池澤夏樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・作家池澤夏樹が3.11以後の日本について語った講演録。
・日本の国土は、豊かな自然に恵まれているが、その代償として古来より地震や津波、火山の噴火などの天災とも付き合っていかざるを得なかった。数多の災害を経ていくうちに、日本人にある自然観が宿った。自分の力ではどうしようもないことを悟って、きっと次に良いことがあるのだから、なかったことにして忘れよう。いわば「諦める」という思想。地震や津波が来ることは仕方がない。いずれ来ると覚悟して準備するしかない。
・しかし、「諦める」という思想が悪い方に出てしまうと、「原発事故も仕方がない」となってしまう。両者は明確に区別しなければならない。
・原発従 -
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Posted by ブクログ
架空の発展途上国ナムリンに風力発電のための風車を設置する日本人技術系サラリーマンの話。小説なんだけど、文明と環境についての作者の思索でもある。チベット仏教に守られた秘境に立つ風車のイメージは夢のように美しく詩的。…なのに、主人公の奥さんのメールやセリフが説教くさくて全体的に飛距離不足か。この奥さんのメールっていうのがだいたい各章の終わりにいつも出てきて、主人公の今日の行動を批評するみたいな感じで、きみらは吉野源三郎「君たちはどう生きるか」のコペル君とおじさんかいっと突っ込みたくなる。これ実は啓蒙書なのかも。終盤の意外なスリルとサスペンスがめちゃくちゃ面白かったのでまあなんでもいいや。【2005