日本経済新聞社のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大量雇用で経済全体の生産性を上げ、その果実を賃金上昇の形で行き渡らせてきた工業化社会。富の源泉がモノから情報や知識へと移り、人々が豊かさを手にする方程式も狂い始めた。
経済指標となるGDPもその限界を迎えている。国力を測る取組は17世紀の英国でスタート。かねてより専業主婦の家事労働が計上されないなどの欠点が指摘されていたが、モノの生産量の指標に過ぎないGDPは、無料の情報のやり取りが主となる時代に機能不全に陥っている。もはや橋や鉄道が進化していく時代ではない。コミュニケーションや情報のやり取りが容易になっていく時代。富をどう活用し、コミュニケーションをどう幸福に変えていくかが問われている。
さまざまな専門家の証言から、新しい指標の開発や経済理論の可能性が語られるが、例えばECI(経済複雑性指標)という、モノの量ではなく、モノを生み出すための能力の指標が紹介されていた。
また、面白かったのは日本のように工業生産が得意な国は階層的な組織を持ちやすいという話。完璧で良いモノを作るには何重にもチェックできる体制が向いているが、優れたソフトウェアを生み出すのは次々と試作や改良を繰り返す柔軟な組織。まずは動くモノを作り、改良していく。そうした働き方、社会の作り方が我々にできるのだろうか。
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Posted by ブクログ
【感想】
翌年の展望について、毎年日経新聞社が出版している本です。
ただ本書に関しましては、20年9月に出版されたものですので、コロナワクチンの事であったり第3波・第4波については書かれておらず、またアメリカの大統領選挙の結果についても書かれていませんでしたので、展望としてはやや的外れ気味かも・・・笑
僕がこの本を読み終えたのが2021年2月頃でしたが、その頃と比べてもかなり世の中は変化があったような・・・
そう考えますと、「トレンド」というのは本当に速いスピードで変化しますね~・・・・・
また、安倍総理辞任というトピックから、アベノミクスのレビューについても詳しく触れられていた。
アベノミクスについては、「戦後の景気回復(いざなぎ景気、バブルなど)と比較すると成長率が低い」だの、「諸外国と比べて云々」など、結構辛口のコメントで書かれておりました。
そもそも、岩戸景気やいざなぎ景気は当時の収入など元々のベースが全然違うので、「成長率」という視点で比較するのは如何なものか?と思いましたが(笑)
ただ、確かに僕個人の肌感覚としても、ここ数年の好景気っていうのは"ハリボテ感"が強かった気がします。
東京オリンピックだ大阪万博だと変に盛り上がっていましたが、不動産価格急騰や世間の盛り上がりと、世間一般の方々の世帯年収の上昇には、正直かなりのギャップがあったような・・・
バブルの時と同じく、実感の伴わない好景気っていうのは、反動が怖い気がします。
「VUCA」と言われて久しいですが、変化が激しく見通しの悪いこの世の中を生きていくためには、やはり"正しい"情報収集が必須となってきます。
というより、自分自身がその変化の波にうまく乗らなくてはいけませんね。
そういう意味でも、勉強を継続させる大切さを改めて認識しました。
【内容まとめ】
1.長期にわたる一方、勢いは弱く脆かったアベノミクス
2012年12月から71ヶ月間の景気回復だったアベノミクスは2002年?2008年の「いざなみ景気」に次ぐ戦後2番目の記録となった。
「3本の矢」と呼んだ政策のうち、最初の矢である「金融政策」は日銀が異次元緩和に邁進、第二の矢である財政は歳出を膨らませて景気への配慮を印象付けた。
半面、規制緩和に代表される第3の矢が中々放たれなかった。経済の革新、生産性を高める改革は殆ど素通りし、そうした残念な現実が経済成長を示す数字にくっきり現れた。
2.アベノミクスは景気回復が長期にわたる一方、その勢いは弱く、脆かった。
年率の成長率として
1958年から42ヶ月間の「岩戸景気」が11.3%
1965年から57ヶ月間の「いざなぎ景気」が11.5%
1986年から51ヶ月間の「バブル景気」が5.3%
戦後最長の「いざなみ景気」は1.6%
「アベノミクス」はさらに低い1.1%にすぎない。
3.国連は、貧困や飢餓の撲滅などと共に、気候変動問題への対応やクリーンエネルギー拡大を目的とする「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択した。
環境や社会への取り組みを投資判断の尺度として重視する「ESG投資」も広がる。
4.ディープテック
相当な研究開発を必要とし、大きな社会問題や環境問題の解決を目指す。
爆発的な急成長を遂げるわけにはいかず、短期で利益をあげたい投資家には敬遠されやすい。
先端材料、AI、バイオ、ブロックチェーン、ドローン・ロボット、フォトニクス・エレクトロニクス、量子コンピューティングの7分野に関係。
ネット系サービスと異なり、言葉の壁を気にせずに世界市場を狙うことができる。
【引用】
p16
感染、賃金、金融、財政。
これら4つのハードルを乗り越えれば、日本経済は2021年にかけて「V字型」の回復へ向かうだろう。
1年延期された東京五輪の景気押し上げ効果も加わってくるストーリーだ。
しかし停滞が長引き、U字型の回復になると覚悟する経営者も多い。
さらには、避けたいシナリオだが、2021年いっぱい上向かないL字型になる懸念も否定できない。
p17
・長期にわたる一方、勢いは弱く脆かったアベノミクス
2012年12月から71ヶ月間の景気回復だったアベノミクスは2002年?2008年の「いざなみ景気」に次ぐ戦後2番目の記録となった。
「3本の矢」と呼んだ政策のうち、最初の矢である「金融政策」は日銀が異次元緩和に邁進、第二の矢である財政は歳出を膨らませて景気への配慮を印象付けた。
半面、規制緩和に代表される第3の矢が中々放たれなかった。
経済の革新、生産性を高める改革は殆ど素通りし、そうした残念な現実が経済成長を示す数字にくっきり現れた。
年率の成長率として
1958年から42ヶ月間の「岩戸景気」が11.3%
1965年から57ヶ月間の「いざなぎ景気」が11.5%
1986年から51ヶ月間の「バブル景気」が5.3%
戦後最長の「いざなみ景気」は1.6%
「アベノミクス」はさらに低い1.1%にすぎない。
景気回復が長期にわたる一方、その勢いは弱く、脆かった。
p92
国民に給付される社会保障給付費は、年間で120兆円ほど、政府の一般会計予算102兆円を大きく上回る規模だ。
このうち「年金」が全体の約半分を占め、次いで「医療」が3割、「介護」が4割、残りの部分に生活保護や失業給付、児童手当など様々なものが含まれる。
p95
日本の行政は、徴収した税金だけでは収入が全く足りていない。政府の一般会計予算のおよそ3分の1は借金で賄う状況となっている。
(コロナ対策の10万円特別定額給付金もすべて国債発行で賄われた。)
これまでの借金は積もり積もって、国内総生産GDPの2倍を超える水準に達している。
財政健全化、すなわち国の借金返済と今後も増え続ける社会保障関係費用を工面していくためには、どうみても税や社会保険料の負担は今後重くなる。
p106
国連は、貧困や飢餓の撲滅などと共に、気候変動問題への対応やクリーンエネルギー拡大を目的とする「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択した。
環境や社会への取り組みを投資判断の尺度として重視する「ESG投資」も広がる。
p143★
VUCA時代においてますます重要性が高まるのが「イノベーションの創出」だ。
時代や環境が激変しても、それに対応したイノベーションを生み出せる企業は対応しやすい。
逆に新機軸を生み出せず、旧来の技術や組織構造、マーケティング手法にしがみつく企業の未来は明るくない。
p162
未曾有の逆風を受けて、生き残りをかけて知恵を絞ったり、研究開発投資を続けることで成長を果たす企業がいる。
歴史が裏切らなければ、今回のコロナ後もイノベーションが起こる!
p177
・ジョブ型という雇用制度
職務ごとに最適な人材を起用し、仕事の遂行能力や実績に応じて待遇を決める人材マネジメントシステム。
日本的な年功型賃金や定期的な昇給、順送り人事をすべて否定している。
p209
・ディープテック
相当な研究開発を必要とし、大きな社会問題や環境問題の解決を目指す。
爆発的な急成長を遂げるわけにはいかず、短期で利益をあげたい投資家には敬遠されやすい。
先端材料、AI、バイオ、ブロックチェーン、ドローン・ロボット、フォトニクス・エレクトロニクス、量子コンピューティングの7分野に関係。
ネット系サービスと異なり、言葉の壁を気にせずに世界市場を狙うことができる。
p209★
・治療用アプリが薬事承認
2020年8月、キュアアップが開発したニコチン依存症の治療用アプリが厚労省から薬事承認を得た。
医療用アプリの承認は日本初で、医薬品・医療機器のどちらでもないソフトウェアの力で治す時代の幕開けとなる。
キュアアップはニコチン依存症以外にも、高血圧やNASH(非アルコール性脂肪肝炎)のアプリ開発に取り組んでいる。
医療費の高騰や地域による医療格差、開発コストなどはアプリであればかなり改善できる。
治療用アプリは2025年には世界市場が1兆円規模になると予想される注目分野なのである。
p214
・ゼブラ企業
ユニコーンは急成長して市場独占も厭わない。
それに対しゼブラ企業は、持続可能な繁栄を求め、他社との共生を探る。
競争によって優勝劣敗がはっきりする世界に生きるユニコーンと異なり、他社と協力してウィンウィンの関係を重視するのがゼブラ企業だ。 -
Posted by ブクログ
2020年代の世の中を振り返り、そこからこの2021年に考えるべき課題や論点について、日本経済新聞の記者の方々等が述べられています。どうしてもコロナに目が行きがちな世相ですが、その実態についても、またそれ以外に注意しなければならないことについても、一通り網羅することができるのではと思います。政治、経済について、昨今の混乱に乗じるような動き、混乱で見えなくなってしまっている重要な決定など。また新しい経済の動き。これから大きな話題になろうというものについて知ることができます。好評シリーズの本書ですが、読むと10年後の世界が今とは違うものになっていることについて考えさせられます。
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Posted by ブクログ
新年最初の読書。
一年前の状況なので、今はもっと状況は進んでいるので続編をみてみたいが、確実に変化し始めている。HVからEVが今後の主流となる可能性は高いが、車だけでなくインフラを含めたシステムの変化を今後注視して、楽しみながら変化をはじめとする見ていきたいと思った。
とにかく、自動車部品の部品数が三割減るインパクトは大きいし、さらにバッテリーが固形化され量産されるのは時間の問題なので、進化のスピードにトヨタがついていけるか?全方位型のトヨタと集中のテスラ、Google等、集中型の方が強いと思うが、どうなるかこれも楽しみ。
ところで、水素自動車はどうなるのか?
この三つのポイントを学んだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレファクターX=カイシャ?
2020年夏のボーナス前年比95%
金融機関のバックアップ維持力
66兆円の国債
日本に希薄な科学と政治の接点
国際金融都市東京
国民の生活レベル向上
香港の敵失、家賃の安さ、観光、文化、気候、食
税率高さ、役員報酬二重課税
無形資産 =特許やソフト
GAFA有形資産はトヨタの3分の1以下
MS 5.2兆円、トヨタ2021年から
国内トップ=キーエンス
テスラ 特許無償公開 知財=ブランド、イーロンマスク
生き残りの条件
逆境に立ち向かう企業 キーエンス、SMC、
社会に役立つ企業 テルモ、エムスリー
グローバル化企業 シマノ、
ジョブ型雇用
⇔メンバーシップ型=日本型
ディープテック
社会問題、環境問題の解決 言葉の壁がない
ゼブラ企業:共生
ユニコーン:急成長、市場独占
反グローバリズム 国家の壁
シンガポール 小回りの良さより規模の小ささが弱点
英国 スポーツマンシップと格差不満=ブレグジット
グリーンリカバリーとコロナ -
Posted by ブクログ
シェアリングビジネスや無料でのビジネス、マッチングサービスなど今までになかった新しいビジネスが次々に生まれるネオエコノミーについてまとめた一冊。
MaasやVRなどデジタル化が加速する中で今の世界の現状を本書で知ることができました。
モノの所有や定価という概念がなくなり、経済の停滞が鮮明化してくる中で無形資産がますます重要視されていることやその中からGAFAが台頭していることを感じました。
あとネオエコノミーによって今までにない概念も生まれてきており、その恩恵を受けている方を臓器提供の現場から知ることもできました。
今までGDPで見ていた経済成長も頭打ちとなり、新しい見方が必要になっているとも感じました。
無料でのサービスが増え、モノを取得したり所有することで幸福を得るという価値観も変わりつつあ流ことを本書を読んで感じました。
そして、この2020年代が新しい時代で変容した価値観が定着するまでの転換点にあると感じさせられた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
日経新聞が膨大な社会保障に巣くう無駄遣いに独自分析でメスを入れ、2018年11月から2020年3月にかけて、シリーズで掲載した記事をベースに書かれた本。
紹介されている内容の中で目に止まった点をまとめておく。
・アンチエイジングに効くからと通院して薬をもらうなど、市販品があるのに、安い公的保険を使う
・フランスでは処方薬の価値や重要性に応じて自己負担率を変えている。日本でも効果が乏しいものは保険の対象から外し、効果が明確なものに財源を振り向けるべき。
・広域抗菌薬の念のための処方が耐性菌の発生を招くなど無駄遣いのみならず、弊害招くことも。
・診療報酬水準の高い急性期ベッドが過剰で入院も長引きがち
・急性期から回復期や慢性期への病床の転換は進まず、人手不足や採算性の面から在宅生活を支える受け皿も不十分
・入院が長いほど病院の収入も増える出来高払いの診療報酬制度が長く続いたが、これからは定額の診療報酬でありDRGに徹底していくべき
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Posted by ブクログ
特に著者がいて考察を書いた本ではなく、日経記者がそれぞれAIに関する取材をした記事を再編集した本。
だから内容こそ細切れではあるが、それぞれ最先端の識者が登場し、AIに対する意見を述べているのは、AI全体を俯瞰する意味では読みやすい。
ポジティブ意見もあれば、裏返すようなネガティブ意見もあったり。
技術がここまで進化している、という話もあれば、技術的な限界がここにきている、という話もある。
そういう意味で、AIの最新トレンドを色眼鏡無しで見ることが出来る。
サクッと読める本なので「なるほどねぇ」程度の理解でいいと思う。
法改正も含めて、AIの扱いについてはまだまだ課題が多い。
やはり、自分がどのスタンスに行くのか?
真剣に考える必要がある。
テクノロジーに翻弄される側にいるのか?
テクノロジーを使いこなす側に行くのか?
課題は尽きない。
(2018/6/15) -
Posted by ブクログ
・もっと働け、から、ちゃんと働けへ
・有能な人の力を巧みに引き出さなければ、区にも企業も成長しない
・時間当たりの労働生産性をどう上げるか?
→場所を選ばず働く+一人で二人分働く
・政府の9本柱
1)同一労働同一賃金等非正規の待遇改善
2)賃上げと労働生産性の向上
3)長時間労働の是正
4)転職・再就職支援、格差を固定させない教育
5)テレワーク、兼業・副業など柔軟な働き方
6)働きあk多に中立な社会保障制度、税制、女性・若者の活躍
7)高齢者の就業促進
8)病気の治療、子育て・介護と仕事の両立
9)外国人受け入れ問題
・サイボウズ)青野社長
「一歩間違えればすぐにはじきとばされてしまう環境下で、社員を年功序列で評価しても勝ち目はない。いかに人材を集めい、社員oモチベーションを高めていくか考えるのはm我々にとって生存戦略だ。生産性向上という言葉は安っぽく聞こえるのであまり好きではないが、そういしないと事業が成り立たない」
・働き手の潜在能力をつぶさない
・働い方改革で持ち出しが増える?(賃上げ、福利厚生の充実など)負担は増えても、働きやすい環境を整えるほうが稼げる