。 -
Posted by ブクログ
美術館に興味を持ち出したのは最近のことで、各地に行ってはそこにある美術館を調べている。
美術館に対して関心があるのは、内容もさることながら、『体験』として素晴らしいと思うから。
作品をより良く見せるために工夫を凝らしている。
それ自体もアートのように思える。
アートに触れることは、人生において必須ではないように思える。
しかしアートに触れる時間を持つことによって、人生が少しだけ豊かになる実感がある。
背景や歴史が面白い。
そして、そんな知識を無視して、ただ何となく「これ好きだなあ」と思えるものに出会うのも面白い。
特に私は建築に興味があることに最近気がついた。
そうして自分の中にあるものに気づきを得るのも、美術館の良いところ。 -
Posted by ブクログ
今、読み進めている本が難解でなかなか読み進められないので気分転換として手にした本です。これがなかなか面白くて読み飛ばすのがもったいない本でした。「発明が変えた世界史」は「発明が変えた社会史」であり「発明が変えた人類史」でもありました。ある意味「サピエンス全史」のチャート式参考書みたいに感じました。もっともとってもわかりやすいのでイノベーションについてハラリ的な悲観はなくポジティブな印象です。カラーでビフォアーアフター構成もそれに寄与しているかもしれません。ただよく考えるとこの本の「20世紀前半の発明」の収拾のつけた方をどうつけるかが、本書に書かれていない「21世紀前半の発明」として成されなければならないと感じました。最終章である「20世紀後半の発明」が今の社会を作っているとして、その発明が「21世紀前半の発明」にどう繋がり、現在の社会をどう変えていくのか、これは大きな宿題だと思いました。